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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※1月28日更新

2025/01/28 10:31

宮田レポート250128_miyata.pdf

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[日経平均]
【当面の想定レンジ】 35,000~42,000円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 38,000~45,000ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 18,000~20,260

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~158.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~110.895



[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】

2025年に日経平均は、インターミディエイト級第(5)波の上昇によって最高値を更新するでしょう。そのターゲットは[4万3000円-4万5000円]です※。

この第(5)波上昇を以て、コロナショック底以来5年間にわたる強気相場(プライマリー第➂波)は完成し(『黄金の3年間』完結)、その後はプライマリー第➃波による停滞局面に移るでしょう。

なお24年7月以来のインターミディエイト級第(4)波の調整は続いているとみられます。
この見方によると、第(5)波上昇が始まる前に、日経平均は一度大きく下押すことになります。

※2025年の日経平均予想レンジは[3万5000円-4万5000円]です。


[予想PER別の日経平均水準]

1月27日時点の日経平均予想EPSは2479円と、前日(2506円)より下げました。昨年10月5日に付けた過去最高値2514円を抜くかが、引き続き注目されます。


【時間足 エリオット波動分析】
40,398円(12/27高値)から第(4)波中C波による下落局面が進行中とみられます。C波は24年8月から約5カ月かけて形成された、上昇ウェッジから下放れ始めたところです。

第(4)波のパターンとして「シンメトリカル・トライアングル」をイメージしています。この見方通りなら、C波は三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)となります。38,055円(1/17安値)からのC-ⓑ波によるリバウンドは40,279円(1/24高値)を以て終わり、C-ⓒ波による下落が始まった可能性があります

そうであれば、今後数週間タームで日経平均は、24年10月からのレンジ相場下限(37,650~37,800円)を試す展開となりそうです。さらに今後数カ月内をメドに、24年9月安値の35,247円を一時的にも下回る可能性があります。それは24年8月底に次ぐ二番底です。

ただし40,398円を上抜くと短期的な弱気見通しは否定されます。この場合は、38,055円以来、第(5)波中3波による上昇という見方が考慮されます。


[NYダウ] 

【日足 エリオット波動分析】 
NYダウは、22年10月安値(28,660ドル)以来の上昇(B)波を45,073ドル(12/4高値)で完成し、(C)波の下落局面に突入した可能性が高い、とみています。それは先々、22年10月以降で一度もなかった大きなスケールの調整に発展していくでしょう。

22年1月~10月の(A)波は22.4%下げました。(C)波はそれと同等か、あるいはより大きな下落スケールになると思われます。

今後数カ月内の下値ターゲットとして注目される水準は、24年4月安値(37,611ドル)です。これは[エンディング・ダイアゴナル]開始点の水準のことで、この時点におけるNYダウの高値からの下げ率は16.5%です。

S&P500日足チャートに出現した「三空」は、やはりピークアウトの前兆だったようです。

1月27日のNYダウは289ドル高(+0.65%)でしたが、その一方、S&P500はマドを空けて、88.96ポイント安(-1.46%)の急落となりました。これにより、形成された「アイランド・リバーサル」は、S&P500の上昇の終わりと調整の始まりを示唆するものです。

S&P500の長期チャートをみると、1929年と2000年の大天井を通る長期レジスタンスラインが今月は[6161]に位置していますが、1月24日の史上最高値(6128)はそれに近いものでした。

S&P500は重要な高値を付けた可能性があります。

【時間足 エリオット波動分析】 
42,146ドル(12/20安値)からのマルii波「エクスパンディッド・フラット」は終了しつつあり、この見方が正しければ、近々マルiii波による下落開始が想定されます。

ひとたびマルiii波が始まれば、その下げ幅と下げ率は、マルi波(上記)を凌駕する大きなものになるでしょう。

その一方、S&P500の最高値更新に遅れて、NYダウも高値を更新する展開があるかもしれません。
その場合は、41,844ドル(1/13安値)からを第(v)波による上昇とカウントし直します。


[ナスダック]

【週足 エリオット波動分析】
22年12月安値(10,207)以来の上昇は、プライマリー級の第➄波とみられます。

この波動カウントによれば、第➄波は五波構成((1)~(5))です。24年8月安値15,708からの第➄-(5)波による上昇が完了すると、長期上昇トレンドが終了します。

1月24日には一時20,118まで上昇し、前回高値(20,204、24年12月16日)に迫りましたが、翌27日は一転、3.07%の急落となりました。中国の新興企業DeepSeekが開発する人工知能(AI)無料アプリが急速に人気を集めていることが、株式相場に衝撃を与えました(DeepSeekショック)。生成AI関連株、半導体関連株は軒並み大幅安となり、SOX指数は9.14%もの下げを演じました。

ナスダックは長期的な天井を付け、サイクル級の調整が始まった可能性があります。もしもサイクル級の調整に入ったのであれば、その調整規模は大きく、期間的にも長くなることが想定されます。


【時間足 エリオット波動分析】

18,831(1/13安値)からの第(5)波の第5波は、20,118(1/24高値)を以て終わった可能性があります。
第5波高値は、第3波高値(20,204)に及びませんが、これは「truncated fifth wave(短縮した5波)」だった、とみるのが適当でしょう。

短期的には18,831が強弱感の分岐です。
18,831を維持する限りは、まだナスダックの第5波は続いているとみることが可能です。
その反面18,831を割り込むと、それはサイクル級の調整に入ったことを支持するものといえるでしょう。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。なお24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。なお➀のもうひとつのパターンとして[ランニング・フラット]もあげられましょう。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(↑➀)が強いサポートになるでしょう。
➀の水準は135.655円(1月)に位置します。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(↑➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は116.030円(1月)です。

なお足元水準は、2011年からの上昇チャネル上限を上回っていますが、このようにドル/円が長期トレンドから上方を逸脱するのは今回3回目です。過去2回のケースでは(円買い介入によって)極端な円安はまもなく修正されており、今回も同様の動きとなるかに注目です。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(7/3)からはC波によるドル安・円高トレンドが進行中とみられます。
このC波を構成する副次波ⓑ波は158.825円(1/10)で終わり、そこからはⓒ波によるドル安・円高に入った可能性が高いでしょう。

筆者は、ドル/円が今年中に、139.565円(9/16)を大きく下抜く展開を想定しています。

24年7月高値を上抜いたときの考え方
メインシナリオ上、24年7月高値(161.938円)を上抜くことはない、とみています。しかし見通しと異なり、161.938円を一時的にも上抜く場合には、「8年サイクルの延長」の可能性が考慮されます。
8年サイクルは、8年±16カ月(80カ月~112カ月が本来の期間であり、今回のように15年6月から始まった8年サイクルは、本来は24年10月までに完結するべきものです(この点からも24年7月は8年サイクルに相応しいものです)。しかし161.938円を上抜くと─イレギュラーではありますが─8年サイクルの期間は10年(120カ月)まで延長されることでしょう。つまり8年サイクル高値を付けるのは、25年半ばまでのどこか、と想定されます。

【日足 エリオット波動分析】 
139.565円(9/16)からのⓑ波-(c)波によるリバウンドは158.825円(1/10)を以て終了し、ⓒ波によるドル安・円高が始まった可能性があります。

短期的には155.700円~157円処へのリバウンドがあるかもしれません。そのような動きを経てドル/円は、次に200日MA[152.860円処]を試すでしょう。

金利差からのドル/円推計値
1月15日に日本国債10年物(JGB10年)は一時1.255%と、13年半ぶり水準へ上昇しました。それは遠からず1.300%を試し、さらには1.515%-1.615%へ一段と上昇するかもしれません。この見方通りなら、米長期金利がさらに上昇しても日米金利差は広がらず、おのずとドル/円の上値も限られましょう。
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[149.693円]です。

投機筋の円売り持ち高が3週ぶりに減少(2025年1月21日時点)
IMM通貨先物市場で、投機筋(非商業部門)による円売り持ち高は3週ぶりに減少。前週の23.5億ドル(これは2カ月ぶり売り持ち高でした)から11.8億ドルとほぼ半分になりました。


[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
110.176(1/13高値)を以て24年9月からのB波-ⓒ波は終わり、C波によるドル安トレンドが始まった可能性が高い、とみられます。

そうであればドル指数は、短期的なリバウンドを挟みながらも、中期タームでは下落していくでしょう。
22年9月~23年7月のA波において、ドルは10カ月で13.2%減価しました。このA波の期間と下落率は、C波を考える上で参考になるでしょう。

筆者はドル指数が今年中に、23年安値[99.578]を大きく下回る可能性をみています。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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