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トランプ大統領の発言でリスクオンが強まる

2025/03/25 09:13

【ポイント】
・一部の国が相互関税の適用対象外になる可能性も
・追加報道によって関税をめぐる懸念がさらに後退するか

(欧米市場レビュー)

24日、欧米時間の外為市場ではが軟調に推移。米ドル/円は一時150.709円へと上昇し、3月3日以来3週間ぶりの高値を記録。ユーロ/円は162.763円、豪ドル/円は94.669円、NZドル/円は86.259円へと上昇する場面がありました。トランプ米大統領の発言によってリスクオン(リスク選好)が強まったことが、円の重石となりました。

米国の3月S&Pグローバルサービス業PMI(購買担当者景気指数)速報値は54.3と市場予想の50.8を上振れ。また、米長期金利(10年物国債利回り)は上昇しました。米ドル/については、これらも上昇要因となりました。

(本日の相場見通し)

トランプ政権は、貿易相手国と同率の関税を課す相互関税を4月2日に発動する予定です。トランプ大統領は24日、相互関税について「多くの国を猶予するかもしれない」と述べました。一部の米メディアは23日までに「相互関税は米国にとって貿易黒字の国などには適用されず、対象を絞ったものになる可能性がある」と報じました。

トランプ大統領はまた、「今後数日中自動車への関税について発表する。木材、半導体についても今後発表する」と語りました。

トランプ大統領の相互関税についての発言を受けて市場ではリスクオンが強まり、24日に米国の主要な株価指数は総じて上昇し、円は軟調に推移しました。トランプ政権による関税が世界や米国の景気に与える悪影響は当初懸念していたほどにはならない可能性があると市場は受け止めたようです。

トランプ大統領のさらなる発言やメディアの追加報道によって関税への懸念が一段と後退する場合、リスクオンはさらに強まる可能性があります。その場合、ユーロ/円や豪ドル/円などのクロス円は上値を試す展開になりそうです。

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米国の3月消費者信頼感指数が本日発表されます(日本時間23:00)。

前回2月は98.3と市場予想の102.5を大きく下回り、この結果を受けてFRB(米連邦準備制度理事会)の追加利下げ観測が市場で強まりました。

3月の消費者信頼感指数の市場予想は94.0と、前回から一段と低下するとみられています。市場予想を下回る結果になれば、FRBの追加利下げ観測が一段と強まると考えられます。その場合には米ドルのマイナス材料になりそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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