市場の注目は米大統領就任式へ!?
2025/01/20 08:56
【ポイント】
・トランプ氏はカナダやメキシコなどに対する高率の関税を実行するか
・米国の祝日で市場の流動性が低下、値動きが増幅される可能性も
(欧米市場レビュー)
17日、欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は156.324円、米ドル/カナダドルは1.44769カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.02649ドル、英ポンド/米ドルは1.21605ドル、豪ドル/米ドルは0.61632米ドルへと下落。米ドル/カナダドルは20年3月以来4年10カ月ぶりの高値をつけました。米国の12月の住宅着工件数や建設許可件数、鉱工業生産がいずれも市場予想を上回る結果だったことが、米ドルの支援材料となりました。
米経済指標の結果は以下の通り。( )は市場予想です。
・住宅着工件数:年率換算149.9万件(132.5万件)
・建設許可件数:同148.3万件(146.0万件)
・鉱工業生産:前月比0.9%(0.3%)
一部のメディアが「米新政権発足後に金融市場が混乱しなければ、日銀は23-24日の会合で利上げを決定する公算が大きい」と報道。別のメディアも「23-24日の日銀会合では政策委員の過半数が利上げを支持する見通し。トランプ次期大統領の発言や国内外の市場の反応などを見極めて最終判断する」と報じました。
ただ、14日の氷見野副総裁や15日の植田総裁の発言により、23-24日の会合での利上げは市場にある程度織り込まれたためか、これらの報道に対して市場は反応薄でした。
(本日の相場見通し)
本日、米国ではトランプ氏が大統領に就任します(日本時間21日未明)。市場の注目はトランプ氏の言動へと向かいそうです。
トランプ氏は24年の大統領選挙中に「大統領に返り咲けば、中国からの輸入品には60%の関税を課し、その他の貿易相手からの輸入品には10~20%の関税を課す」と主張しました。大統領選挙勝利後の11月25日には「1月20日(大統領就任初日)に、メキシコとカナダからの輸入品には25%の関税を、中国からの輸入品には追加で10%の関税を課す大統領令に署名する」との考えを示しました。
トランプ氏がこれらのことを実行するのかどうか注目されます。実行された場合、その国の通貨には下落圧力が加わりそうです。
本日は米国がキング牧師誕生日で祝日のため、外為市場では参加者が減少して流動性が低下します。就任演説におけるトランプ氏の発言を含めて何か材料が出てくれば、値動きが増幅される可能性があり、注意は必要です。米国の株式市場や債券市場は休場です。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
- 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
- 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。