米ISM、ADPは雇用の堅調を示唆!?
2025/02/06 07:56
【ポイント】
・ADP(雇用)統計は堅調も、7日の雇用統計のヒントにはなりにくい
・ISM非製造業景況指数は低下も、雇用指数は23年9月以来の高水準
・年次改定を反映する1月雇用統計に要注目
5日発表のADP雇用統計(以下、ADP統計)やISM非製造業景況指数は労働市場の堅調を示唆しました。7日発表の雇用統計は年次改定を反映するため解釈が難しくなるかもしれませんが、同様に労働市場の堅調を示すか注目されるところでしょう。
■5日付け「【徹底解説】米雇用統計の年次改定について」をご覧ください。
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1月のADP統計は前月比18.3万人増と、市場予想(15.0万人増)を上回りました。前月は12.2万人増から17.6万人増に上方修正されました。ADPは民間の給与処理サービスを提供しており、商務省の雇用統計とほぼ同じ方式のデータを公表しています(ただし、民間部門に限る)。雇用統計の1~2日前に発表されるため参考になりますが、月々で見る限り両者の差が大きいケースも散見されます。

ADPはデータの改定が大きいことで知られています。また、22年7月から新しい手法を採用しており、それ以前のデータとの連続性はないようです。
ADP統計と雇用統計(NFP民間)の差が比較的小さい23年8月以降でみると、両者の差は平均1.5万人(ADP<雇用)で、標準偏差は8.7万人です。したがって、1月ADP統計に基づく1月雇用統計(NFP民間)の予想は19.8万人増で、68%の確率(±1標準偏差)で11.1万人増~28.5万人増の範囲に入ると考えられます。
なお、Bloombergによれば、1月雇用統計(NFP民間)の市場予想は15.0万人増なので、市場予想を上回る結果となる可能性がやや高いのかもしれません(政府部門を含むNFPの市場予想は17.0万人増)。
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1月のISM非製造業景況指数は52.9と、前月(54.1)から低下。ISM(供給管理協会)によれば、1月の水準が続くとGDP成長率1.4%と整合的とのこと(3日発表の1月ISM製造業景況指数は50.9と、22年10月以来の50超。ISMによれば、1月の水準が続けばGDP2.4%と整合的)。
ISM非製造業の雇用指数は52.3と、23年9月以来の高水準でした。また、ISM製造業の雇用指数は50.3と、24年5月以来の50超(=雇用増を示唆)でした。
・ADP(雇用)統計は堅調も、7日の雇用統計のヒントにはなりにくい
・ISM非製造業景況指数は低下も、雇用指数は23年9月以来の高水準
・年次改定を反映する1月雇用統計に要注目
5日発表のADP雇用統計(以下、ADP統計)やISM非製造業景況指数は労働市場の堅調を示唆しました。7日発表の雇用統計は年次改定を反映するため解釈が難しくなるかもしれませんが、同様に労働市場の堅調を示すか注目されるところでしょう。
■5日付け「【徹底解説】米雇用統計の年次改定について」をご覧ください。
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1月のADP統計は前月比18.3万人増と、市場予想(15.0万人増)を上回りました。前月は12.2万人増から17.6万人増に上方修正されました。ADPは民間の給与処理サービスを提供しており、商務省の雇用統計とほぼ同じ方式のデータを公表しています(ただし、民間部門に限る)。雇用統計の1~2日前に発表されるため参考になりますが、月々で見る限り両者の差が大きいケースも散見されます。

ADPはデータの改定が大きいことで知られています。また、22年7月から新しい手法を採用しており、それ以前のデータとの連続性はないようです。
ADP統計と雇用統計(NFP民間)の差が比較的小さい23年8月以降でみると、両者の差は平均1.5万人(ADP<雇用)で、標準偏差は8.7万人です。したがって、1月ADP統計に基づく1月雇用統計(NFP民間)の予想は19.8万人増で、68%の確率(±1標準偏差)で11.1万人増~28.5万人増の範囲に入ると考えられます。
なお、Bloombergによれば、1月雇用統計(NFP民間)の市場予想は15.0万人増なので、市場予想を上回る結果となる可能性がやや高いのかもしれません(政府部門を含むNFPの市場予想は17.0万人増)。
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1月のISM非製造業景況指数は52.9と、前月(54.1)から低下。ISM(供給管理協会)によれば、1月の水準が続くとGDP成長率1.4%と整合的とのこと(3日発表の1月ISM製造業景況指数は50.9と、22年10月以来の50超。ISMによれば、1月の水準が続けばGDP2.4%と整合的)。
ISM非製造業の雇用指数は52.3と、23年9月以来の高水準でした。また、ISM製造業の雇用指数は50.3と、24年5月以来の50超(=雇用増を示唆)でした。

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