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米FOMC議事録:次の利下げまで相当な距離が・・・

2025/02/20 07:54

【ポイント】
・利下げのためには一段のインフレ改善が必要!?
・インフレ上方リスクの増加、潜在的なトランプ政策などを見守るべき!?
・25年中の利下げは1回のみ?

米FOMC議事録(1/28-29開催分)によれば、インフレの改善が滞っており、一段の進展を見るまでは政策金利を維持すべきとの見解が支配的でした。ただし、金融政策の先行きに既定路線はなく、政策判断は都度行うとの姿勢が改めて表明されました。不透明要因が多く指摘されており、今後の状況次第で市場の金融政策見通しがどう変化するか要注目です。

■1月30日付け「米FOMCは据え置き、タカ派の声明文とハト派の議長会見!?」をご覧ください。

19日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む利下げ確率が5割を超えるのは6月17-18日のFOMCですが、かなり微妙です。利下げが完全に織り込まれているのが9月16-17日のFOMCまで。そして、25年中の追加利下げについて織り込み度合いは五分五分です。

米FOMC金融政策見通し

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議事録のなかで、注目されたのは以下の通り。

利下げを開始する前に比べて明らかに金融政策は抑制的ではなくなっているので、全ての参加者は政策金利を維持するのが適切だと考えました。

金融政策の先行きに関して、状況を分析するのに十分な時間があるとして、政策金利の調整(=利下げ)を行う前にインフレの改善で一段と前進するのをみたいとのことでした。

過半数の参加者は、現状での不透明感が非常に強いので、慎重なアプローチを取るのが適切だとしました。また、勘案すべき要因として、労働市場や経済活動に関する下方リスクの減少インフレ見通しの上方リスクの増加、(経済を加速も減速もさせない)中立金利に関わる不透明感長期金利の上昇による景気抑制の度合いトランプ政権の潜在的な政策などが挙げられました。

また、デットシーリング(債務上限)の問題に関連して、問題が解決するまでQT(保有国債の削減)を停止、あるいはペースダウンすべきではないかとの意見も出ました。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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