メキシコ中銀は0.50%利下げ! 今後さらに利下げも!?
2025/05/16 09:01
【ポイント】
・米経済指標で市場のFRB利下げ観測が後退するか
・「今後も同程度の規模での調整を検討する可能性がある」とメキシコ中銀は表明
(欧米市場レビュー)
15日、欧米時間の外為市場では円が堅調に推移。一時米ドル/円は145.395円、ユーロ/円は162.725円、豪ドル/円は93.093円、NZドル/円は85.396円へと下落しました。日米貿易交渉で米国が米ドル高・円安の是正を求めるとの警戒感が円の支援材料となりました。20-22日にカナダ西部のバンフでG7財務相・中央銀行総裁会議が開かれます。それにあわせて日米財務相会談が行われる可能性があります。
米国の経済指標の結果を受けて同国の長期金利(10年物国債利回り)が低下し、米ドル/円についてはそのことも下落要因になりました。
※本日の『ファンダメ・ポイント』は、[トランプ関税の影響はゆっくりと? 米経済データでチェック!]です。
BOM(メキシコ中銀)は政策会合を開き、0.50%の利下げを行うことを決定(詳細は後述)。会合の結果発表後にメキシコペソが弱含んだものの、それは一時的でした。
(本日の相場見通し)
米国の5月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値が本日発表されます(日本時間23:00)。この結果が材料になりそうです。
ミシガン大学消費者信頼感指数の市場予想は53.4と、前月確定値の52.2から上昇するとみられています。1年先と5年先のインフレ期待の結果にも注目です。前月確定値の結果は1年先が6.5%、5年先が4.4%でした(いずれも5月分の市場予想なし)。
ヘッドラインの数値が市場予想を上回る、あるいはインフレ期待が前月から上昇すれば、市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)の追加利下げ観測が後退する可能性があります。その場合には米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下値を試す展開になりそう。米ドル/カナダドルは、200日移動平均線(16日時点で1.40145カナダドルに位置)が目先の上値メドです。
※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[メ米ドル/円、下値固め模索の相場付き!]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
トランプ米大統領は12日、「今週末に中国の習近平国家主席と電話で会談する可能性がある」と述べました。米中首脳会談が実際に行われれば、19日以降の材料になるかもしれません。
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BOM(メキシコ中銀)は15日に政策会合を開き、0.50%の利下げを行うことを決定。政策金利を9.00%から8.50%へと引き下げました。利下げは7会合連続で、24年3月以降で8回目。0.50%幅の利下げは3会合連続です。0.50%利下げするとの決定は5人の政策メンバー全員一致でした。
BOMは声明で今回の利下げについて、「メキシコの経済活動の弱さ」や「世界的に貿易政策が変化する可能性」、「現行の金融引き締め度合い」を考慮したと説明。今後の会合での追加利下げも示唆しました。
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BOMは声明で「メキシコ経済は25年1-3月期に再び低迷した」と指摘し、「不確実性と貿易摩擦が大きな下振れリスクをもたらしている」との認識を示しました。
BOMは、25年4-6月期と7-9月期の総合CPI上昇率見通しを3月時点から上方修正したものの、26年7-9月期に目標の3%に収束するとの見通しは維持しました。「予測期間内のインフレの軌道に対するリスクバランスは依然として上方に傾いているものの、改善している」との認識を示しつつ、「米国のトランプ政権による経済政策の変更が予測の不確実性を強めている」としました。
先行きの金融政策に関する文言は前回と同じ。「今後も金融政策スタンスの調整を継続し、同程度の規模での調整を検討する可能性がある」、「インフレ環境は、(景気)抑制的な金融政策スタンスを維持しながらも、利下げサイクルの継続を可能にすると予想している」とされました。次回6月26日の会合でも0.50%の利下げが行われるかもしれません。
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