FRBとスウェーデン中銀の政策会合開催、中東情勢には引き続き要注意
2025/06/18 08:59
【ポイント】
・FOMC参加者個人による政策金利見通しはどうなるか
・スウェーデン中銀は利下げするか、先行きの金融政策についてどのようなヒントを示すか
・中東情勢次第ではリスクオフが一段と強まる可能性も
(欧米市場レビュー)
17日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は145.330円、米ドル/カナダドルは1.36884カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.14738ドル、英ポンド/米ドルは1.34138ドル、豪ドル/米ドルは0.64648米ドルへと下落しました。中東情勢緊迫化への懸念からリスクオフ(リスク回避)が強まったことが、米ドルの支援材料となりました。
トランプ米大統領は自身のSNSでイランについて「我々はいわゆる“最高指導者”がどこに隠れているか正確に把握している。彼は容易な標的だが、そこにいれば安全だ。少なくとも今のところ彼を排除(殺害)するつもりはない」としつつ、「我々の忍耐は限界に近づいている」と投稿。その後、「無条件降伏!」と書きこみました。
円も対米ドルを除いて堅調。一時ユーロ/円は166.623円、英ポンド/円は194.899円、豪ドル/円は93.900円、NZドル/円は87.213円へと下落しました。米ドルと同様にリスクオフが円の支援材料となりました。
ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは一時0.96053スウェーデンクローナへと上昇し、3月下旬以来の高値を記録。原油価格が上昇したことが、ノルウェークローネのプラス材料になったと考えられます。
米WTI原油先物の中心限月である7月物は、前日比3.07ドル高(4.3%)の1バレル=74.84ドルで取引を終了。中東からの原油供給が減少するとの懸念が原油価格の上昇要因となりました。
(本日の相場見通し)
中東情勢には引き続き要注意です。中東情勢がさらに緊迫する場合、リスクオフが一段と強まる可能性があります。
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本日は、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開かれます。FOMCの結果は日本時間19日午前3時に発表され、同3時30分からパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が会見します。
FRBは24年9月・11月・12月と3会合連続で利下げを実施し、その後は前回25年5月まで3会合連続で政策金利を4.25~4.50%に据え置いています。
市場では、政策金利は今回も据え置かれることが確実視されています。
その通りの結果になれば、FOMCの声明やドット・プロット(参加者個人による政策金利予想)やパウエルFRB議長の会見が材料になりそう。これらでは先行きの金融政策についてどのようなヒントが示されるのかに注目です。
前回3月のドット・プロットでは、25年中に0.25%×2回、26年中に同2回、27年中に同1回の利下げというのが中央値でした。
ドット・プロットやパウエル議長の会見によってFRBの追加利下げ観測が市場で後退すれば、米ドルのプラス材料となりそう。その場合、米ドル/円や米ドル/カナダドルは堅調に推移し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは軟調に推移する可能性があります。米ドル/円は、5月29日高値の146.247円が上値メドです。
※17日の『ファンダメ・ポイント』は[日銀、米FRB、英BOEの注目ポイント]です。
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スウェーデン中銀の政策会合が本日開かれます。会合の結果は日本時間16時30分に発表されます。
市場では、スウェーデン中銀は0.25%の利下げを行うと予想されています。その通りの結果になれば、スウェーデン中銀の声明や総裁会見、金融政策報告で先行きの金融政策についてどのようなヒントが示されるのかに注目です。
前回5月会合時の声明では、「海外情勢の不確実性が増したことで、経済見通しは3月時点の予想よりわずかに弱まったようだ。インフレは3月時点の予想に比べて高くなるより低くなる可能性がやや高い」との認識が示されました。そのうえで「それらは先行きの金融政策が若干緩和されることを示唆している可能性がある」とされました。
仮に今回0.25%利下げされれば、政策金利は2.00%となります。市場では、スウェーデン中銀の利下げは今回で打ち止めとの観測もあるようです。
声明や総裁会見、金融政策報告がその観測を強める内容になれば、本日の会合で0.25%の利下げが行われたとしてもスウェーデンクローナにとってそれほどマイナス材料にならないかもしれません。
※ノルウェークローネ/スウェーデンクローナのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ノックセック、200日MAを上抜けブレークするか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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