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米シャットダウンは回避されるか 14日に継続予算が期限切れ

2025/03/14 07:31

【ポイント】
・14日(日本時間15日13:00)に現行の継続(つなぎ)予算が期限切れ
・新たな予算措置が講じられなければシャットダウン(政府機能の一部停止)
・共和党主導の継続予算案に民主党は土壇場まで反対しそう
・継続予算を巡る動きがトランプ減税やその他の政治情勢に影響しそう

米連邦政府の25年度(24年10月-25年9月)の継続(つなぎ)予算が3月14日(日本時間15日13:00)に期限切れとなります。新たな予算措置が講じられなければ、航空管制など不可欠なものを除いてシャットダウン(政府機能停止)が発生します。

議会では新たな予算案を審議していますが、共和党と民主党の間で合意には至っていません。下院は11日に新たな継続予算案を可決しました。共和党が持つ議席だけで可決に必要なマジョリティー(435議席中218以上)に達するからです。

下院が可決した継続予算案は、年度末(9月30日)までをカバーし、国防費と移民関連予算を増額する一方で、その他の裁量的支出を削減する内容です。

一方、上院では少数政党によるフィリバスター(採決妨害※)が可能であり、これを阻止して採決に踏み切るためにはスーパーマジョリティー(100議席中60以上)が必要です。しかし、共和党の議席は53しかないため、少なくとも一部の民主党議員の支持が必要です。

※上院では審議時間に制限がないため、一部議員が延々と発言を続ければ採決を行うことができません(現在ではフィリバスターを宣言するだけで採決できないようです)。採決に移行するためにスーパーマジョリティーの賛成が必要です。採決自体はマジョリティー(共和党の場合は副大統領がタイブレーカーを持つので100議席中50以上)で決します。下院では審議時間に制限があるため、フィリバスターはありません。

上院民主党は、新たに4週間の継続(つなぎ)予算を成立させて、その間に共和党と協議したい意向のようです。何らかの予算措置を講じなければ、民主党がシャットダウンの責任を負わされかねないからです。

過去の例を踏まえれば、シャットダウンは土壇場で回避されるか、発生しても短期間で解消される可能性が高そうです。短期間であれば、一般市民は不便を感じるとしても、経済全般や市場への影響は限定的でしょう。ただ、継続予算を巡る動きは、トランプ減税を盛り込む予算調整法案の行方を含めた政治情勢に影響を与える可能性があるため、フォローしておく必要はありそうです。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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