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米軍がイランを空爆、中東情勢に引き続き要注意

2025/06/23 08:54

【ポイント】
・米国による攻撃にイランがどう対応するか

(欧米市場レビュー)

20日、欧米時間の外為市場ではが軟調に推移。一時米ドル/円は146.167円、ユーロ/円は168.345円、英ポンド/円は196.639円、豪ドル/円は94.487円へと上昇し、米ドル/円は5月29日以来およそ3週間ぶり、ユーロ/円は24年7月下旬以来およそ11カ月ぶりの高値をつけました。

米ホワイトハウスのレビット報道官は19日、米国による対イラン攻撃について「今後2週間以内に対応を決定する」とのトランプ大統領の声明を読み上げ、また「トランプ大統領は外交を追求する意向を明確に示している」と述べました。これを受けて中東情勢が緊迫化するとの懸念(リスクオフ)が市場で後退し、円の重石となりました。

(本日の相場見通し)

トランプ大統領は米東部時間21日夜(日本時間22日午前)、「米軍がイランの核施設3カ所を空爆した」と発表しました。

それにイランがどう対応するかが焦点になりそうです。イランメディアは、同国議会が米国による攻撃への報復としてホルムズ海峡の封鎖を承認したと報じました。それを実行するには、大統領が議長を務める国家安全保障最高評議会の最終決定が必要とのこと。

ホルムズ海峡は世界の原油消費量のおよそ2割にあたる日量約2,000万バレルの原油が通過します。同海峡の封鎖が実行されれば、原油価格には上昇圧力が加わると考えられます。

ホルムズ海峡封鎖の有無を含めてイランの対応次第では、中東情勢はさらに緊迫してリスクオフが強まる可能性があります。

原油価格が一段と上昇する場合にはノルウェークローネが、リスクオフが強まる場合には米ドルが堅調に推移しそうです。米ドル/円の上値メドとして、5月12日高値の148.610が挙げられます。

***

米国の6月S&PグローバルPMI(購買担当者景気指数)速報値が本日発表されます(日本時間22:45)。

米PMIの市場予想は以下のとおり。( )は前月改定値です。
・総合:52.2(53.0)
・製造業:51.0(52.0)
・サービス部門:52.7(53.7)

総合・製造業・サービス部門のいずれも、景況判断の分かれ目である50は引き続き上回るものの、前月改定値から低下するとみられています。

米PMIが市場予想を下回る結果になれば、米景気の先行きへの懸念が市場で高まりそうです。その場合には米ドルのマイナス材料になると考えられます。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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