マネースクエア マーケット情報

RBAは本日利下げへ!? 会合結果に豪ドルが反応しそう

2025/07/08 09:01

【ポイント】
RBA(豪中銀)の声明や総裁会見で8月以降の金融政策についてどのようなヒントが示されるか
・トランプ政権による関税についてのニュースに引き続き要注意

 (欧米市場レビュー)

7日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は146.196円、米ドル/カナダドルは1.36810カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.16842ドル、英ポンド/米ドルは1.35734ドル、豪ドル/米ドルは0.64840米ドルへと下落しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇したことが、米ドルの支援材料となりました。

トランプ米大統領は、日本からの輸入品に対して8月1日から25%の関税を課すと発表。米ドル/については、そのことも上昇要因(円の下落要因)となりました。トランプ大統領はまた、相互関税の上乗せ分の一時停止期限を7月9日から8月1に延期する大統領令に署名しました。

ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは一時0.93755スウェーデンクローナへと下落。スウェーデンの6月CPI(消費者物価指数)速報値が市場予想を上回ったことが、スウェーデンクローナのプラス材料になりました。

スウェーデンCPIの結果は前年比0.8%、住宅ローン金利変動の影響を除外したCPIFが同2.9%。市場予想はそれぞれ0.4%と2.5%でした。

(本日の相場見通し)

本日は、RBA(豪中銀)の政策会合が開かれます。会合の結果は日本時間13時30分に発表され、同14時30分からブロックRBA総裁が会見します。これらに豪ドルが反応しそうです。

RBAは2月と5月の会合でそれぞれ0.25%の利下げを実施しました(4月の会合は政策金利を据え置き)。現在の政策金利は3.85%です。

市場では、本日の会合で0.25%の追加利下げが決定されるとの見方が大勢です。そのとおりの結果になれば、RBAの声明やブロック総裁の会見が材料になりそうです。

前回5月会合の声明では、「総需要と総供給の両面で不確実性が高まっていることから、先行きについては慎重な姿勢を維持する」、「深刻な下振れシナリオを検討し、国際情勢が豪州の経済活動とインフレに重大な影響を及ぼす場合、金融政策は断固として対応できる態勢にある」などとされました。

また、ブロック総裁は5月会合後の会見で、「さらなる調整は可能だ」と述べ、今後追加利下げを行う可能性に言及。政策金利の据え置き0.50%利下げすることも議論されたことを明らかにしました。

市場では、RBAは次回8月11-12日の会合でも0.25%の利下げを行うとの観測があります。声明や総裁会見がハト派的な内容となり、その観測が市場で高まれば、豪ドルのマイナス材料になりそう。豪ドル/米ドルや豪ドル/NZドルは軟調に推移すると考えられます。豪ドル/NZドルは、6月3日安値の1.07253NZドルが目先の下値メドです。

***

本日は、米国の主要な経済指標の発表はなく、同国の長期金利(10年物国債利回り)の動向が材料になりそうです。

8日の米債券市場で長期金利は、前営業日比0.04%高の4.38%で取引を終えました。長期金利が一段と上昇すれば、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下値を試す可能性があります。

本日の『ファンダメ・ポイント』は、[トランプ減税成立、債券自警団はどこへ??]です。

※米ドル/円のテクニカル分析については、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、もう一段の上値トライとなるか]をご覧ください。

***

トランプ政権による関税についてのニュースには引き続き要注意です。新たに高率の関税の対象となる国・地域の通貨には下落圧力が加わるかもしれません。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ