JOLTS発表、米地区連銀総裁が講演
2025/09/03 09:00
【ポイント】
・JOLTSを受けてFRBによる利下げ観測が一段と高まるか
・米地区連銀総裁の講演で金融政策について新たなヒントが提供されるか
(欧米市場レビュー)
2日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は148.896円、米ドル/カナダドルは1.38103カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.16122ドル、豪ドル/米ドルは0.64830米ドル、NZドル/米ドルは0.58351米ドルへと下落しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇したことが、米ドルの支援材料となりました。米ドル/円については、日本の政局不透明感(円にとってマイナス材料)も上昇要因となったようです。
英ポンドは軟調。一時英ポンド/円は198.310円、英ポンド/米ドルは1.33388ドルへと下落し、ユーロ/英ポンドは0.87077ポンドへと上昇しました。英国の財政政策に対する不信感が英ポンドに対する下押し圧力となりました。
※詳しくは、本日の『ファンダメ・ポイント』[英国でトリプル安⁉ 債券自警団か]をご覧ください。
(本日の相場見通し)
本日は、米国の7月JOLTS(労働動態調査)が発表されます(日本時間23:00)。その結果が材料になる可能性があります。
JOLTS求人件数の市場予想は737.8万件と、前月の743.7万件から減少するとみられています。市場予想を下回る結果になれば、FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ観測が一段と高まると考えられます。その場合には米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下値を試し、ユーロ/米ドルは上値を試す展開になりそうです。
※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、200日MA超えとなるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁やムサレム・セントルイス連銀総裁が本日講演します。両地区連銀総裁の講演内容次第では材料になるかもしれません。
カシュカリ総裁は8月6日に、ムサレム総裁は8月22日にそれぞれ主に以下の発言をしました。
<カシュカリ総裁>
・「米経済は減速しており、短期的に政策金利の調整を開始することが適切かもしれない」
・「関税がインフレにどのような影響を及ぼすかは依然として明確ではないが、米経済の減速は明確だ」
・「FRBは経済の減速に対応する必要がある」
・「年末までに2回利下げを行うことが妥当だと引き続き考えている」
<ムサレム総裁>
・「(米国の)インフレ率は2%よりも3%の方に近く、インフレがある程度持続する可能性もある」
・「現在の政策は適切な位置にある。インフレを抑制するには適切だ」
・「労働市場に対するリスクが高まる場合、政策金利の調整が正当化されるかもしれない」
本日の両総裁の講演では、FRBの先行きの金融政策について新たなヒントが提供されるかに注目。ヒントが提供されれば、市場が反応しそうです。
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