マネースクエア マーケット情報

日銀会合に注目!

2025/06/17 09:02

【ポイント】
・日銀は国債買い入れの減額ペースを落とすか
・中東情勢には引き続き要注意

(欧米市場レビュー)

16日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。米ドル/カナダドルは一時1.35388カナダドルへと下落し、24年10月上旬以来の安値を記録。また、ユーロ/米ドルは1.16099ドル、英ポンド/米ドルは1.36169ドルへと上昇する場面がありました。

米ウォールストリート・ジャーナル紙は「イランはイスラエルとの緊張緩和を望んでいる」、ロイター通信は「イランは、カタール・オマーン・サウジアラビアを通じてトランプ米大統領にイスラエルに対して即時停戦に同意するように圧力をかけるように要請した」と報じました。それらを受けてリスクオフ(リスク回避)が後退し、米ドルの重石となりました。

も軟調。一時ユーロ/円は167.399円、英ポンド/円は196.624円、豪ドル/円は94.496円、NZドル/円は87.729円へと上昇し、ユーロ/円は24年7月下旬以来、英ポンド/円は25年1月上旬以来の高値をつけました。米ドルと同様にリスクオフが後退したことが、円の重石となりました。

(本日の相場見通し)


トランプ米大統領は16日(日本時間17日朝)、自身のSNSに「イランは米国との核合意に署名すべきだった。イランは核兵器を持つことはできない。ただちに(イランの首都)テヘランから全員退避すべきだ」と投稿しました。

中東情勢には引き続き注意が必要です。中東情勢が一段と緊迫化する場合、リスクオフが強まるとともに、米ドルが堅調に推移する可能性があります。

トランプ大統領は、多くの重要問題に対処するためG7サミット(主要7カ国首脳会議、17日まで)の予定を切り上げてワシントンに戻るようです。

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日銀の金融政策決定会合が本日開かれます。会合の結果は通常日本時間正午頃に発表され、同15時30分から植田日銀総裁が会見します。

日銀は1月に0.25%の追加利上げを実施した後、2会合連続で政策金利を0.50%に据え置きました。

トランプ政権による関税の影響を引き続き見極めるため、日銀は本日の会合で政策金利を据え置くとみられます。

日銀が26年4月以降の国債買い入れの減額ペースを落とすかにも注目です。日銀は24年8月から四半期ごとに4,000億円ずつ国債の買い入れ額を減らしています。市場では「26年4月以降、四半期ごとに2,000億円程度へと減額のペースを落とす」との見方が有力なようです。

国債の今後の買い入れ方針次第では、に対して下押し圧力が生じる可能性があります。その場合、米ドル/円やクロス円(ユーロ/円や豪ドル/円、NZドル/円など)が堅調に推移しそうです。

本日の『ファンダメ・ポイント』は[日銀、米FRB、英BOEの注目ポイント]です。

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米国の5月小売売上高が本日発表されます(日本時間21:30)。その結果に市場が反応する可能性があります。


小売売上高の市場予想は前月比マイナス0.7%、自動車を除いた売上高は同プラス0.1%です。

市場予想と比べて弱い結果になれば、米景気の先行きへの懸念が高まりそうです。その場合には米ドルのマイナス材料となり、米ドル/カナダドルは軟調に推移し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは堅調に推移すると考えられます。米ドル/カナダドルの下値メドとして、200週移動平均線(17日時点で1.34191カナダドル)が挙げられます。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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