マネースクエア マーケット情報

【PM】RBNZ会合の結果発表後、NZドルが堅調

2025/05/28 14:50

【ポイント】
・会合では「政策金利の据え置き」も検討
・RBNZはあと1回か2回の利下げを想定!?

RBNZ(NZ中銀)は本日政策会合を開き、0.25%の利下げを行うことを決定。政策金利を3.50%から3.25%へと引き下げました。利下げは6会合連続です。

会合の結果発表後、NZドルが堅調に推移。一時NZドル/円は86円台へと上昇し、豪ドル/NZドルは1.08NZドルを割り込みました。0.25%の利下げは市場予想どおりの結果だったものの、会合で政策金利の据え置きも検討されたことなどが市場で意識されたようです。

***

会合の議事要旨では、今回の利下げについて「(NZの)CPI(消費者物価指数)上昇率は目標レンジ内にあり、経済にかなりの余剰生産能力があるため」と説明されました。

RBNZは声明で、「NZ経済は縮小期を経て回復しつつある」との認識を示しました。一方で、「(トランプ政権の)関税や海外における政策の不確実性の高まりは、NZの景気回復を緩やかにし、中期的なインフレ圧力を低下させると予想される」とし、「これらの判断には依然として大きな不確実性が残っている」と付け加えました。

RBNZの金融政策報告では、利下げの最終到達点は2月時点の予測よりも低くなるとの見通しが示されました。
・2月時点:3.10%(26年1-3月期)
・今回:2.85%(同)

政策金利は今回の利下げによって3.25%になったため、仮に1回の利下げ幅を0.25%とすると、RBNZはあと1回か2回の利下げを想定していると解釈できます。

RBNZの政策金利見通し

会合では「0.25%の利下げ」と「政策金利の据え置き」の2つを検討。今回は政策メンバーによる投票(※)が行われ、5対1の賛成多数で0.25%利下げすることが決定されました。

(※)23年6月にRBNZとNZ政府が合意した金融政策の運営方針では、「NZ中銀は政策決定においてコンセンサスの形成に重点を置くべき。コンセンサスが得られない場合は、政策メンバーによる投票を行う選択肢もある」とされました。投票がなく政策が決定することが多いようです。

RBNZは声明で「インフレ率は目標レンジ内にあり、中期的に物価安定を維持するために国内外の動向に対応する態勢が整っている」と表明。追加利下げの可能性に直接言及した前回4月会合時の「関税政策の範囲と影響が明確になるにつれ、必要に応じて政策金利をさらに引き下げる余地がある」から修正しました。

ホークスビー総裁は会合後の会見で、政策メンバーによる投票が行われたことについて「投票を実施するのは健全な兆候だ。転換期には珍しいことではない」、「政策金利は中立的な(景気を過熱も冷やしもしない)領域にある」などと述べました。
八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ