米ドルが軟調、ユーロ/米ドルは一時1.14ドル台へ上昇し約3年ぶり高値
2025/04/14 09:20
【ポイント】
・トランプ政権の関税をめぐる報道に引き続き要注意
(欧米市場レビュー)
11日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は142.002円、米ドル/カナダドルは1.38348カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.14698ドル、英ポンド/米ドルは1.31391ドルへと上昇。米ドル/円は24年9月30日以来、米ドル/カナダドルは同年11月6日以来の安値を記録し、ユーロ/米ドルは22年2月以来およそ3年2カ月ぶりの高値をつけました。
中国が米国製品への追加関税を84%から125%へと引き上げると発表したことや、米国の経済指標が市場予想を下回ったことが、米ドルへの下押し圧力となりました。
米経済指標の結果は以下の通り。( )は市場予想です。
・3月PPI総合
前月比:マイナス0.4%(プラス0.2%)
前年比:2.7%(3.3%)
・3月PPIコア
前月比:マイナス0.1%(プラス0.3%)
前年比:3.3%(3.6%)
・4月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値):50.8(54.5)
(本日の相場見通し)
米国のトランプ政権は11日、スマートフォンやコンピューターなどの電子機器や半導体装置などの部品を相互関税の対象から除外すると発表しました。除外対象には中国製品も含まれます。
トランプ大統領は12日、このことについて記者団から質問されると「14日に具体的な説明を行う」と述べました。また、13日にはSNSにスマートフォンなどの電子機器は「単に別の関税に移行するだけだ」と投稿しました。ラトニック商務長官は13日、「半導体関連の関税の対象」になるとの認識を示しました。
トランプ政権による関税をめぐる報道には引き続き要注意です。
最近は世界的に貿易摩擦が激化するとの懸念が強まる場合、米ドルが軟調に推移する傾向がみられます。米国がスタグフレーション(景気の停滞あるいは後退とインフレ加速が同時に進行する状況)に陥る可能性が市場で意識されているのかもしれません。
関税について新たな報道によって貿易摩擦激化への懸念が一段と高まる場合、米ドル/円や米ドル/カナダドルには下落圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには上昇圧力がさらに加わりそう。米ドル/カナダドルは、24年9月安値の1.34166カナダドルに向かって下落する可能性があります。
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