英国の賃金は上振れ、それでも利下げは既定路線?
2025/02/19 08:16
【ポイント】
・昨年12月の賃金は前年比5.9%と、8カ月ぶりの高い伸び
・19日発表の1月CPIは公定価格の変化を反映して加速か
・ベイリーBOE総裁はインフレ加速の可能性は低いとして、利下げに前向きか
英国の昨年12月の賃金(3カ月平均、賞与を除く)は前年比5.9%と、前月の5.6%から加速して8カ月ぶりの高い伸びとなりました。

また、1月の雇用者数は前月比2.1万人増と市場予想(3.0万人減)を上回りました。労働党政権が昨年10月末の予算案で国民保険の雇用者負担と最低賃金の引き上げを示してから、11-12月は計4.0万人減少しましたが、3カ月ぶりに増加に転じました。

本日19日発表の1月CPIは前月から加速が予想されています。市場予想は総合が前年比2.8%、食料やエネルギーなどを除くコアが同3.7%と、いずれも前月(それぞれ2.5%、3.2%)から加速が見込まれています。
それでも、BOE(英中銀)のベイリー総裁は、インフレ再燃の可能性は高くないと判断しているようです。ベイリー総裁は18日の講演で、賃金の伸びは想定していたほどではないと述べました。また、足もとのインフレ加速(見込み)はエネルギーなどの公定価格の変化が主因であり、経済のファンダメンタルズを反映したものではないと説明しました。また、景気はBOEの想定よりもぜい弱だとも指摘しました。
18日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、次回3月20日のMPC(金融政策委員会)で政策金利は据え置きとの見方が有力です。その次の5月8日のMPCでは9割近く利下げが織り込まれており、夏場以降に追加利下げがあると予想されています。本日のCPIなどを受けてBOEの金融政策見通しがどう変化するか注目されます。
・昨年12月の賃金は前年比5.9%と、8カ月ぶりの高い伸び
・19日発表の1月CPIは公定価格の変化を反映して加速か
・ベイリーBOE総裁はインフレ加速の可能性は低いとして、利下げに前向きか
英国の昨年12月の賃金(3カ月平均、賞与を除く)は前年比5.9%と、前月の5.6%から加速して8カ月ぶりの高い伸びとなりました。

また、1月の雇用者数は前月比2.1万人増と市場予想(3.0万人減)を上回りました。労働党政権が昨年10月末の予算案で国民保険の雇用者負担と最低賃金の引き上げを示してから、11-12月は計4.0万人減少しましたが、3カ月ぶりに増加に転じました。

本日19日発表の1月CPIは前月から加速が予想されています。市場予想は総合が前年比2.8%、食料やエネルギーなどを除くコアが同3.7%と、いずれも前月(それぞれ2.5%、3.2%)から加速が見込まれています。
それでも、BOE(英中銀)のベイリー総裁は、インフレ再燃の可能性は高くないと判断しているようです。ベイリー総裁は18日の講演で、賃金の伸びは想定していたほどではないと述べました。また、足もとのインフレ加速(見込み)はエネルギーなどの公定価格の変化が主因であり、経済のファンダメンタルズを反映したものではないと説明しました。また、景気はBOEの想定よりもぜい弱だとも指摘しました。
18日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、次回3月20日のMPC(金融政策委員会)で政策金利は据え置きとの見方が有力です。その次の5月8日のMPCでは9割近く利下げが織り込まれており、夏場以降に追加利下げがあると予想されています。本日のCPIなどを受けてBOEの金融政策見通しがどう変化するか注目されます。

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