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NZドルが軟調、豪ドル/NZドルは2年11カ月ぶりの高値

2025/09/19 08:56

【ポイント】
NZの弱いGDPを受けてRBNZによる大幅利下げ観測が浮上
・日銀総裁は追加利上げのタイミングについてヒントを提供するか
・カナダ小売売上高で市場のBOC金融政策見通しが変化するか

(欧米市場レビュー)

18日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は148.221円、米ドル/カナダドルは1.38053カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.17491ドル、英ポンド/米ドルは1.35345ドルへと下落しました。米国の先週分の新規失業保険申請件数が23.1万件と市場予想の24.0万件と比べて強い結果となり、同国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇したことが、米ドルの支援材料となりました。

NZドルは軟調。豪ドル/NZドルは一時1.12738NZドルへと上昇し、22年10月以来2年11カ月ぶりの高値を記録。NZドル/円は86.806円、NZドル/米ドルは0.58711米ドルへと下落しました。NZの4-6月期GDP(国内総生産)が前期比マイナス0.9%と、市場予想やRBNZ(NZ中銀)の8月時点の見通し(いずれもマイナス0.3%)を大きく下振れました。それを受けて市場ではRBNZによる大幅な利下げ観測が浮上し、NZドル安圧力が加わりました。

OIS(翌日物金利スワップ)によると、市場は次回10月8日のRBNZ会合での0.25%利下げを完全に織り込み、0.50%の利下げも2割強織り込んでいます(日本時間19日08:53時点)。

BOE(英中銀)とSARB(南アフリカ)は政策金利をそれぞれ4.00%と7.00%に据え置くことを決定。ノルゲバンク(ノルウェー中銀)は政策金利を4.25%から4.00%へと引き下げました。

※BOEとノルゲバンクの政策会合について詳しくは、本日の『ファンダメ・ポイント』[英中銀は据え置き、ノルウェー中銀は利下げ 今後は?]をご覧ください。

(本日の相場見通し)

本日は、日銀の金融政策会合が開かれます。会合の結果が判明するのは通常正午前後、15時30分から植田日銀総裁が会見します。それらの内容に市場が反応しそうです。

政策金利は現行の0.50%に据え置かれると市場は予想しています。そのとおりの結果になれば、植田総裁の会見が材料になると考えられます。

植田総裁の会見では、「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」との方針が改めて示されるとみられます。

会見における注目点は、追加利上げのタイミングについてどのようなヒントが提供されるのか。日銀は追加利上げを急いでいないと市場が受け止めればが軟調に推移して、ユーロ/円や豪ドル/円は上値を試す展開になりそう。ユーロ/は24年7月高値の175.391が上値メドです。

***

カナダの7月小売売上高が本日発表されます(日本時間21:30)。その結果にカナダドルが反応する可能性があります。

小売売上高の市場予想は前月比マイナス0.8%、自動車を除く売上高は同マイナス0.6%です。

BOCは9月17日の政策会合で0.25%利下げすることを決定し、政策金利を2.75%から2.50%へと引き下げました。マックレム総裁は会合後の会見で、追加利下げに含みを持たせました。

※BOC会合については、18日の『デイリー・フラッシュ』[英・ノルウェー・南アフリカの中銀会合開催!]にて解説していますので、ご覧ください。

BOCの次回会合は10月29日。18日時点で市場は、次回会合での利下げの確率を五分五分とみているようです。

カナダの小売売上高が市場予想と比べて弱い結果になれば、BOCによる追加利下げ観測が高まるかもしれません。その場合、カナダドルが軟調に推移しそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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