米ドルが軟調、FRB議長の発言が下押し圧力に
2025/08/25 08:52
【ポイント】
・NY連銀総裁やダラス連銀総裁の講演でFRBの金融政策についてヒントが示されるか
・主要国の株価が堅調に推移するか
(欧米市場レビュー)
22日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は146.564円、米ドル/カナダドルは1.38149カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.17372ドル、英ポンド/米ドルは1.35387ドルへと上昇しました。
パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長がジャクソンホール会議(カンザスシティ連銀主催の年次シンポジウム)での講演で次回9月16-17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げを行う可能性を示したことが、米ドルに対する下押し圧力となりました。
※詳しくは、23日の『ファンダメ・ポイント』[パウエル議長のジャクソンホール講演、9月利下げを示唆]をご覧ください。
(本日の相場見通し)
22日のパウエルFRB議長の講演を受け、市場ではFRBによる利下げ観測が高まりました。CMEのFedWatchツールによると、米国時間22日時点で市場が織り込む9月のFOMCでの利下げ確率は約85%(政策金利の据え置きは約15%)。21日時点の利下げ確率は約75%でした(同約25%)。
米国の7月新築住宅販売件数が本日発表されます(日本時間23:00)。それが市場予想の年率換算63.0万件を下回る結果になれば、FRBによる利下げ観測は一段と高まる可能性があります。その場合には米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下値を試し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは上値を試す展開になりそう。米ドル/円は、8月14日安値の146.200円が目先の下値メドです。
本日はまた、ウィリアムズNY連銀総裁とローガン・ダラス連銀総裁がメキシコシティでそれぞれ講演します。両総裁の講演では、FRBの先行きの金融政策について何らかのヒントが示されるかどうかに注目です。
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22日の米株式市場では、ダウ・ナスダック・S&P500がいずれも上昇。パウエルFRB議長が利下げを示唆したことが株価を押し上げ、ダウは前日比846.24ドル高(1.89%)の45,631.74ドルで取引を終え、史上最高値を更新。ナスダックは前日比396.22ポイント高(1.88%)の21,496.53ポイント、S&P500は同96.74ポイント高(1.52%)で終了しました。
本日は、日米など主要国の株価動向も材料になる可能性があります。主要国の株価が全般的に堅調に推移すれば、リスクオン(リスク選好)が強まるとともに、豪ドル/円やNZドル/円などは上値を試す展開になるかもしれません。
※本日の『ファンダメ・ポイント』は[【株価指数】米利下げ観測が高まり、株価にプラス!?]です。
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