トランプ関税の初期症状
2025/04/16 08:11
【ポイント】
・製造業の先行き景況感が大きく悪化
・消費者のインフレ期待が大きく上昇
・トランプ大統領は変心するか⁉
4月のNY連銀製造業景気指数は-8.1と、前月の-20.0から改善したものの、2カ月連続でマイナスとなり、同地区の製造業活動の縮小を示唆しました。同指数は上下のブレが大きいため、フィラデルフィア連銀製造業景気指数(4/17発表)、シカゴPMI(同4/30)、ISM(同5/1)などの景況指数がどうなるか、要注目でしょう。

NY連銀指数で目立ったのは、先行きの景況感の悪化です。6カ月先の景況感指数は-7.4と、01年7月に統計が始まってから01年9月に次ぐ2番目の低さでした。01年9月はIT株バブル崩壊を受けたリセッション(01年3-11月)のただ中でした。その他にも、6カ月先の新規受注指数は統計開始後の最低、同仕入価格指数や販売価格指数は上昇しました。
それらはトランプ関税に関する懸念を反映している可能性があります。

また、11日に発表された4月ミシガン大学消費者信頼感調査で、1年後、および今後5-10年間のインフレ期待が大きく上昇しました。1年後のインフレ期待は6.7%と、実際にインフレ率が上昇した21-23年の水準を上回りました。1年後のインフレ期待が6%を超えたのは、第2次オイルショック後の81年以来のことです。

トランプ政権はセクター別関税や相互関税を次々に打ち出しました。ただ、相互関税の上乗せ分を90日間停止したり、一部品目を対象外とするなど、影響の大きさを懸念した動きもみせています。今後も追加的な関税を打ち出す方向ですが、トランプ関税の悪影響が経済データ等で確認されれば、修正を図る可能性もあるでしょう。今後の展開に要注目です。
・製造業の先行き景況感が大きく悪化
・消費者のインフレ期待が大きく上昇
・トランプ大統領は変心するか⁉
4月のNY連銀製造業景気指数は-8.1と、前月の-20.0から改善したものの、2カ月連続でマイナスとなり、同地区の製造業活動の縮小を示唆しました。同指数は上下のブレが大きいため、フィラデルフィア連銀製造業景気指数(4/17発表)、シカゴPMI(同4/30)、ISM(同5/1)などの景況指数がどうなるか、要注目でしょう。

NY連銀指数で目立ったのは、先行きの景況感の悪化です。6カ月先の景況感指数は-7.4と、01年7月に統計が始まってから01年9月に次ぐ2番目の低さでした。01年9月はIT株バブル崩壊を受けたリセッション(01年3-11月)のただ中でした。その他にも、6カ月先の新規受注指数は統計開始後の最低、同仕入価格指数や販売価格指数は上昇しました。
それらはトランプ関税に関する懸念を反映している可能性があります。

また、11日に発表された4月ミシガン大学消費者信頼感調査で、1年後、および今後5-10年間のインフレ期待が大きく上昇しました。1年後のインフレ期待は6.7%と、実際にインフレ率が上昇した21-23年の水準を上回りました。1年後のインフレ期待が6%を超えたのは、第2次オイルショック後の81年以来のことです。

トランプ政権はセクター別関税や相互関税を次々に打ち出しました。ただ、相互関税の上乗せ分を90日間停止したり、一部品目を対象外とするなど、影響の大きさを懸念した動きもみせています。今後も追加的な関税を打ち出す方向ですが、トランプ関税の悪影響が経済データ等で確認されれば、修正を図る可能性もあるでしょう。今後の展開に要注目です。
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