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投資家が注目する米国債入札の結果は?

2025/06/11 07:37

【ポイント】
・米国債の入札は、10日3年物、11日10年物、12日30年物
・長期国債、とりわけ30年物の結果が注目される
・入札不調なら、財政赤字への懸念や米国への信認低下を反映
・11日CPIや12日PPIも入札結果に影響しそう

今週は、10日に3年物、11日に10年物、12日に30年物国債の入札があります。10日の3年物国債の入札は大きな波乱なく終了したようですが、重要なのは長期国債。とりわけ、30年物国債の入札が投資家のセンチメントを端的に表すものとして注目されます。

30年物国債利回りは5月22日に一時5.15%と、23年10月の高値5.18%に接近しました。それ以前に30年物国債利回りが5%台だったのは07年8月まで遡ります(当時はリーマンショックの約1年前、リセッション開始の約4カ月前)。

米長期金利

10年物国債利回りも含めて足もとの長期金利上昇の背景は、トランプ関税に伴うインフレ懸念であり、トランプ減税が財政赤字拡大につながるとの懸念です。すなわち、米国に対する投資家の信認の低下と言い換えることも可能でしょう。

長期国債入札が不調に終わって(長期金利が上昇して)米国に対する信認低下が改めて確認されるのか。それとも利回りが高水準に達したこと(国債価格が下落したこと)で値ごろ感から投資家の需要が旺盛となるのか、要注目でしょう。

入札関連のスケジュールは以下の通り(日本時間)

11日 02:00 3年物国債入札(応札倍率2.52倍←前回2.56倍)
   21:30 5月CPI(消費者物価指数)
12日 02:00 10年物国債入札
   03:00 5月財政収支
   21:30 5月PPI(生産者物価指数)
13日 02:00 30年物国債入札
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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