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ADPが示唆する雇用統計NFPは? <本日3日発表>

2025/07/03 07:49

【ポイント】
・6月ADP雇用統計は前月比3.3万人減と、2年ぶりにマイナス
・過去データに基づくNFP(非農業部門雇用者数)予想は前月比3.5万人減
・約7割の確率で、12.8万人減~5.7万人増。市場予想(10万人増)は高め⁉
・NFPは本日3日午後9時30分発表

明日4日は米国の独立記念日。そのため、6月雇用統計は通常の第1金曜日ではなく、本日3日に発表されます。

ここもと労働市場はやや軟調になっており、6月雇用統計が思わしくなければ、FRBは次回7月29-30日のFOMCで昨年12月以来となる利下げを検討するかもしれません。少なくともトランプ政権からの利下げ圧力が強まるのは間違いないでしょう。

米NFP

2日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、7月FOMCで利下げが決定される確率を市場は24%とみています。前日の20%からやや高まりました。ADP雇用統計(以下、ADP)が前月比3.3万人減と、2年ぶりのマイナス(※)になったことが多少影響しているようです。

※最新データに基づく。当初発表値でマイナスだったのは22年1月以来

以下では、ADPが示唆する雇用統計NFP(非農業部門雇用者数)民間を考察します(いずれも当初発表の速報値)。

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もともと、NFP民間と、ほぼ同じ基準に基づいて算出されるADPは、大きな流れは同じでも月々の差はかなり大きいものでした。ただ、23年末ごろから月々の差が小さくなっているようにもみえます。

ADPとNFP

ADPとNFPの差

24年1月から25年5月までの差(NFP民間-ADP)は-0.3万人。標準偏差(σ)は9.2万人です。したがって、6月NFP民間の一点予想は前月比3.6万人減。約68%の確率(±1σ)で12.8万人減~5.7万人増、約95%の確率(±2σ)で22.0万人減~14.9万人増の範囲に収まるはずです。

ADPがほとんど反映されていないとみられる2日時点の市場予想は、NFP民間が前月比10.0万人増(NFP全体は10.6万人増)です。上記の分析を前提とすれば、結果は市場予想を下回る可能性が高いということになりますが、果たしてどうか。結果は、日本時間本日3日の午後9時30分に判明します。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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