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カナダCPI発表、カナダドルが反応しそう

2025/10/21 09:09

【ポイント】
・主要国の株価が堅調に推移するか
・カナダCPIBOCの追加利下げ観測が補強されるか

(欧米市場レビュー)

20日、欧米時間の外為市場では豪ドルNZドルが堅調に推移。一時豪ドル/米ドルは0.65159米ドル、NZドル/米ドルは0.57479米ドルへと上昇し、豪ドル/円は98円台前半、NZドル/円は86円台後半へと上昇しました。トランプ大統領は記者団に対し、中国との貿易について「最終的に非常に強力な貿易協定が締結できるだろう」などと述べました。米国と中国の貿易摩擦をめぐる懸念が緩和したほか、米国株が堅調に推移したことが、投資家のリスク意識の変化を反映しやすい豪ドルやNZドルの上昇要因となりました。

(本日の相場見通し)

本日は、日本や米国など主要国の株価動向に注目です。

20日の米株式市場では主要な株価指数が総じて上昇。ダウは前営業日比515.97ドル高(1.12%)の46,706.58ドル、ナスダックは同310.57ポイント高(1.37%)の22,990.54ポイント、S&P500は同71.12ポイント高(1.07%)の6,735.13ポイントで取引を終了。米国と中国の貿易摩擦緩和への期待に加え、堅調な企業決算が米国株を押し上げました。

主要国の株価が本日堅調に推移すれば、リスクオン(リスク選好)が強まる可能性があります。その場合、豪ドル/円やNZドル/円など対円の通貨ペアが底堅い展開になりそうです。

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本日召集される臨時国会では、自民党の高市総裁が首相に選出されると予想されます。そのとおりになれば、市場の関心は新政権がどのような経済・財政政策を打ち出するのか、そしてその実効性へと移りそうです。

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カナダの9月CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間21:30)。その結果にカナダドルが反応する可能性があります。

CPI総合の市場予想は前年比2.3%と、8月の1.9%から高まるものの、BOC(カナダ中銀)のインフレ目標レンジ(1~3%)に引き続き収まるとみられています。

BOC(カナダ中銀)はコアインフレ指標としてCPIトリム値とCPI中央値を注視しており、それらの結果にも注目です。市場予想はトリム値と中央値のいずれも3.0%。8月の上昇率はそれぞれ3.0%と3.1%でした。

BOC(カナダ中銀)は前回9月17日の政策会合で0.25%利下げすることを決定。政策金利を2.75%から2.50%へと引き下げました。マックレム総裁は会合後の「リスクが一段と傾く場合、さらに行動する用意がある」と述べました。

市場では、BOCは次回10月29日の会合0.25%の追加利下げを行うとの見方が有力。OIS(翌日物金利スワップ)に基づくと、20日時点で市場が織り込む次回会合での利下げ確率は9割弱です。

本日発表のCPIが市場予想を下回る結果になれば、BOCの追加利下げ観測が補強されるとともに、カナダドル安材料になりそう。米ドル/カナダドルは堅調に推移する可能性があります。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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