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トランプ大統領が自動車関税発表、ノルウェーとメキシコの中銀会合

2025/03/27 09:22

【ポイント】
・関税への懸念で市場ではリスクオフが強まる可能性も
・ノルウェー中銀は政策金利を据え置くか
・ノルウェー中銀とメキシコ中銀は今後の金融政策についてのヒントを示すか

(欧米市場レビュー)

26日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は150.699円、米ドル/カナダドルは1.43115カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.07428ドル、英ポンド/米ドルは1.28731ドル、豪ドル/米ドルは0.62757米ドル、NZドル/米ドルは0.57106米ドルへと下落しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)の上昇や、同国の耐久財受注が前月比0.9%と市場予想(マイナス1.0%)に反して増加したことが、米ドルの支援材料となりました。

(本日の相場見通し)

トランプ米大統領は米東部時間26日午後(日本時間27日午前)、「米国製以外の全ての自動車に25%の関税を課す」と正式に表明。「自動車関税は恒久的だ」としました。自動車関税は4月2日に発動され、翌3日から徴収が開始されるとのことです。

トランプ大統領はまた、医薬品にも関税を課す考えを示したほか、「4月2日からの相互関税全ての国に適用する」と述べました

投資家心理が悪化して米国など主要国の株価には下落圧力が加わりやすいかもしれません。本日の日経平均は下落してスタートしました。日経平均が今後下げ幅を拡大し、欧州や米国の主要な株価指数が軟調に推移すれば、リスクオフ(リスク回避)の動きが強まる可能性があります。その場合にはが堅調に推移して、ユーロ/円や豪ドル/円などのクロス円は下値を試す展開になりそうです。

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本日は、ノルウェー中銀BOM(メキシコ中銀)の政策会合が開かれます。この結果にノルウェークローネメキシコペソは反応する可能性があります。

<ノルウェー中銀>日本時間午後6時に会合結果発表、午後6時30分からバーチェ総裁が会見
ノルウェー中銀は23年12月に利上げを実施した後、前回25年1月の会合まで政策金利を4.50%に据え置きました。

前回会合時の声明では「政策金利は3月に引き下げられる可能性が高い」とされました。

ただ、ノルウェーの2月CPI(消費者物価指数)上昇率は市場予想以上に1月から加速し、ノルウェー中銀のインフレ目標である2%から一段とかい離しました。そのため、市場では本日の会合で政策金利は据え置かれるとの見方が有力です。

ノルウェーの2月CPIの結果は以下の通りです。
・総合(前年比):3.6%(市場予想:2.9%、1月の実績:2.3%)
・コア(同):3.4%(同:2.9%、同:2.8%)

ノルウェー中銀の声明やバーチェ総裁の会見では、次回5月以降の金融政策についてどのようなヒントが示されるかに注目です。

政策金利が据え置かれて声明などで利下げに慎重な姿勢が示された場合、ノルウェークローネのプラス材料になりそうです。

ノルウェークローネ/スウェーデンクローナのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ノックセック、方向感を模索する相場付き]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

<BOM>日本時間28日午前4時に会合結果発表(総裁会見の予定なし)
BOMは24年3月から6回の利下げを実施しており、前回25年2月の会合では0.50%の利下げが行われました(あとの5回の利下げ幅は0.25%)。

市場では、本日の会合で0.50%の追加利下げが行われると予想されています。その通りの結果になれば、BOMの声明で次回5月以降の会合について何らかのヒントが提供されるかに注目です。

前回会合で0.50%利下げするとの決定は4対1で、決定に反対したヒース副総裁は0.25%の利下げを主張しました。また、声明では「インフレ環境は、(景気)抑制的な金融政策スタンスを維持しつつも、利下げサイクルの継続を可能にすると予想している」、「同程度の調整(0.50%の追加利下げ)を検討する可能性がある」とされました。

本日の会合で0.50%利下げすることが決定されたとしても、声明で今後利下げ幅が縮小される可能性が示されれば、
メキシコペソはそれほど下落しないかもしれません。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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