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【株価指数】「トランプ2.0」をどう織り込むか

2025/01/06 07:51

【ポイント】
・年末年始の主要株価はマチマチ
・米国ではUSスチールの株価が乱高下、英国ではエネルギー関連株が堅調
・市場はトランプ次期大統領の言動に振り回されそう

(先週のレビュー)

年末年始の主要株価指数はマチマチ。日経平均は前週末に終値で7月中旬以来となる4万円を示現しましたが、30日の大納会で下げて越年。本日6日の大発会を迎えます。

NYダウ、S&P500、ナスダック100はいずれも年末の軟調地合いを引き継いで25年をスタートし、3日は小反発。逆に、FTSE100は年末の堅調地合いのまま大きく上昇して始まったものの、3日は反落しました。

日本製鉄が買収を企図するUSスチールの株は、日本製鉄の新たな買収提案を好感して12月31日に大幅に上昇しました。しかし、1月3日にバイデン大統領が買収阻止を表明すると一転急落しました。

FTSE100の堅調は、ロシア・ウクライナ間の供給停止を受けた天然ガス価格の上昇や原油高を背景としたBPやシェルなどエネルギー関連株の上昇が主因だったようです。

24年年間の騰落率(23年末⇒24年末)は、日経平均19.2%、NYダウ12.9%、S&P500が23.3%、ナスダック100が24.9%、FTSE100が5.7%でした。米株の良好なパフォーマンス、それも大型ハイテク株の上昇が目立ちました。


(今週の相場材料)

25年が始まり、市場では1月20日に誕生するトランプ政権の政策を織り込もうとする動きが一段と強まりそう。キーワードは、「米企業寄り」「減税」「規制緩和」「インフレ」「関税引き上げ」「移民規制強化」など。市場は、それらを基にしたベースシナリオが実現するのか、それともどうかい離するかに注目するでしょう。もっとも、トランプ次期大統領の言動は予測不能。市場は唐突に発信するSNSなどトランプ次期大統領の言動に振り回されることになるかもしれません。

今週の主な相場材料は、経済指標では10日の12月米雇用統計。11月の雇用統計はNFP(非農業部門雇用者数)が市場予想をやや上回る一方で、失業率は上昇するなど、マチマチの内容でした。足もとの米労働市場は24年前半までと比べればやや軟化しているようですが、それが一段と鮮明になるか。インフレ懸念が強まりかねない賃金上昇にも要注意でしょう。

24年12月17-18日開催のFOMCは利下げを決定したものの、追加利下げに慎重なタカ派的内容と判断できました。8日公表のFOMC議事録や上述の雇用統計を受けて市場の金融政策見通しに変化が生じるかもしれません。その場合は長期金利の変動を伴って株価にも影響を与えそうです。

6日には米議会が大統領選挙の結果を正式に承認します。儀礼的イベントではありますが、議会襲撃から4年目にあたり、市場は気にするかもしれません。なお、9日はカーター元大統領死去に伴う服喪で米株式市場は休場(債券は短縮取引)。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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