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英小売売上高に注目! トルコ中銀は大幅利下げを決定

2025/07/25 09:07

【ポイント】
・英小売売上高でBOEの利下げ観測が一段と高まるか
・トルコ中銀は3%の利下げ決定、今後さらに利下げも!?

(欧米市場レビュー)

24日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は146.951円、米ドル/カナダドルは1.36498カナダドルへと上昇し、英ポンド/米ドルは1.35035ドル、豪ドル/米ドルは0.65800米ドルへと下落しました。米国の先週分の新規失業保険申請件数が21.7万件と、市場予想の22.7万件よりも良好な結果だったことが、米ドルの支援材料となりました。

ECB(欧州中銀)は金融政策の現状維持を決定。ECBが最も重視している下限の中銀預金金利は2.00%、残りの2つ、主要リファイナンス金利は2.15%、限界貸出金利は2.40%にそれぞれ据え置きました。

※詳しくは、本日の『ファンダメ・ポイント』[ECB理事会はタカ派的据え置き、追加利下げは関税交渉次第??]をご覧ください。

TCMB(トルコ中銀)は3.00%の利下げを行うことを決定。主要政策金利の1週間物レポ金利を46.00%から43.00%へと引き下げました(*詳細は後述)。利下げ幅は市場予想の2.50%よりも大きかったものの、トルコリラに大きな反応はみられませんでした。

(本日の相場見通し)

本日は、英国の6月小売売上高が発表されます(日本時間15:00)。その結果に英ポンドが反応しそうです。

市場予想は以下のとおり。( )は前回の実績です。

・小売売上高(前月比):プラス1.2%(マイナス2.7%)
・小売売上高(前年比):プラス1.8%(マイナス1.3%)

・自動車燃料を除く小売売上高(前月比):プラス1.2%(マイナス2.8%)
・自動車燃料を除く小売売上高(前年比):プラス1.9%(マイナス1.3%)

市場では、BOE(英中銀)は次回8月7日の政策会合で0.25%の利下げを行うとの見方が有力。OIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む次回会合での利下げ確率は8割強です。小売売上高が市場予想を下回る結果だった場合、次回会合での利下げ観測が一段と高まるとともに、英ポンドが軟調に推移しそう。英ポンド/米ドルは下値を試し、ユーロ/英ポンドは上値を試す可能性があります。ユーロ/英ポンドの上値メドは、4月11日高値の0.87327ポンドです。

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米国の6月耐久財受注が本日発表されます(日本時間21:30)。

市場予想は、耐久財受注が前月比マイナス10.8%、航空機を除く非国防資本財(コア資本財)受注が同プラス0.2%です。それらが市場予想からかい離する結果になれば、材料になる可能性があります。仮に市場予想と比べて弱い結果だった場合、米ドルにとってマイナスになりそうです。

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TCMB(トルコ中銀)は3.00%の利下げを行うことを決定。主要政策金利の1週間物レポ金利を46.00%から43.00%へと引き下げました。

TCMBは24年12月から3会合連続で利下げを実施しました。しかしその後、3月にトルコの検察当局がイスタンブール市長を拘束したことで同国の金融市場が混乱。TCMBは4月に政策金利を42.50%から46.00%に引き上げていました。

TCMBは声明で今回の利下げについて「最近のデータは、需要状況によるディスインフレ効果が強まっていることを示している」と説明しました。

先行きの金融政策について声明は、「実際のインフレ率やインフレ期待、基調的なインフレ動向を考慮し、予想されるディスインフレの道筋に必要な引き締め度合いを確保するように政策金利を決定する」と表明。「インフレ見通しに重点を置きつつ、(政策金利の)変更幅を会合ごとに慎重に見直す」とし、今後さらに利下げを行う可能性を示しました。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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