マネースクエア マーケット情報

中東情勢に引き続き注意が必要

2025/06/16 09:09

【ポイント】
・中東情勢次第ではリスクオフが強まる可能性も
・原油価格がさらに上昇するか
G7サミットや日米首脳会談などで関税について新たなニュースが出てくるか

(欧米市場レビュー)

13日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は144.440円へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.14873ドル、英ポンド/米ドルは1.35151ドル、豪ドル/米ドルは0.64544米ドルへと下落しました。イスラエルがイランの核施設や軍事施設などを空爆し、イランはその報復としてイスラエルに対してミサイルや無人機で攻撃しました。中東情勢の緊迫化への懸念からリスクオフ(リスク回避)が強まったことが、米ドルの支援材料となりました。

ノルウェークローネカナダドルも堅調。一時ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは0.95891スウェーデンクローナへと上昇し、米ドル/カナダドルは1.35645カナダドルへと下落。前者は3月下旬以来の高値をつけ、後者は24年10月上旬以来の安値を記録しました。中東情勢緊迫化への懸念から原油価格が上昇したことが、ノルウェークローネやカナダドルの支援材料となりました。

米WTI原油先物の中心限月の7月物は、前日比4.94ドル高(7.3%)の1バレル=72.98ドルで取引を終了。12日夜の時間外取引では一時77.62ドルへと上昇し、中心限月としては1月下旬以来およそ5カ月ぶりの高値をつけました。

(本日の相場見通し)

トランプ米大統領は米東部時間15日(日本時間16日朝)、「イランとイスラエルの間で取引が成立することを期待している」としながらも、「戦い抜かなければならないこともある」、「米国はイスラエルの防衛を支援し続ける」などと述べました。

中東情勢には引き続き注意が必要です。

中東情勢がさらに緊迫化する場合、リスクオフが一段と強まるとともに、米ドルが堅調に推移しそうです。

また、中東情勢次第では原油価格がさらに上昇するかもしれません。その場合にはノルウェークローネカナダドルには上昇圧力が加わって、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナについては、200日移動平均線(16日時点で0.96024スウェーデンクローナ)を超える可能性があります。

***

米国の6月NY連銀製造業景気指数が本日発表されます(日本時間21:30)。

NY連銀製造業景気指数の市場予想はマイナス6.0と、業況判断の分かれ目であるゼロを引き続き下回るものの、前月のマイナス9.2からは改善するとみられています。

市場予想からかい離する結果になれば市場が反応しそう。仮に市場予想と比べて強い結果になれば、米ドルのプラス材料になりそうです。

***

15~17日までカナダ西部カナナスキスでG7サミット(主要7カ国首脳会議)が開催されます。G7サミットでは緊迫化する中東情勢への対応やトランプ政権による関税などについて議論されるとみられます。

また、日本時間17日未明に日米首脳会談を行う方向で調整されているようです。

日米首脳会談を含めて関税について新たなニュースが出てくれば、材料になる可能性があります。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ