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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※2月28日更新

2025/02/28 12:13

宮田レポート(短期アップデート)/250228_miyata.pdf

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 35,000~40,000円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 38,000~44,000ドル
           (S&P500) 5000~6100
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 18,000~20,200

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 139.000~154.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~109.881


[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】

2025年に日経平均は、インターミディエイト級第(5)波の上昇によって最高値を更新するでしょう。そのターゲットは[4万3000円-4万5000円]です※。

この第(5)波上昇を以て、コロナショック底以来5年間にわたる強気相場(プライマリー第➂波)は完成し(『黄金の3年間』完結)、その後はプライマリー第➃波による停滞局面に移るでしょう。

24年7月以来のインターミディエイト級第(4)波の調整は続いています。年初からは(4)-C波による下落が進行中とみられ、3月中にも(24年8月底に次ぐ)二番底を付けるでしょう。そしてこの二番底は、第(5)波上昇トレンドの(事実上の)開始点になると思われます。

※2025年の日経平均予想レンジは[3万5000円-4万5000円]です。


[予想PER別の日経平均水準]

2月27日の日経平均予想EPSは2523円。過去最高は2564円(2/13)です。


【時間足 エリオット波動分析】
40,398円(12/27高値)からは、第(4)波「シンメトリカル・トライアングル」(A-B-C-D-E)における、C波の下落に当たります。このC波によって、日経平均は24年8月底に次ぐ二番底を付ける、と見込まれます。

今週は38,401円(2/3安値)、38,055円(1/17安値)、37,801円(11/28安値)、これら注目節目を相次いで下抜きました。特に38,055円のブレイクによって、24年10月初旬から続いていた日経平均の「安値切り上げ」基調がついに途切れたことは、日経平均の下振れリスクを一段と高めた、といえるでしょう

季節性からみると、決算期末の3月は軟調になりやすい月です(いわゆる「彼岸底」の月です)。それに加え、今年3月は2月に続く「三日新甫」(月最初の取引日が3日から始まる)であり、波乱の展開を予感させます

日経平均は3月に、フィボナッチ比率からの節目[36,867円]、[35,777円]、[34,686円]などを順次、打診する展開となりそうです。


[NYダウ・S&P500] 

【日足 エリオット波動分析】 
NYダウは、22年10月安値(28,660ドル)以来の上昇(B)波を45,073ドル(12/4高値)で完成し、(C)波の下落局面に突入した可能性が高い、とみています。それは先々、22年10月以降で一度もなかった大きなスケールの調整に発展していくでしょう。

22年1月~10月の(A)波は22.4%下げました。(C)波はそれと同等か、あるいはより大きな下落スケールになると思われます。

今後数カ月内の下値ターゲットとして注目される水準は、24年4月安値(37,611ドル)です。これは[エンディング・ダイアゴナル]開始点の水準のことで、この時点におけるNYダウの高値からの下げ率は16.5%です。

(オルタナティブ・カウント)
41,844ドル(1/13安値)からの上昇は第(ⅴ)波です。この見方によるとNYダウは今後、[45,244ドル]、[45,575ドル]、[46,456ドル]、などへ上昇する可能性があります。これら上値メドを達成後に調整局面が始まるでしょう。なおこの見方は、41,844ドルを一時的にも下回ると無効になります。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
6147(2/19高値)を以て第(v)波は完了し、そこから調整が始まったとみられます。第(v)波の上昇幅自体は比較的小さいものでしたが、長期的な上値レンジ[6145-6161]内には収まっています。

2月27日には5923(2/3安値)を明確に下回りました。この日は一時5858まで下げましたが、この水準は、1月からの上昇分に対し76.4%押し[5861]に相当します。この辺りからリバウンドが始まるか、あるいは、28日以降も下げ基調が継続するかが注目されます

3月には5773(1/13安値)を試すとみられますが、仮にそれを一時的にも下抜くと、一段と大きな調整入りが確認されます。最終的には22年10月以降で最大の調整に見舞われると思われます。

(オルタナティブ・カウント)
5773(1/13安値)以来の第(v)波は依然進行中です。
第(v)波のうち第ii波は「(エクスパンディッド)フラット」(Ⓐ-Ⓑ-Ⓒ)であり、足元の下げはⒸ波に位置付けられます。Ⓒ波は現行レベル付近で下げ止まり、まもなく(v)-iii波による上昇が始まるでしょう。
このシナリオにおいてS&P500は、大きな調整が訪れる前に高値を更新する可能性があります。
なおこの見方は5773を割ると無効になります。

【時間足 エリオット波動分析】 
45,054ドル(1/31高値)からマルiii波による下落が進行中と思われます。
当面の節目は4万3000ドル。この付近に、フィボナッチからのサポートレベル・43,070ドル(1月からの上昇の61.8%押し)が控えます。終値ベースで4万3000ドルを下回ると、調整入りはより鮮明となり、次は41,844ドル(1/13安値)への下値試しとなるでしょう

(オルタナティブ・カウント)
41,844ドル(1/13安値)から第(v)波による上昇が進行中です。第(v)波-第i波を45,054ドル(1/31高値)で終え、足元は第ii波の調整にあります(第ii波は4万3000ドルを維持するでしょう)。第ii波を終えるとNYダウは、第iii波の上昇により最高値を更新するでしょう。
なお、この見方は41,844ドルを割ると無効になります。


[ナスダック]

【ナスダック総合指数 週足 エリオット波動分析】
ナスダック100は史上最高値を2月19日に更新していますが、その一方、ナスダック総合指数(以下、ナスダック)は24年12月16日の最高値をいまだに更新できていません。両者間の「未確認」は時間の経過とともに一段と鮮明となっており、重要な天井を付けたとの見方が強化されています。

2月27日の急落によって、ナスダックは1月13日安値(18,831)を明確に下抜きました。今後ナスダック100が─この日の安値は20,540─1月13日安値(20,538)を下抜くと、上述の「未確認」が確定し、さらなる弱気トリガー発動となります。

ナスダックは、22年12月安値(10,207)以来のプライマリー級第➄波を完了し、サイクル級の調整に入ったかもしれません

ひとたびサイクル級の調整に入れば、調整規模は大きく、期間は長くなるでしょう。
今後ナスダックは、24年8月安値[15,708](レッサーディグリー(4)波安値)へ向けた弱基調となるでしょう



【時間足 エリオット波動分析】
20,110(2/18高値)を以て第5波による上昇は完了し─それは最高値に未達の『短縮された第5波(truncated fifth wave)』だったようです─本格的な調整に入った可能性があります。

2月27日には一時18,535まで急落しました。
ナスダックは短期的にも、 [18,487](24年8月からの上昇の38.2%押し)を試すでしょうが、この近くには200日MAも控えていることから(日足チャート(P9)を参照)、少なくとも目先底をつける可能性があります

反面、目先下げ基調が一段と強まって200日MA(18,345、2/27時点)を終値ベースで下抜くと、[17,956][17,426](24年8月からの上昇に対する50%-61.8%押し)を順次、試すことになるでしょう。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。なお24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(➀)が強いサポートになるでしょう。
➀の水準は136.165円(3月)に位置します。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は116.540円(3月)です。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(7/3)からはC波によるドル安・円高トレンドです。月足分析で記したB波[トライアングル]仮説によれば、C波は三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)になります。

チャートは既に一目均衡表(週足ベース)の雲から明確に下放れており、中期的な円高トレンド入りが示唆されています。

158.825円(1/10)からはⓒ波によるドル安・円高が進行中、とみられます。
ドル/円は今後数カ月内に、24年9月の139.565円を下抜くでしょう。その際は以下の水準がⓒ波ターゲットとして注目できます。

[138.517円]…ⓐ波とⓒ波が等しく下がる水準
[136.452円]…24年7月から9月までドル/円下落幅と、今年1月からのドル/円下落幅が等しい

【日足 エリオット波動分析】 
ドル/円は2月25日に一時148.555円まで下げ、24年10月上旬以来のドル安・円高水準となりました。
この先も目先的なリバウンドを挟みながら、ドル安・円高の流れは続くでしょう。
次は[146.922円] (9月からのドル/円上昇の61.8%戻り)を試す展開を予想します。

金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[144.777円]です。


投機筋の円買い持ち高は3週連続増加(2025年2月18日時点)
IMM通貨先物市場で、投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は、前週の44.8億ドルから50.7億ドルへ増えました。円買い持ち高の増加は3週連続です。



[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
110.176(1/13高値)からのドル安は、C波に位置付けられます。

109.881(2/3高値)からC-マルiii波によるドル安が進行中です。既にB波-ⓒ波の38.2%押し[106.349]を達成し、目先的には下げ一服からリバウンドもありそうです。

もっともドル指数の下げ基調は今後も続き、次は24年12月6日安値の[105.420]を試すでしょう

22年9月~23年7月のA波において、ドルは10カ月で13.2%減価しました。このA波の期間と下落率は、C波を考える上で参考になります。

筆者はドル指数が今年中に、23年安値[99.578]を大きく下回る可能性をみています。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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