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関税をめぐる報道に引き続き注意、米経済指標も材料に!?

2025/04/11 09:08

【ポイント】
・貿易摩擦激化への懸念が一段と高まる場合、リスクオフが強まる可能性も
・米経済指標で市場のFRB追加利下げ観測が強まるか

(欧米市場レビュー)

10日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/カナダドルは24年11月下旬以来4カ月半ぶりの安値を記録し、ユーロ/米ドルは23年7月以来1年9カ月ぶりの高値をつけました。米国の3月CPI(消費者物価指数)が市場予想を下回ったことが、米ドルに対する下押し圧力となりました。

米CPIの結果は以下の通り。( )は市場予想です。
<総合>
・前月比:マイナス0.1%(プラス0.1%)
・前年比:2.4%(2.6%)
<コア>
・前月比:0.1%(0.3%)
・前年比:2.8%(3.0%)

(本日の相場見通し)

関税をめぐる報道には引き続き要注意です。

トランプ米大統領は9日、「中国に対する関税を125%に引き上げる」と表明しました。これについてホワイトハウスは10日、対中関税は合計で145%になると説明。「相互関税の125%」と「合成麻薬フェンタニルの流入を理由とした追加関税の20%(2月と3月に発動済み)」を合わせたものとのことです。

中国はトランプ政権による関税に対抗する構えです。8日に「米国の脅しを決して受け入れない。米国が自らの考えだけで行動するなら、最後まで付き合う」と表明。10日には米国からの輸入品に対して84%の追加関税を課す措置を発動しました。トランプ政権が相互関税の税率を125%へとさらに引き上げたことで、中国は今後さらなる報復措置に動くかもしれません。

関税について新たな報道が出てくれば、市場が反応しそうです。米国と中国の間を含めて貿易摩擦が激化するとの懸念が市場で一段と強まれば、リスクオフ(リスク回避)がさらに進む可能性があります。その場合にはが堅調に推移して、米ドル/円やクロス円(ユーロ/円や豪ドル/円など)には下押し圧力が加わると考えられます。

***

米国の4月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)3月PPI(生産者物価指数)が本日発表されます。これらが市場予想からかい離する結果になれば、材料になる可能性があります。

市場予想は以下の通り。( )は市場予想です。
・ミシガン大学消費者信頼感指数:54.5(57.0)
・PPI総合
前月比:0.2%(0.0%)
前年比:3.3%(3.2%)
・PPIコア
前月比:0.3%(マイナス0.1%)
前年比:3.6%(3.4%)

PPIなどが市場予想を下回る結果になれば、FRB(米連邦準備制度理事会)の追加利下げ観測が強まるとともに、米ドルが軟調に推移するかもしれません。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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