BOCの政策会合に注目! 政策金利は据え置きか
2025/04/16 09:04
【ポイント】
・BOC(カナダ中銀)の政策決定
・BOC総裁会見などで先行きの金融政策についてどのようなヒントが示されるか
・米経済指標で市場のFRB追加利下げ観測が強まるか
(欧米市場レビュー)
15日、欧米時間の外為市場ではカナダドルが軟調に推移。一時米ドル/カナダドルは1.39730カナダドルへと上昇し、カナダドル/円は102.373円へと下落しました。カナダの3月CPI(消費者物価指数)が市場予想を下回ったことが、カナダドルの重石となりました。
カナダのCPIの結果は以下の通り。( )は市場予想です。
・総合(前年比):2.3%(2.6%)
・トリム値(同):2.8%(3.0%)
・中央値(同):2.9%(3.0%)
ユーロも軟調。一時ユーロ/円は161.276円、ユーロ/米ドルは1.12622ドル、ユーロ/英ポンドは0.85240ポンドへと下落しました。ドイツの4月ZEW景況感調査で期待指数がマイナス14.0と、市場予想(プラス9.5)以上に前月のプラス51.6から低下したことが、ユーロに対する下押し圧力となりました。
(本日の相場見通し)
米国の3月の小売売上高や鉱工業生産が本日発表されます。これらが市場予想と異なる結果になれば、市場が反応しそうです。
市場予想は以下の通りです。
・小売売上高(前月比):1.3%
・小売売上高(自動車を除く。前月比):0.3%
・鉱工業生産(前月比):マイナス0.2%
仮に市場予想よりも弱い結果になれば、FRB(米連邦準備制度理事会)の追加利下げ観測が高まりそうです。その場合、米ドルのマイナス材料になると考えられます。
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本日、BOC(カナダ中銀)が政策会合を開きます。会合の結果は日本時間22時45分に発表され、同23時30分からマックレムBOC総裁が会見する予定です。これらにカナダドルが反応しそうです。
BOCは24年6月に利下げを開始し、前回3月12日の会合まで7会合連続で利下げを実施。現在の政策金利は2.75%です。
トランプ政権の関税政策は二転三転しています。不確実性が高まっていることから、市場では本日の会合で政策金利は据え置かれるとの見方が優勢です(ただし、一部に0.25%の追加利下げが行われるとの観測もあり)。
BOCの声明やマックレム総裁の会見も材料になりそう。これらの注目点は、先行きの金融政策についてどのようなヒントが示されるのかです。前回会合時の声明では、「政策金利のさらなる変更については慎重に進める」とされました。また、トランプ関税による“インフレの上振れリスク”と“景気の下振れリスク”のどちらにより懸念が示されるのかにも注目です。
本日の会合で政策金利が据え置かれて、声明や総裁会見によって市場の追加利下げ観測が後退すれば、カナダドルが堅調に推移しそうです。
※米ドル/カナダドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ドルカナダ、カナダ中銀会合が相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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