FRB理事や日銀審議委員の講演が材料になるか
2025/09/29 08:40
【ポイント】
・ウォラー理事の講演などでFRB追加利下げ観測がどうなるか
・野口審議委員の講演で市場の日銀金融政策見通しが変化するか
(欧米市場レビュー)
26日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は149.392円、米ドル/シンガポールドルは1.29100シンガポールドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.17017ドル、英ポンド/米ドルは1.34078ドル、豪ドル/米ドルは0.65459米ドルへと上昇しました。米国の9月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)が55.1と市場予想の55.4を下回り、また1年先と5年先のインフレ期待(確報値)もそれぞれ4.7%と3.7%といずれも速報値(4.8%と3.9%)から下方修正されました。それらが米ドルの重石となりました。
米国の8月PCE(個人消費支出)デフレーターは、総合が前月比0.3%・前年比2.7%、コアが前月比0.2%・前年比2.9%となり、いずれも市場予想どおりの結果でした。
(本日の相場見通し)
本日は、米国の8月中古住宅販売保留指数が発表されます(日本時間23:00)。中古住宅販売保留指数が市場予想の前月比0.3%からかい離する結果になれば、材料になりそうです。
また、FRB(米連邦準備制度理事会)のウォラー理事がフランクフルト(ドイツ)で講演します(日本時間20:30)。
FRBは前々回7月29-30日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で政策金利の据え置きを、前回9月16-17日のFOMCで0.25%の利下げを決定しました。ウォラー理事は7月と9月のいずれも0.25%利下げすることを支持しました。
市場では、次回10月28-29日と次々回12月9-10日のFOMCでそれぞれ0.25%の追加利下げが行われるとの見方が優勢です。
中古住宅販売保留指数が市場予想を下回る、あるいはウォラー理事が講演で追加利下げに前向きな姿勢を示せば、FRBによる追加利下げ観測が市場で高まるかもしれません。その場合には米ドルが軟調に推移して、米ドル/シンガポールドルは下落し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは上昇しそうです。
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日銀の野口審議委員が札幌市で講演します(日本時間14:30)。その内容にユーロ/円や豪ドル/円など対円の通貨ペアが反応する可能性があります。
日銀は9月18-19日の金融政策決定会合で政策金利を0.50%に据え置きました。政策金利の据え置きは7対2で決定され、据え置きに反対した高田審議委員と田村審議委員は0.25%の利上げを提案しました(野口審議委員は据え置きに賛成)。
市場では、日銀は年内に0.25%の追加利上げを行うとの観測があります。野口審議委員が講演で追加利上げに慎重な姿勢を示せば、対円の通貨ペアが堅調に推移しそう。ユーロ/円は24年7月高値の175.391円、豪ドル/円は25年9月12日高値の98.368円がそれぞれ上値メドです。
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