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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※5月27日更新

2025/05/27 08:25

宮田レポート(短期アップデート) 250527_miyata.pdf

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YouTube エリオットView 5月26日 [米ドル/円 下げ再開か 「安全通貨」の復活?]

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 34,600~39,700円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 36,500~42,800ドル
            (S&P500) 4600~6050
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 17,600~22,000
                                    (ナスダック総合) 15,700~19,900
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 130.000~145.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~102.000



[日経平均]

【週足 エリオット波動分析】
日経平均は、重要サポートとしての200週MAを上回って推移しています。同MAを今後も維持する限り、プライマリー上昇➂波は依然継続中とみられます。

日経平均は、インターミディエイト級第(5)波の上昇を展開中とみられます。そして第(5)波は、20年3月コロナショック底(16358.19円)からのラリー中「最後の上昇」に相当します。
順当にいけば、第(5)波は24年7月高値(42,426.77円)を上抜き史上最高値を更新するでしょう。

当面は、➀旺盛な自社株買い、➁米ドル離れ・円高傾向を受けての海外マネー流入、これら需給要因が第(5)波を支える展開が期待されます

注目すべきは、ドル建てTOPIXが直近19.25ドルへ上昇し、21年9月高値(19.32ドル)に迫っていることです。今後19.32ドルをブレイクすれば、03年4月(6.41ドル)以来の強気相場における最高値の更新を意味します。それは日本株見直し機運を高め、海外マネーの流入を促すきっかけになるでしょう。



【日足・時間足 エリオット波動分析】

30,792円(4/7安値)から、インターミディエイト級第(5)波による上昇が進行中とみられます。

TOPIXが13連騰をはたした期間(4月22日~5月13日)には─このとき欧州とアジアの投資家の買いが入ってきたという観測があります─日経平均も切れ目なく上昇しています。この強い上昇は、何らかのディグリーにおける「第3波」でしょう。便宜上、仮にそれをミヌエット級の第(iii)としておきます。

上チャートに表示したように、38,494円(5/13高値)が第(iii)波ピークだとすると、そこからの反落は第(iv)波に相当します。36,855円(5/22安値)は第(iv)波の終点か、あるいは、(iv)-a波とみられます。

この見方が正しければ、既に第(v)波による上昇が始まったか、始まりつつあり、38,494円を上回る展開が予想されます。

(オルタナティブ・カウント)
30,792円を下抜くと以下の波動カウントに切り替えます。
24年8月からの上昇第(5)波は40,398円(12/27高値)を以て終わり─”truncated fifth”(短縮された5波)─プライマリー級の➃波による調整が進行中とみられます。この場合日経平均は、いずれ2万7000円処(PBR1倍水準)を試す可能性があります。


[予想PER別の日経平均水準]
5月26日の日経平均予想PERは15.46倍・予想EPSは2427円。
過去最高のEPSは2564円(2/13)です。



[NYダウ・S&P500] 


【NYダウ日足 エリオット波動分析】 (5月26日の米国株市場はメモリアルデーで休場)
36,611ドル(4/7安値)からは第(2)波によるリバウンドに当たります。
5月19日高値(42,842ドル)は、第(1)波中レッサー・ディグリー第4波高値[42,821ドル](3/26)に合致し、第(2)波が終わるのに理想的な水準を満たしました。

5月23日は一時41,354ドルまで下げました。
既に第(3)波下げトレンド開始が示唆されていますが、弱気見通しは、41,249ドル(5/8終値)を下回ることによりさらに強化されるでしょう。

引き続き上値試しが続くなら─その可能性は低下していると思われますが─24年高値からの下げに対する76.4%-78.6%戻り[43,076ドル-43,262ドル] がメドになります。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
(プリファード(優先)・カウント)
4910(4/8安値)からの第(2)波は5968(5/19高値)を以て終了し、既に第(3)波下落が始まった可能性があります。関税協議で米中が(暫定)合意した5月9日前日(8日)に付けた高値は5720です。今後5720を終値で下回る動きがみられれば、それは米中合意のサプライズでの上昇分すべてを打ち消すことを意味し、最初の弱気トリガーが発動します。

来る第(3)波の下落スケールは、第(1)波と同程度(1293ポイント)か、(順当なら)より大きなダイナミックなものになるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
2020年底からの五波構成中、今年1月からは第4波の調整局面です。
第2波(21年末~22年10月)が「ダブル・ジグザグ」だったことから、第4波は「トライアングル」「フラット」など複雑な保ち合い構造になるでしょう(オルタネーション)。
試みに「トライアングル」を想定すると、4月からの上昇はパターン中ⓑ波です。まもなくⓒ波の下げに入りますが、それはⓑ波上昇分の60%~70%を打ち消すでしょう。

これは弱気相場に入る前、最後の上昇第5波の可能性を残すシナリオです。


[ナスダック]

【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
ナスダック100は25年1月高値(22,222)以来、サイクル級の調整局面にあるとみられます。

ナスダック100・総合指数はほぼ「全値戻り」となっています。これら二つの指数は近いうちに、1月高値と現行の第(2)波を以て「ダブル・トップ」を形成し、そこから第(3)波の下落に入るでしょう。

オルタナティブ・カウントは、4月安値からの上昇は第(5)波というもので─前の波に比べ第(4)波が大きすぎる点に違和感はありますが─ナスダックは高値を更新することが予想されます。それを以て強気相場は終了し、調整局面を迎えるでしょう。


【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
16,850(4/9安値)からは第(2)波リバウンドが進行中とみられ─第(1)波の下落トレンドにおいて第5波は短縮されました─そのパターンはジグザグ(A-B-C)です。17,592(4/22安値)からの上昇はC波に当たります。

直近高値21,482(5/21)は、A波とC波が1:1.618のフィボナッチ比率になる水準[21,449]を達成するものでした。今のところ確信は高くありませんが、第(2)波は終わったかもしれません。

第(3)波による下落がスタートする可能性があります。
[20,249](5/8高値)を終値で下回ると、第(3)波入りの最初のトリガーが発動します。

米30年債利回りが金融危機前の水準に接近
5月23日の米30年債利回りは一時5.15%まで上昇、23年10月以来約1年7カ月ぶりの高水準を付けました。まもなく23年10月の5.18%を上回り、07年6月(金融危機前)以来およそ17年ぶりの高金利水準を付けるでしょう。超長期債の下落(金利上昇)は財政悪化リスク懸念を反映し、それはさらなる「ドル離れ」・株安を招く可能性があります。



[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、まずは2011年からの上昇チャネルのセンターライン➀136.935円(6月)がサポートレベルとみられます。

もっとも139円処を下抜くとヘッド・アンド・ショルダーズ型の天井パターンから明確に下放れ始め─上述したセンターラインで底入れせずに─フィボナッチ・サポートの[128.945円]を試すと思われます。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は117.310円(6月)です。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(24/7/3)からはC波によるドル安・円高トレンドです。C波は(先ずは)三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)が想定され、158.825円(1/10)からⓒ波によるドル安・円高が進行中とみられます。

今年1月からのドル安・円高を第3波とカウントすることもできます。このサブシナリオによれば、先々1ドル=120円試しも視野に入ります(実際、ヘッド・アンド・ショルダーズに基づく垂直目標値は120円処です)。

139.877円(4/22)からのリバウンドは終わったとみられますが、そうであれば、近々ヘッド・アンド・ショルダーズのネックラインをブレイクするでしょう。

ネックラインをブレイク後、最初のターゲットは136.935円近辺(既述)、その次は128.945円(同)です。

【日足 エリオット波動分析】 
148.610円(5/12)から、マルiii波によるドル安円高が進行中とみられます。

5月26日には目先的に注目された節目142.272円を一時下回り、およそ1カ月ぶり円高を付けました。足元で円高基調は強まっており、短期的にも139.877円(4/22)を試す展開となりそうです。

139.877円をブレイクすると、ドル/円下落基調が強まるでしょう。

金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[146.767円]です。


投機筋の円買い持ち高が3週続けて縮小(2025年5月20日時点)
IMM通貨先物市場で投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は、前週の146.0億ドルから144.7億ドルへ3週続けて縮小しました。



[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
ドル指数は4月21日安値(97.921)を以て、フィボナッチ・サポート[97.939](08年からのドル高に対する38.2%戻り水準)をちょうど達成しました。そこからは、C波中マルiv波によるリバウンドとみています。

5月12日に付けた101.977は、関税協議を巡る米中暫定合意後のドル高値です。それは23年7月と24年9月の安値同士を結ぶラインを一時上回りましたが、結局のところドル買いは続かず週足には長い上ヒゲを残しました。ポジティブ(とみられた)なニュースに対するドル高が限られたことに、市場の「ドル離れ」が強まっていることが伺えます

既にマルv波によるドル安に入った可能性があります。そうだとすると、ドル指数はまもなく4月安値[97.921]を下回り、[94.976](A波とC波が等しく下がる水準)を試すでしょう。



エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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