【株価指数】日英株価は堅調、米株価は軟調。トランプ関税の影響が確認できるか
2025/04/21 07:25
【ポイント】
・主要株価指数はトランプ関税の動向に一喜一憂
・トランプ大統領は市場支援に後ろ向きなパウエルFRB議長に辞任迫る?
・トランプ関税の影響が経済データやIMF世界見通しなどで確認できるか
(先週のレビュー)
先週の主要株価指数は、引き続きトランプ政権の関税政策に大きく影響を受けました。トランプ政権がスマホなど電子機器を関税の対象外としたことや、自動車関税の一時免除を検討との報道を受けて、週初の主要株価指数は上昇。その後、日本や英国の株価指数は堅調に推移しましたが、米株価指数は総じて軟調でした。18日はグッドフライデーで欧米は休場。
日経平均は週後半も堅調。16日の日米関税交渉が穏健に終わったことや為替(円安)が議題にならずに一時円安になったこと(17日)、米国とEU(欧州連合)の関税交渉での進展が期待されたこと(18日)などが材料となりました。
FTSE100も堅調。英国の3月CPIがやや落ち着きをみせたことで利下げ観測が高まったこと(16日)、原油価格が上昇してエネルギーセクターが買われたこと(17日にWTI原油価格が4月上旬以来の65ドルに接近)などが背景。
NYダウ、S&P500、ナスダック100はいずれも週後半に下落。パウエル米FRB議長は16日の講演で、関税に伴うインフレ圧力に懸念を表明。FRBが株式市場の安定のために金融緩和を行うという、いわゆる「パウエル・プット」への期待が後退しました。
また、17日にはトランプ大統領が、利下げが遅いとしてパウエル議長を強く批判して辞任を迫るかのSNSを発信。中央銀行の独立性が脅かされると市場が受け止めたことも株安の材料となった模様です。
(今週の相場材料)
21日はイースターマンデーで、英、ドイツ、豪州などが休場(米国はあり)。
今週は、IMF・世銀総会(21-26日)やG20財務相・中央銀行総裁会議(23-24日)が開催されます(いずれもワシントン)。各国金融当局者からの発言や、トランプ政権の関税政策に関連する報道などは要注意かもしれません。
既に米国の製造業や消費者の景況感からはトランプ関税の影響がうかがえます。2月4日発動の対中国関税、3月4日の対カナダ・メキシコ関税(USMCA協定対象外のみ)、3月12日の鉄鋼・アルミ関税などです。ただ、4月2日の自動車関税や4月5日の相互関税(一律10%分)の影響はこれから出てくるでしょう。
22日に最新のIMF世界経済見通しが発表されます。トランプ関税による景気下押し圧力・物価上昇圧力はどの程度反映されるでしょうか。また、23日に、日本、ユーロ圏、英国、米国の4月PMI(企業景況感)が発表されます。それらからも関税の影響がみえる可能性があります。23日の米ベージュブック(地区連銀経済報告)、24日のドイツIFO指数なども要注目です。
トランプ関税は、景気に下方圧力、物価に上方圧力を加えるとみられます。そのため、影響が鮮明になるほど、金融当局は難しい判断を迫られそうです。現時点では、17日に理事会を開催したばかりのECB(欧州中央銀行)は景気の下方リスクを、上述の通りパウエル議長率いる米FRBは物価の上方リスクをより強く警戒しているようにみえます。
トランプ関税は、対象となる国やセクター、また個別企業によっても影響が異なるとみられるため、それらを十分に吟味する必要がありそうです。
企業決算では、テスラやボーイング、IBM、キーエンスなど。直近期の結果のみならず、業績見通しなどが注目されます。
・主要株価指数はトランプ関税の動向に一喜一憂
・トランプ大統領は市場支援に後ろ向きなパウエルFRB議長に辞任迫る?
・トランプ関税の影響が経済データやIMF世界見通しなどで確認できるか
(先週のレビュー)
先週の主要株価指数は、引き続きトランプ政権の関税政策に大きく影響を受けました。トランプ政権がスマホなど電子機器を関税の対象外としたことや、自動車関税の一時免除を検討との報道を受けて、週初の主要株価指数は上昇。その後、日本や英国の株価指数は堅調に推移しましたが、米株価指数は総じて軟調でした。18日はグッドフライデーで欧米は休場。
日経平均は週後半も堅調。16日の日米関税交渉が穏健に終わったことや為替(円安)が議題にならずに一時円安になったこと(17日)、米国とEU(欧州連合)の関税交渉での進展が期待されたこと(18日)などが材料となりました。
FTSE100も堅調。英国の3月CPIがやや落ち着きをみせたことで利下げ観測が高まったこと(16日)、原油価格が上昇してエネルギーセクターが買われたこと(17日にWTI原油価格が4月上旬以来の65ドルに接近)などが背景。
NYダウ、S&P500、ナスダック100はいずれも週後半に下落。パウエル米FRB議長は16日の講演で、関税に伴うインフレ圧力に懸念を表明。FRBが株式市場の安定のために金融緩和を行うという、いわゆる「パウエル・プット」への期待が後退しました。
また、17日にはトランプ大統領が、利下げが遅いとしてパウエル議長を強く批判して辞任を迫るかのSNSを発信。中央銀行の独立性が脅かされると市場が受け止めたことも株安の材料となった模様です。
(今週の相場材料)
21日はイースターマンデーで、英、ドイツ、豪州などが休場(米国はあり)。
今週は、IMF・世銀総会(21-26日)やG20財務相・中央銀行総裁会議(23-24日)が開催されます(いずれもワシントン)。各国金融当局者からの発言や、トランプ政権の関税政策に関連する報道などは要注意かもしれません。
既に米国の製造業や消費者の景況感からはトランプ関税の影響がうかがえます。2月4日発動の対中国関税、3月4日の対カナダ・メキシコ関税(USMCA協定対象外のみ)、3月12日の鉄鋼・アルミ関税などです。ただ、4月2日の自動車関税や4月5日の相互関税(一律10%分)の影響はこれから出てくるでしょう。
22日に最新のIMF世界経済見通しが発表されます。トランプ関税による景気下押し圧力・物価上昇圧力はどの程度反映されるでしょうか。また、23日に、日本、ユーロ圏、英国、米国の4月PMI(企業景況感)が発表されます。それらからも関税の影響がみえる可能性があります。23日の米ベージュブック(地区連銀経済報告)、24日のドイツIFO指数なども要注目です。
トランプ関税は、景気に下方圧力、物価に上方圧力を加えるとみられます。そのため、影響が鮮明になるほど、金融当局は難しい判断を迫られそうです。現時点では、17日に理事会を開催したばかりのECB(欧州中央銀行)は景気の下方リスクを、上述の通りパウエル議長率いる米FRBは物価の上方リスクをより強く警戒しているようにみえます。
トランプ関税は、対象となる国やセクター、また個別企業によっても影響が異なるとみられるため、それらを十分に吟味する必要がありそうです。
企業決算では、テスラやボーイング、IBM、キーエンスなど。直近期の結果のみならず、業績見通しなどが注目されます。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
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