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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※6月13日更新

2025/06/13 11:55

宮田レポート(短期アップデート) 250613_miyata.pdf

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 34,600~39,700円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 36,500~43,000ドル
            (S&P500) 4600~6150
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 17,600~22,000
                                    (ナスダック総合) 15,700~19,900
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 130.000~146.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~100.000


[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
日経平均は、重要サポートとしての200週MAを上回って推移しています。同MAを今後も維持する限り、プライマリー上昇➂波は依然継続中とみられます。

日経平均は、インターミディエイト級第(5)波の上昇を展開中とみられます。そして第(5)波は、20年3月コロナショック底(16358.19円)からのラリー中「最後の上昇」に相当します。
順当にいけば、第(5)波は24年7月高値(42,426.77円)を上抜き史上最高値を更新するでしょう。

引き続き、➀旺盛な自社株買い(日経新聞によれば今年1~5月に設定された自社株買い枠は12兆円に上りました)。➁米ドル離れ・円高傾向を受けての海外マネー流入。6月第1週に海外投資家は現物株を3985億円買い越しました(買い越しは10週連続です)。そして6月末にかけて10兆円規模で支払われる見込みの➂配当の再投資。

これら需給の改善が第(5)波上昇に大きく寄与すると期待されます。



【日足・時間足 エリオット波動分析】
[TOPIX]
200日MAを明確に上回っての推移が続きます。TOPIXは上昇基調の200日MAをサポートに、年初来高値2821.90(3/26)を試す地合いが続くでしょう。
年初来高値を更新後は、いよいよ24年7月の過去最高値(2946.60)試しが視野に入ります。

[日経平均]
6月11日には一時38,529円まで上昇、およそ4カ月ぶり高値となりました。
円高傾向により足元の動きは鈍いですが、ミヌエット級第(v)波による上昇に入った可能性があります。この見方に基づき第(v)波ターゲットレンジを探ると、[39,681円-40,671円]に注目できます。

目先サブシナリオとして、第(iv)波「フラット」が進行中、というものがあります。これによれば、日経平均はいったん3万7000円処まで下げ、その後に第(v)波による上昇局面を迎えることが想定されます。

スモール指数:バブル経済崩壊後の最高値更新へ秒読み
6月12日のTOPIXスモール指数は一時3192まで上昇、24年7月高値3199.66にあと少しです。バブル経済崩壊後の最高値更新が、いよいよ目前となっています。

その他にも新興株市場が好調です。東証グロース250は、4月7日の安値から足元水準まで約45%高となっています。

強気相場の終盤においては、以前の大型主力株(ブルーチップ株)から、二番手、三番手銘柄への物色シフトがよくみられます。キャップ的にも中小型株が選好されやすくなります。

これまで物色の圏外にあった小型株・新興市場株のアウトパフォームは、市場全体が4月から第(5)波にある、という見方をサポートしています。

[予想PER別の日経平均水準]
6月12日の日経平均予想PERは15.55倍・予想EPSは2454円。
過去最高のEPSは2564円(2/13)です。



[NYダウ・S&P500] 

【NYダウ日足 エリオット波動分析】 
36,611ドル(4/7安値)からは第(2)波によるリバウンドとみられます。
6月11日に一時43,115ドルと4月以降の戻り高値を更新しました。この水準は24年高値からの下げに対する76.4%-78.6%戻り[43,076ドル-43,262ドル] に相当しています。

第(2)波が完了するかに注目です。42,606ドル(6/12安値)を下抜くと、最初の弱気シグナルが点灯し、第(3)波下げトレンド入りの可能性があります。

(オルタナティブ・カウント)
22年10月安値(28,660ドル)以来の五波構成による上昇(=プライマリー級第➄波)は、今年4月安値から最後の上昇(=インターミディエイト級第(5)波)が進行中です。

通常、第(5)波は高値を更新するものですが、今回のケースでは、諸々の事情がそれを許さないかもしれません(ダウ輸送株平均や公共株平均など、先行して弱気相場入りの可能性が高い)。第(5)波が短縮される可能性に留意したいところです。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
(プリファード(優先)・カウント)
4月安値からインターミディエイト級第5波による上昇が進行しています。5767(5/23安値)から「エンディング・ダイアゴナル」が形成されていますが、これは天井打ちの接近と、その後の急反落の可能性を示すものです。短期的に6002を下抜くとパターン下辺から下放れ始め、最初の弱気シグナル点灯。トレンドの下方転換が示唆されます。

(オルタナティブ・カウント)
6147(2/19高値)からの第4波は、第2波(21年末~22年10月)の「ダブル・ジグザグ」と交代(オルタネーション)し、「トライアングル」「フラット」など複雑な保ち合い構造となっていきます。
仮に「トライアングル」を想定すると、4月からの上昇はパターン中ⓑ波です。まもなくⓑ波は終わりⓒ波の下げが始まり、それはⓑ波上昇分の60%~70%を打ち消すでしょう。


[ダウ輸送株平均] 半値戻り水準でダブル・トップ形成?


[マグニフィセント7] 78.6%(√0.618)戻り水準に達してから上値重い。


[ナスダック]

【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
ナスダック100は25年1月高値(22,222)以来、サイクル級の調整局面にあるとみられます。

ナスダック100・総合指数は共に、ほぼ「全値戻り」となっています。ナスダック総合指数は戻り高値を6月9日に、ナスダック100は戻り高値を6月5日に付けており、両者は「未確認」となっています。

これら二つの指数は近いうちに、「ダブル・トップ」を形成し、そこから第(3)波の下落に入るでしょう。第(3)波によりナスダック100は、4月安値16,542を大きく下回るでしょう。

オルタナティブ・カウントは、4月安値からの上昇は第(5)波というもので─前の波に比べ第(4)波が大きすぎる点に違和感はありますが─ナスダックは高値を更新することが予想されます。それを以て強気相場は終了し、調整局面を迎えるでしょう。

【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
16,850(4/9安値)から第(2)波リバウンドが進行中とみられ─第(1)波の下落トレンドにおいて第5波は短縮されました─そのパターンはジグザグ(A-B-C)です。17,592(4/22安値)からの上昇はC波に当たります。

20,777(5/23安値)から形成される上昇する楔は、「エンディング・ダイアゴナル」かもしれません。
この見方によれば、ナスダック100の重要なトレンド転換が接近しています。21,472を下回ると最初の弱気トリガーが引かれ、先ずは20,777付近までの急落がスタートするでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
2月から4月までを三波構成(A-B-C)による下落とみなし、4月安値16,542から第(5)波による上昇と認識します。このケースでは、ナスダック100は2月高値を上回るか、あるいは第(5)波が短縮する結果として「ダブル・トップ」を形成するでしょう。この第(5)波を以て、02年以来の強気相場はすべて完了することになります。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、まずは2011年からの上昇チャネルのセンターライン➀136.935円(6月)がサポートレベルとみられます。

もっとも139円処を下抜くとヘッド・アンド・ショルダーズ型の天井パターンから明確に下放れ始め─上述したセンターラインで底入れせずに─フィボナッチ・サポートの[128.945円]を試すと思われます。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は117.310円(6月)です。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(24/7/3)からはC波によるドル安・円高トレンドが進行中です。このC波は(先ずは)三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)が想定され、158.825円(1/10)からⓒ波によるドル安・円高が進行中とみられます。

あるいは、今年1月からのドル安・円高は第3波による下落かもしれません。このサブシナリオによれば、先々1ドル=120円試しが視野に入ります。第1波と第3波が黄金分割(1:1.618)比率関係になると仮定すれば、[122.625円]という目標値が得られます。

139.877円(4/22)からのリバウンドは終わったとみられ、短期的にも139円処のネックラインを下回る可能性があり要注目です。

ネックラインをブレイク後の最初のターゲットは136.935円近辺(既述)、その次は128.945円(同)です。
ヘッド・アンド・ショルダーズの垂直目標値からは、いずれ1ドル=120円割れの可能性もみえています。

【日足 エリオット波動分析】 
148.610円(5/12)から、マルiii波によるドル安円高が進行中とみられます。マルiii波はミヌエット級の5つ波に分波します。

マルiii波中第(ii)波のリバウンドは146.247円(5/29)で終わり、マルiii波中第(iii)波によるドル安・円高が始まったとみられます(この見方は142.093円を割ると強化されます)。

この波動カウントが正しければ、ドル/円は近々139.877円(4/22)を明確に下抜くでしょう。

金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[144.790円]です。


投機筋の円買い持ち高が5週続けて縮小(2025年6月3日時点)
IMM通貨先物市場で投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は、前週の142.3億ドルから131.2億ドルへ5週続けて縮小しました。



[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
101.977(5/12高値)からマルv波による下落が進行中とみられます。

マルv波中の第(ii)波は100.481(5/29高値)で終わり、そこから第(iii)波のドル安が進行中とみられます。6月12日には4月安値(97.921)を下回り、22年3月以来3年3カ月ぶりドル安となりました。

引き続き第(iii)波によるドル安は続き、[97.198](第(i)波と第(iii)波が等しく下がる水準)や、[94.976](A波とC波が等しく下がる水準)を目指すでしょう。

ちなみにマルv波の副次波が、第(i)波から第(v)までのすべてをやり終えると、年初からのドル安C波は完了します。そうなると、ドル指数は数カ月タームで上昇する可能性があります。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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