エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※5月30日更新
2025/05/30 11:24
宮田レポート(短期アップデート)250530_miyata.pdf
[日経平均]
【当面の想定レンジ】 34,600~39,700円
[NYダウ・S&P500]
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 36,500~42,800ドル
(S&P500) 4600~6050
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 17,600~22,000
(ナスダック総合) 15,700~19,900
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 130.000~145.000円
[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~102.000
[日経平均]

【週足 エリオット波動分析】
日経平均は、重要サポートとしての200週MAを上回って推移しています。同MAを今後も維持する限り、プライマリー上昇➂波は依然継続中とみられます。
日経平均は、インターミディエイト級第(5)波の上昇を展開中とみられます。そして第(5)波は、20年3月コロナショック底(16358.19円)からのラリー中「最後の上昇」に相当します。
順当にいけば、第(5)波は24年7月高値(42,426.77円)を上抜き史上最高値を更新するでしょう。
引き続き➀旺盛な自社株買い、➁米ドル離れ・円高傾向を受けての海外マネー流入(5月第4週まで、海外投資家は現物株を8週連続で買い越しました)、さらに6月末にかけて10兆円規模で支払われる見込みの➂配当の再投資、これら需給要因が第(5)波を支える展開が期待されます。
ちなみに注目のドル建てTOPIXは今週19ドル台前半に上昇し35年半ぶり高値を付けました。89年12月高値(20.18ドル)も視野に入り、そんな日本株の強さは長らく傍観していた海外投資家の日本株見直し機運を高めるきっかけとなりそうです。



【日足・時間足 エリオット波動分析】
[TOPIX]
5月29日に一時2814まで上昇、年初来高値の2821.90(3/26)を試す局面を迎えています。24年7月高値からのレジスタンスラインを明確に上回り、今後さらに上昇モメンタムが強まる可能性があります。年初来高値を更新すると、いよいよ24年7月の過去最高値(2946.60)試しが視野に入ります。
[日経平均]
5月29日は一時38,454円と直前高値38,494円(5/13)に近づきました。
36,855円(5/22安値)からはミヌエット級第(v)波が進行しているとみられ、そうであれば、目先的にも38,494円を上回り以下の節目を試す可能性があります。
[38,945円]…ミヌエット級第(v)波の長さが同第(i)波の0.618倍になる水準
[40,237円]…第(v)波と第(i)波の長さが等しくなる水準
[予想PER別の日経平均水準]
5月29日の日経平均予想PERは15.83倍・予想EPSは2427円。
過去最高のEPSは2564円(2/13)です。

[NYダウ・S&P500]

【NYダウ日足 エリオット波動分析】
36,611ドル(4/7安値)からは第(2)波によるリバウンドに当たります。
5月19日高値(42,842ドル)は、第(1)波中レッサー・ディグリー第4波高値[42,821ドル](3/26)に合致し、第(2)波が終わるのに理想的な水準を満たしています。
5月下旬以降では200日MAを上値とするもみ合い展開が続いていますが、41,354ドル(5/23安値)を下抜くと弱気トリガー。第(3)波下げトレンド入りの可能性が一段と強化されます。
引き続き上値試しが続くなら、24年高値からの下げに対する76.4%-78.6%戻り[43,076ドル-43,262ドル] がメドになります。

【S&P500日足 エリオット波動分析】
(プリファード(優先)・カウント)
4910(4/8安値)からの第(2)波は5968(5/19高値)を以て終了し、既に第(3)波下落が始まった可能性があります。
今のところ200日MAによるサポートを受けていますが、5767(5/23安値)を終値で下抜くと、トレンド変調を示唆します。来る第(3)波の下落スケールは、第(1)波と同程度(1293ポイント)か、(順当なら)より大きなダイナミックなものになるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
2020年底からの五波構成中、今年1月からは第4波の調整局面です。
第2波(21年末~22年10月)が「ダブル・ジグザグ」だったことから、第4波は「トライアングル」「フラット」など複雑な保ち合い構造になるでしょう(オルタネーション)。
試みに「トライアングル」を想定すると、4月からの上昇はパターン中ⓑ波です。まもなくⓒ波の下げに入りますが、それはⓑ波上昇分の60%~70%を打ち消すでしょう。


マグニフィセント7
5月30日の日経新聞電子版によれば、トランプ大統領が相互関税を公表した4月2日から5月29日までにマグニフィセント7(M7)は10%上昇しましたが、同じ期間でM7を除く「S&P493」はほぼ横ばい(1%上昇)でした。
このように物色が極端に偏るのはまったく健全ではありませんが、ことの良し悪しはともかく、M7はS&P500の時価総額の30%超を占めており、今後も巨大テック株の動向が米株相場の浮沈のカギであることはたしかでしょう。
ブルームバーグ・マグニフィセントセブン・インデックスをみると、24年12月の最高値から今年4月安値まで30%超も下げましたが、それは明確な五波構成です。すると4月からの「リバウンド」を完了後は新たな五波構成による下げに移り、それは4月安値を下回ることが予想されます。
[ナスダック]

【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
ナスダック100は25年1月高値(22,222)以来、サイクル級の調整局面にあるとみられます。
ナスダック100・総合指数はほぼ「全値戻り」となっています。これら二つの指数は近いうちに、1月高値と現行の第(2)波を以て「ダブル・トップ」を形成し、そこから第(3)波の下落に入るでしょう。
オルタナティブ・カウントは、4月安値からの上昇は第(5)波というもので─前の波に比べ第(4)波が大きすぎる点に違和感はありますが─ナスダックは高値を更新することが予想されます。それを以て強気相場は終了し、調整局面を迎えるでしょう。


【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
16,850(4/9安値)からは第(2)波リバウンドが進行中とみられ─第(1)波の下落トレンドにおいて第5波は短縮されました─そのパターンはジグザグ(A-B-C)です。17,592(4/22安値)からの上昇はC波に当たります。
5月29日はエヌビディアの好決算を好感した買いが集まり、ナスダック100はギャップを空けて上昇、始値21,611は前日比293ポイントの大幅高でした。しかしその後は売りに圧され上げ幅を縮小。終値21,363は前日比プラス45ポイントながら、この日のローソク足は寄り付き高値の長い陰線となり、上昇基調の転換を暗示するものでした。
第(2)波は終わり、近々第(3)波による下落がスタートする可能性があります。
[20,777](5/23安値)を終値で下回ると、第(3)波入りの最初のトリガーが発動します。
[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。
22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。
➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、まずは2011年からの上昇チャネルのセンターライン➀136.935円(6月)がサポートレベルとみられます。
もっとも139円処を下抜くとヘッド・アンド・ショルダーズ型の天井パターンから明確に下放れ始め─上述したセンターラインで底入れせずに─フィボナッチ・サポートの[128.945円]を試すと思われます。
➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は117.310円(6月)です。

【週足 エリオット波動分析】
161.938円(24/7/3)からはC波によるドル安・円高トレンドです。C波は(先ずは)三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)が想定され、158.825円(1/10)からⓒ波によるドル安・円高が進行中とみられます。
今年1月からのドル安・円高を第3波とカウントすることもできます。このサブシナリオによれば、先々1ドル=120円試しも視野に入ります(ヘッド・アンド・ショルダーズに基づく垂直目標値は120円処です)。
139.877円(4/22)からのリバウンドは終わったとみられますが、そうであれば、近々ヘッド・アンド・ショルダーズのネックラインをブレイクするでしょう。
ネックラインをブレイク後、最初のターゲットは136.935円近辺(既述)、その次は128.945円(同)です。

【日足 エリオット波動分析】
148.610円(5/12)から、マルiii波によるドル安円高が進行中とみられます。このマルiii波はミヌエット級の五波に分波しており、足元はマルiii波中第(ii)波のリバウンドが終わったか、終わりつつあるところと思われます。
この波動カウントによれば、もうまもなくマルiii波中第(iii)波によるドル安・円高が到来し、それは139.877円(4/22)を明確に下抜くでしょう。
第(ii)波が続いている場合は、146.247円をいったん上回り「ジグザグ」を形成するでしょう。しかしドル高基調は長続きしないでしょう。
金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[145.941円]です。

投機筋の円買い持ち高が3週続けて縮小(2025年5月20日時点)
IMM通貨先物市場で投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は、前週の146.0億ドルから144.7億ドルへ3週続けて縮小しました。

[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】
101.977(5/12高値)からマルv波による下落が進行中とみられます。
マルv波はミヌエット級の五つ波[(i)~(v)]に分波し、98.694(5/26)からのドル高は、第(ii)波によるリバウンドとカウントされます。
この見方が正しければ、第(ii)波は近々終わり、第(iii)波によるドル安が始まるでしょう。第(iii)波は4月安値 [97.921]を下回り、[94.976](A波とC波が等しく下がる水準)を目指す流れになるでしょう。
なお4月からのマルiv波がまだ続いている、という解釈もできそうです。マルiv波はトライアングルなど保ち合いパターンを形成、マルii波「ジグザグ」と異なるパターンになります(オルタネーション)。これによればドル指数は今後数週間から1カ月程度、無風状態が想定されます。
エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。
[日経平均]
【当面の想定レンジ】 34,600~39,700円
[NYダウ・S&P500]
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 36,500~42,800ドル
(S&P500) 4600~6050
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 17,600~22,000
(ナスダック総合) 15,700~19,900
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 130.000~145.000円
[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~102.000
[日経平均]

【週足 エリオット波動分析】
日経平均は、重要サポートとしての200週MAを上回って推移しています。同MAを今後も維持する限り、プライマリー上昇➂波は依然継続中とみられます。
日経平均は、インターミディエイト級第(5)波の上昇を展開中とみられます。そして第(5)波は、20年3月コロナショック底(16358.19円)からのラリー中「最後の上昇」に相当します。
順当にいけば、第(5)波は24年7月高値(42,426.77円)を上抜き史上最高値を更新するでしょう。
引き続き➀旺盛な自社株買い、➁米ドル離れ・円高傾向を受けての海外マネー流入(5月第4週まで、海外投資家は現物株を8週連続で買い越しました)、さらに6月末にかけて10兆円規模で支払われる見込みの➂配当の再投資、これら需給要因が第(5)波を支える展開が期待されます。
ちなみに注目のドル建てTOPIXは今週19ドル台前半に上昇し35年半ぶり高値を付けました。89年12月高値(20.18ドル)も視野に入り、そんな日本株の強さは長らく傍観していた海外投資家の日本株見直し機運を高めるきっかけとなりそうです。



【日足・時間足 エリオット波動分析】
[TOPIX]
5月29日に一時2814まで上昇、年初来高値の2821.90(3/26)を試す局面を迎えています。24年7月高値からのレジスタンスラインを明確に上回り、今後さらに上昇モメンタムが強まる可能性があります。年初来高値を更新すると、いよいよ24年7月の過去最高値(2946.60)試しが視野に入ります。
[日経平均]
5月29日は一時38,454円と直前高値38,494円(5/13)に近づきました。
36,855円(5/22安値)からはミヌエット級第(v)波が進行しているとみられ、そうであれば、目先的にも38,494円を上回り以下の節目を試す可能性があります。
[38,945円]…ミヌエット級第(v)波の長さが同第(i)波の0.618倍になる水準
[40,237円]…第(v)波と第(i)波の長さが等しくなる水準
[予想PER別の日経平均水準]
5月29日の日経平均予想PERは15.83倍・予想EPSは2427円。
過去最高のEPSは2564円(2/13)です。

[NYダウ・S&P500]

【NYダウ日足 エリオット波動分析】
36,611ドル(4/7安値)からは第(2)波によるリバウンドに当たります。
5月19日高値(42,842ドル)は、第(1)波中レッサー・ディグリー第4波高値[42,821ドル](3/26)に合致し、第(2)波が終わるのに理想的な水準を満たしています。
5月下旬以降では200日MAを上値とするもみ合い展開が続いていますが、41,354ドル(5/23安値)を下抜くと弱気トリガー。第(3)波下げトレンド入りの可能性が一段と強化されます。
引き続き上値試しが続くなら、24年高値からの下げに対する76.4%-78.6%戻り[43,076ドル-43,262ドル] がメドになります。

【S&P500日足 エリオット波動分析】
(プリファード(優先)・カウント)
4910(4/8安値)からの第(2)波は5968(5/19高値)を以て終了し、既に第(3)波下落が始まった可能性があります。
今のところ200日MAによるサポートを受けていますが、5767(5/23安値)を終値で下抜くと、トレンド変調を示唆します。来る第(3)波の下落スケールは、第(1)波と同程度(1293ポイント)か、(順当なら)より大きなダイナミックなものになるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
2020年底からの五波構成中、今年1月からは第4波の調整局面です。
第2波(21年末~22年10月)が「ダブル・ジグザグ」だったことから、第4波は「トライアングル」「フラット」など複雑な保ち合い構造になるでしょう(オルタネーション)。
試みに「トライアングル」を想定すると、4月からの上昇はパターン中ⓑ波です。まもなくⓒ波の下げに入りますが、それはⓑ波上昇分の60%~70%を打ち消すでしょう。


マグニフィセント7
5月30日の日経新聞電子版によれば、トランプ大統領が相互関税を公表した4月2日から5月29日までにマグニフィセント7(M7)は10%上昇しましたが、同じ期間でM7を除く「S&P493」はほぼ横ばい(1%上昇)でした。
このように物色が極端に偏るのはまったく健全ではありませんが、ことの良し悪しはともかく、M7はS&P500の時価総額の30%超を占めており、今後も巨大テック株の動向が米株相場の浮沈のカギであることはたしかでしょう。
ブルームバーグ・マグニフィセントセブン・インデックスをみると、24年12月の最高値から今年4月安値まで30%超も下げましたが、それは明確な五波構成です。すると4月からの「リバウンド」を完了後は新たな五波構成による下げに移り、それは4月安値を下回ることが予想されます。
[ナスダック]

【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
ナスダック100は25年1月高値(22,222)以来、サイクル級の調整局面にあるとみられます。
ナスダック100・総合指数はほぼ「全値戻り」となっています。これら二つの指数は近いうちに、1月高値と現行の第(2)波を以て「ダブル・トップ」を形成し、そこから第(3)波の下落に入るでしょう。
オルタナティブ・カウントは、4月安値からの上昇は第(5)波というもので─前の波に比べ第(4)波が大きすぎる点に違和感はありますが─ナスダックは高値を更新することが予想されます。それを以て強気相場は終了し、調整局面を迎えるでしょう。


【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
16,850(4/9安値)からは第(2)波リバウンドが進行中とみられ─第(1)波の下落トレンドにおいて第5波は短縮されました─そのパターンはジグザグ(A-B-C)です。17,592(4/22安値)からの上昇はC波に当たります。
5月29日はエヌビディアの好決算を好感した買いが集まり、ナスダック100はギャップを空けて上昇、始値21,611は前日比293ポイントの大幅高でした。しかしその後は売りに圧され上げ幅を縮小。終値21,363は前日比プラス45ポイントながら、この日のローソク足は寄り付き高値の長い陰線となり、上昇基調の転換を暗示するものでした。
第(2)波は終わり、近々第(3)波による下落がスタートする可能性があります。
[20,777](5/23安値)を終値で下回ると、第(3)波入りの最初のトリガーが発動します。
[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。
22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。
➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、まずは2011年からの上昇チャネルのセンターライン➀136.935円(6月)がサポートレベルとみられます。
もっとも139円処を下抜くとヘッド・アンド・ショルダーズ型の天井パターンから明確に下放れ始め─上述したセンターラインで底入れせずに─フィボナッチ・サポートの[128.945円]を試すと思われます。
➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は117.310円(6月)です。

【週足 エリオット波動分析】
161.938円(24/7/3)からはC波によるドル安・円高トレンドです。C波は(先ずは)三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)が想定され、158.825円(1/10)からⓒ波によるドル安・円高が進行中とみられます。
今年1月からのドル安・円高を第3波とカウントすることもできます。このサブシナリオによれば、先々1ドル=120円試しも視野に入ります(ヘッド・アンド・ショルダーズに基づく垂直目標値は120円処です)。
139.877円(4/22)からのリバウンドは終わったとみられますが、そうであれば、近々ヘッド・アンド・ショルダーズのネックラインをブレイクするでしょう。
ネックラインをブレイク後、最初のターゲットは136.935円近辺(既述)、その次は128.945円(同)です。

【日足 エリオット波動分析】
148.610円(5/12)から、マルiii波によるドル安円高が進行中とみられます。このマルiii波はミヌエット級の五波に分波しており、足元はマルiii波中第(ii)波のリバウンドが終わったか、終わりつつあるところと思われます。
この波動カウントによれば、もうまもなくマルiii波中第(iii)波によるドル安・円高が到来し、それは139.877円(4/22)を明確に下抜くでしょう。
第(ii)波が続いている場合は、146.247円をいったん上回り「ジグザグ」を形成するでしょう。しかしドル高基調は長続きしないでしょう。
金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[145.941円]です。

投機筋の円買い持ち高が3週続けて縮小(2025年5月20日時点)
IMM通貨先物市場で投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は、前週の146.0億ドルから144.7億ドルへ3週続けて縮小しました。

[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】
101.977(5/12高値)からマルv波による下落が進行中とみられます。
マルv波はミヌエット級の五つ波[(i)~(v)]に分波し、98.694(5/26)からのドル高は、第(ii)波によるリバウンドとカウントされます。
この見方が正しければ、第(ii)波は近々終わり、第(iii)波によるドル安が始まるでしょう。第(iii)波は4月安値 [97.921]を下回り、[94.976](A波とC波が等しく下がる水準)を目指す流れになるでしょう。
なお4月からのマルiv波がまだ続いている、という解釈もできそうです。マルiv波はトライアングルなど保ち合いパターンを形成、マルii波「ジグザグ」と異なるパターンになります(オルタネーション)。これによればドル指数は今後数週間から1カ月程度、無風状態が想定されます。
エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
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