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米ドル/円が一時146円台へ下落、本日は米ISM非製造業景況指数が材料に!?

2025/08/05 08:47

【ポイント】
・米経済指標でFRBによる利下げ観測が一段と高まるか
・クグラーFRB理事の後任候補に誰が指名されるか

(欧米市場レビュー)

4日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は146.843円、米ドル/カナダドルは1.37566カナダドルへと下落し、英ポンド/米ドルは1.33255ドル、豪ドル/米ドルは0.64839米ドルへと上昇しました。1日に発表された米国の7月雇用統計の弱い結果だったことが引き続き米ドルの重石になりました。

米雇用統計では7月の非農業部門雇用者数(NFP)が前月比7.3万人増と市場予想の10.4万人増を下回ったほか、5月のNFPは14.4万人増から1.9万人増へ、6月のNFPは14.7万人増から1.4万人増へそれぞれ下方修正されました(合計25.8万人の下方修正)。

※米雇用統計については、2日の『ファンダメ・ポイント』[米雇用統計:NFPは急失速! パウエル議長が失業率を重視する訳!?]にて詳しく解説していますので、ご覧ください。

(本日の相場見通し)

本日は、米国の7月ISM非製造業景況指数7月S&Pグローバルサービス部門PMI(購買担当者景気指数)改定値が発表されます。それらの結果が材料になりそうです。

市場予想は、ISM非製造業景況指数が51.5、S&Pグローバルサービス部門PMIが55.2です。

米国の7月雇用統計の結果を受けて市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ観測が一段と高まりました。CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む次回9月16-17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げ確率は、米国時間4日時点で約94%。7月31日時点の利下げ確率は4割程度でした。

ISM非製造業景況指数やS&Pグローバルサービス部門PMIが市場予想を下回る結果になれば、9月の利下げ観測が補強されるとともに、10月以降の追加利下げ観測が高まる可能性があります。その場合には米ドルに対して下押し圧力が加わり、米ドル/円や米ドル/カナダドルは軟調に推移し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは堅調に推移しそう。米ドル/の目先の下値メドとして、7月24日安値の145.847が挙げられます。

***

FRBは1日、クグラー理事が8日付で辞任すると発表しました。クグラー理事の任期は26年1月まででした。辞任の理由は明らかにされていません。

トランプ米大統領は3日、「クグラー理事の後任候補を数日以内に発表する」と述べました。クグラー理事の後任人事にも注目です。

トランプ大統領はFRBに対して繰り返し利下げを要求しており、市場では利下げに積極的な人物が後任候補に指名されるとの観測があります。仮にその通りになれば米ドルに対する下押し圧力は一段と強まるかもしれません。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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