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【株価指数】年末年始の相場変動に要注意!

2024/12/30 07:35

【ポイント】
・先週は、日経平均が週末に急騰、米株は上昇後に反落、英株は上昇
・今週は、米経済指標、政治動向、長期金利の行方に要注目か
・欧米市場の休場は1月1日のみ

(先週のレビュー)

週中にクリスマスがあったことで、市場参加者が極端に減少したとみられるなか、主要株価指数はやや異なった展開となりました。

日経平均は週前半に揉み合った後、後半に大きく上昇。週末27日には700円超上昇して4万円台を回復、今年7月下旬以来の高値を付けました。NYダウ、S&P500、ナスダック100はいずれも堅調に推移したものの、27日に反落しました。FTSE100は、25日だけでなく26日も休場でしたが、3営業日連続で上昇して週を終えました。

日経平均堅調の背景は、25日の講演で植田日銀総裁が利上げに慎重な姿勢を改めて示したこと、そして米ドル/円が堅調に推移して26日に7月中旬以来となる158.045円を付けたことなどです。

前週末に発表された米PCE(個人消費支出)デフレーターがインフレの落ち着きを示したこと、週末につなぎ予算が成立してシャットダウン(政府機能の一部停止)が回避されたことなどを受けて、米株は大型ハイテク株を中心に堅調に推移しました。ただ、米長期金利(10年物国債利回り)が5月末以来となる4.60%台まで上昇したことや、年末に向けたポジション調整などから27日は小幅に反落しました。


(今週の相場材料)

今週も引き続き商い閑散でしょう。ただ、日本株(現物・信用)取引は31日-1月3日が休みですが、欧米市場は基本的に1月1日のみ休みです。欧米株の今週内の動きが週明け6日に日経平均に反映される点には要注意でしょう。

日経平均については、先週後半に大きく上昇したことで、相場の地合いは悪くなさそうです。
日銀は利上げに慎重な姿勢を続けてもおり、米FRBに関しては米景気堅調ながらインフレの落ち着きによって(※)利下げ期待が改めて高まっているようです。一方で、為替介入への警戒感が燻(くす)ぶっており、また1月20日に誕生するトランプ政権の政策に関する不透明感も株価の重石になるかもしれません。

※PCEコア(エネルギーと食料を除く)は11月に前月比0.1%と、9-10月のそれぞれ0.3%から減速しました。ただ、前年比でみれば2.8%と、今年6月以降に改善がストップしており、安心はできません。

今週の主な相場材料は以下の通り:

米経済指標では、30日シカゴPMI(購買部協会景気指数)、2日新規失業保険申請件数S&Pグローバル製造業PMI、3日ISM製造業景況指数など。長期金利が上昇を続けるなか、住宅関連指標も気になるところです。

1月1日(2日?)には米デットシーリング(債務上限)が復活します。財務省が「異例の措置」をとるため、すぐにデフォルト(債務不履行)が起こることはありません。過去にもデットシーリングの危機は何度も回避されてきました。ただ、デットシーリングの引き上げあるいは無効化を要求するトランプ次期大統領の提案に対して、多くの共和党議員が反対姿勢を示しました。デットシーリング問題は減税や歳出削減も絡んで、民主党vs共和党、あるいはトランプ次期大統領vs共和党財政保守派の対立を先鋭化させる可能性はあるでしょう。

デットシーリング問題は米長期金利にも大きな影響を及ぼす可能性があります。とりわけ、財政赤字拡大(=債務増大)の懸念からくる「悪い金利上昇」は株価にとってネガティブな要因となりかねないだけに要注意でしょう。

※ファンダメ・ポイントは本日が年内最終です。ご愛読ありがとうございました。新年は1月3日から配信する予定です。皆さまにおかれましては、2025年良いお年をお迎えください。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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