エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※12月27日更新
2024/12/27 10:39
宮田レポート.pdf
本レポートが24年最終号です。今年もご覧頂き誠に有難うございました。
25年初回号は1月7日(火)を予定しております。来年もどうぞ宜しくお願い致します。良い年をお迎えください。(宮田)
■「『大予想』2025年の為替・株」が公開されています。併せてご覧ください。
[日経平均]
【当面の想定レンジ】 34,000~42,000円
[NYダウ]
【当面の想定レンジ】 38,500~44,000ドル
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 18,000~20,200
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~160.000円
[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~109.000
[日経平均]

【週足 エリオット波動分析】
42,426円(7/11高値)以来の第(4)波(インターミディエイト級)中A波は、31,156円(8/5安値)を以て終わったとみられます(4年サイクル底)。
あるいは、8月安値から既に第(5)波の上昇が進行中かもしれません。
どちらの見方によっても、来年の日経平均は42,426円を上抜き、最高値を更新する可能性が高い、と思われます。第(5)波ターゲットとして[4万3000円-4万5000円]を想定しています。
第(5)波上昇を以て、5年間にわたる強気相場(プライマリー第➂波)は完成し(『黄金の3年間』の完結)、以降はプライマリー第➃波による停滞局面に移るでしょう。
日経平均予想EPSは12月26日時点で2466円。今年10月5日の2514円に近づいては離れる、という動きとなっています。今後の動向が引き続き注目されます。

【日足 エリオット波動分析】
(プリファード(優先)カウント)
31,156円(8/5安値)からの、第(4)波中B波によるリバウンドは、40,257円(10/15高値)を以て終了した、とみられます。
12月12日の「アイランド」が暗示していたように、日経平均は短期的な下げ局面に入った、とみられます。25年1月~2月にも35,247円(9/9安値)を下回る可能性があり、それを以て24年8月「一番底」に次ぐ「二番底」示現となるでしょう。
その後、数週間~数カ月間のもみ合いの間に上昇エネルギーを蓄え、日経平均は第(5)波によって、もみ合いから上放れるでしょう。
(オルタナティブ(代替)カウント)
31,156円(8/5安値)は第(4)波の終点底であり、そこから第(5)波による上昇が進行中です。
この見方によると日経平均は「二番底」を付けることなく、じり高基調を続けるでしょう。そんな中、25年の前半にも高値更新がありそうです。

日本株相場の仮需給環境
今回は日本株相場の需給環境(仮需)を確認しておきましょう。
まず足元の裁定買い残(約2.1兆円)は「令和のブラックマンデー」前週以来の高水準です。24年7月上旬の2.68兆円にも近づいていることからみて、今後は裁定買いの上積み余地が限られるとともに、裁定解消売りの圧力は強まることが予想されます。
次に信用買い残について。
24年7月末に約5兆円に膨らんだ買い残は、「令和のブラックマンデー」の急落により1兆円も急減しましたが、足元でもなお約4.3兆円あります。
25年1月10日は、日経平均・TOPIXの24年7月11日高値から6カ月後、(制度)信用取引期日に当たります。年明けの第1週は期日迎えの売りが膨らむ可能性が高い、とみられます。一方、1月中旬以降は需給改善が見込めますので、日経平均の上昇機運が高まることが期待できそうです。

【時間足 エリオット波動分析】
当面の日経平均の見通しは以下の二通りです。
[プリファード(優先)カウント] 35,247円を下回り、「二番底」を形成
7月高値以来の第(4)波は[トライアングル(A-B-C-D-E)]を形成中です。
31,156円(8/5安値)からのB波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)によるリバウンドは40,257円(10/15高値)で終わり、そこからはC波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)による下げが進行中です。
9月と11月の安値同士を通るサポートライン付近から、足元リバウンドが続いています。仮に目先4万円回復があっても、先に書いた需給要因からは「やれやれの売り」が出やすいでしょう。
今後38,555円(12/19安値)を下抜くと、C波による下落基調が鮮明になるでしょう。最終的にC波は35,247円(9/9安値)を下回り、8月安値に次ぐ「二番底」を付けるでしょう。
[オルタナティブ(代替)カウント] 第(5)波は「エンディング・ダイアゴナル」
31,156円(8/5安値)からは第(5)波による上昇であり、そのパターンは波の重複が目立つ「エンディング・ダイアゴナル」です。今後42,426円(7/11高値)を上抜くとTOPIXとの弱気ダイヴァージェンスが解消され、強気モードが戻ってくるでしょう。
[予想PER別の日経平均水準]

[NYダウ]

【日足 エリオット波動分析】
ダウの三指数では高値を付けた順に、輸送株(11月25日)、公共株(11月27日)、そして工業株(12月4日)です。S&P500は12月6日、ナスダック100とナスダック総合指数は12月16日に高値を付けました。
このように指数ごとの高値日にタイムラグがあるとき、相場全体は天井を付けることが珍しくありません。
NYダウは、22年10月安値(28,660ドル)以来の上昇(B)波を45,073ドル(12/4高値)で完成した可能性が高いでしょう。今は(C)波による下落トレンドの序盤に位置付けられます。
(C)波に入っているのであれば、それは先々、22年10月以降で一度もなかった大きなスケールの調整に発展していくでしょう。

【時間足 エリオット波動分析】
米大統領選直後(11月5日~6日)のギャップ(42,258ドル~42,850ドル)は、12月20日安値(42,146ドル)によって埋め戻されました。ギャップ埋めは「トランプ・トレード」終了を証左しています。
足元はマルii波によるリバウンドとみていますが、12月26日高値(43,373ドル)は既に想定レンジ[43,264ドル-43,955ドル](マルi波の38.2%-61.8%戻り)に入りました。マルii波は目先的にも完了しておかしくなく、次はマルiii波による下落局面に移る可能性があります。
マルiii波開始となれば、NYダウは41,647ドル(11/4安値)を早々に下抜き、4万ドル割れを視野に入れるでしょう。
[ナスダック]

【週足 エリオット波動分析】
22年12月安値(10,207)以来の上昇は、➃-(B)波による上昇とカウントされます。それは[不規則天井(イレギュラー・トップ)]であり、パターンは[トリプル・ジグザグ(W-X-Y-X-Z)]です。
プリファード(優先)カウント
20,204(12/16高値)を以て、➃-(B)波は完成し、(C)波による下落入りの可能性を指摘できます。
(C)波は(A)波(21年11月~22年10月、高値から37%調整)と同等か、それ以上のスケールの下げになるでしょう。
オルタナティブ(代替)カウント
22年12月安値からの「五波動」による上昇第➄波は終わった可能性があります。
これによれば25年以降ナスダックは、上記の優先カウントよりも深く長い調整局面を迎えるでしょう。

【時間足 エリオット波動分析】
15,708(8/5安値)からの[ダイアゴナル]による上昇パターンは、20,204(12/16高値)を以て完成したとみられます。上昇の最終局面において、8月-11月の高値を通るレジスタンスラインを上抜きましたが、このスローオーバー(throw-over)は、ナスダックのピークアウトを暗示するものでした。
19,168(12/20安値)からは、マルii波によるリバウンドとみられます。この見方通りなら、マルii波は20,204を上抜くことはなく、いつ次のマルiii波による下落が始まってもおかしくありません。
25年明け早々にも、マルiii波スタートの可能性があり、それは8月安値からのサポートライン(ダイアゴナル下辺)を明確に破ることでしょう。
一方20,204を上抜いた場合は、上記波動カウントを見直さなければなりません。代替カウントは追っておしらせします。
[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。なお24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。
22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。なお➀のもうひとつのパターンとして[ランニング・フラット]もあげられましょう。
➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(↑➀)が強いサポートになるでしょう。
25年1月、➀の水準は135.655円に位置します。
➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(↑➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。25年1月を通じ、➁の水準は116.030円となっています。
なお足元水準は、2011年からの上昇チャネル上限を上回っていますが、このようにドル/円が長期トレンドから上方を逸脱するのは今回3回目です。過去2回のケースでは(円買い介入によって)極端な円安はまもなく修正されており、今回も同様の動きとなるかに注目です。

【週足 エリオット波動分析】
161.938円(7/3)からは、C波によるドル安・円高です。このC波は、三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)で進展していく、と思われます。
12月27日にドル/円は一時5カ月半ぶりとなる158円台に乗せる場面がありました。160円も視野に入る状況ですが、このⓑ波によりドル/円は、7月高値(161.938円)に次ぐ「二番天井」を付けるでしょう。
近々ⓑ波が終了するとともに、ⓒ波のドル安・円高が始まると予想します。
7月高値を上抜いたときの考え方
7月高値(161.938円)を上抜くケースでは、「8年サイクルの延長」の可能性が考慮されます。
8年サイクルは、8年±16カ月(80カ月~112カ月が本来の期間であり、今回のように15年6月から始まった8年サイクルは、本来は24年10月までに完結するべきものです(この点からも24年7月は8年サイクルに相応しいものです)。しかし161.938円を上抜くと─イレギュラーではありますが─8年サイクルの期間は10年(120カ月)まで延長されることでしょう。つまり8年サイクル高値を付けるのは、25年半ばまでのどこか、と想定されます。

【日足 エリオット波動分析】
141.630円(8/5)より、ⓑ波「エクスパンディッド・フラット」が展開しています。
139.565円(9/16)からのⓑ波-(c)波によるリバウンドは目先的にも終了し、ドル安円高基調が再開する見込みです。25年には139.565円(9/16)を大きく下抜くとみています。

金利差からのドル/円推計値
日米実質金利差からのドル/円推計値は[151.425円]です。

投機筋の円買い持ちが縮小(12月17日時点)
IMM通貨先物市場では、投機筋(非商業部門)の円買い持ちポジションが、前週(20.95億ドル)から4.76億ドルへ縮小しました。
[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】
100.157(9/27安値)からのB波-ⓒ波は、第(v)波によるドル高をやっているところです。第(v)波の起点は105.420(12/6安値)です。
[108.972](Ⓐ波のドル安に対する61.8%戻り水準)が強いレジスタンスになるとみられます。足元、ドル指数はレジスタンスに接近しており、ドル高はいつ終わってもおかしくないでしょう。25年明け早々にも、トレンドが転換するかもしれません。
105.420を下抜くと、C波によるドル安入りの最初の手がかりが得られます。
25年はドル安の年になる可能性が高いでしょう。
ひとたびC波によるドル安となれば、それは25年中に23年安値[99.578]を大きく下回るでしょう。
エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。
本レポートが24年最終号です。今年もご覧頂き誠に有難うございました。
25年初回号は1月7日(火)を予定しております。来年もどうぞ宜しくお願い致します。良い年をお迎えください。(宮田)
■「『大予想』2025年の為替・株」が公開されています。併せてご覧ください。
[日経平均]
【当面の想定レンジ】 34,000~42,000円
[NYダウ]
【当面の想定レンジ】 38,500~44,000ドル
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 18,000~20,200
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~160.000円
[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~109.000
[日経平均]

【週足 エリオット波動分析】
42,426円(7/11高値)以来の第(4)波(インターミディエイト級)中A波は、31,156円(8/5安値)を以て終わったとみられます(4年サイクル底)。
あるいは、8月安値から既に第(5)波の上昇が進行中かもしれません。
どちらの見方によっても、来年の日経平均は42,426円を上抜き、最高値を更新する可能性が高い、と思われます。第(5)波ターゲットとして[4万3000円-4万5000円]を想定しています。
第(5)波上昇を以て、5年間にわたる強気相場(プライマリー第➂波)は完成し(『黄金の3年間』の完結)、以降はプライマリー第➃波による停滞局面に移るでしょう。
日経平均予想EPSは12月26日時点で2466円。今年10月5日の2514円に近づいては離れる、という動きとなっています。今後の動向が引き続き注目されます。

【日足 エリオット波動分析】
(プリファード(優先)カウント)
31,156円(8/5安値)からの、第(4)波中B波によるリバウンドは、40,257円(10/15高値)を以て終了した、とみられます。
12月12日の「アイランド」が暗示していたように、日経平均は短期的な下げ局面に入った、とみられます。25年1月~2月にも35,247円(9/9安値)を下回る可能性があり、それを以て24年8月「一番底」に次ぐ「二番底」示現となるでしょう。
その後、数週間~数カ月間のもみ合いの間に上昇エネルギーを蓄え、日経平均は第(5)波によって、もみ合いから上放れるでしょう。
(オルタナティブ(代替)カウント)
31,156円(8/5安値)は第(4)波の終点底であり、そこから第(5)波による上昇が進行中です。
この見方によると日経平均は「二番底」を付けることなく、じり高基調を続けるでしょう。そんな中、25年の前半にも高値更新がありそうです。

日本株相場の仮需給環境
今回は日本株相場の需給環境(仮需)を確認しておきましょう。
まず足元の裁定買い残(約2.1兆円)は「令和のブラックマンデー」前週以来の高水準です。24年7月上旬の2.68兆円にも近づいていることからみて、今後は裁定買いの上積み余地が限られるとともに、裁定解消売りの圧力は強まることが予想されます。
次に信用買い残について。
24年7月末に約5兆円に膨らんだ買い残は、「令和のブラックマンデー」の急落により1兆円も急減しましたが、足元でもなお約4.3兆円あります。
25年1月10日は、日経平均・TOPIXの24年7月11日高値から6カ月後、(制度)信用取引期日に当たります。年明けの第1週は期日迎えの売りが膨らむ可能性が高い、とみられます。一方、1月中旬以降は需給改善が見込めますので、日経平均の上昇機運が高まることが期待できそうです。

【時間足 エリオット波動分析】
当面の日経平均の見通しは以下の二通りです。
[プリファード(優先)カウント] 35,247円を下回り、「二番底」を形成
7月高値以来の第(4)波は[トライアングル(A-B-C-D-E)]を形成中です。
31,156円(8/5安値)からのB波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)によるリバウンドは40,257円(10/15高値)で終わり、そこからはC波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)による下げが進行中です。
9月と11月の安値同士を通るサポートライン付近から、足元リバウンドが続いています。仮に目先4万円回復があっても、先に書いた需給要因からは「やれやれの売り」が出やすいでしょう。
今後38,555円(12/19安値)を下抜くと、C波による下落基調が鮮明になるでしょう。最終的にC波は35,247円(9/9安値)を下回り、8月安値に次ぐ「二番底」を付けるでしょう。
[オルタナティブ(代替)カウント] 第(5)波は「エンディング・ダイアゴナル」
31,156円(8/5安値)からは第(5)波による上昇であり、そのパターンは波の重複が目立つ「エンディング・ダイアゴナル」です。今後42,426円(7/11高値)を上抜くとTOPIXとの弱気ダイヴァージェンスが解消され、強気モードが戻ってくるでしょう。
[予想PER別の日経平均水準]

[NYダウ]

【日足 エリオット波動分析】
ダウの三指数では高値を付けた順に、輸送株(11月25日)、公共株(11月27日)、そして工業株(12月4日)です。S&P500は12月6日、ナスダック100とナスダック総合指数は12月16日に高値を付けました。
このように指数ごとの高値日にタイムラグがあるとき、相場全体は天井を付けることが珍しくありません。
NYダウは、22年10月安値(28,660ドル)以来の上昇(B)波を45,073ドル(12/4高値)で完成した可能性が高いでしょう。今は(C)波による下落トレンドの序盤に位置付けられます。
(C)波に入っているのであれば、それは先々、22年10月以降で一度もなかった大きなスケールの調整に発展していくでしょう。

【時間足 エリオット波動分析】
米大統領選直後(11月5日~6日)のギャップ(42,258ドル~42,850ドル)は、12月20日安値(42,146ドル)によって埋め戻されました。ギャップ埋めは「トランプ・トレード」終了を証左しています。
足元はマルii波によるリバウンドとみていますが、12月26日高値(43,373ドル)は既に想定レンジ[43,264ドル-43,955ドル](マルi波の38.2%-61.8%戻り)に入りました。マルii波は目先的にも完了しておかしくなく、次はマルiii波による下落局面に移る可能性があります。
マルiii波開始となれば、NYダウは41,647ドル(11/4安値)を早々に下抜き、4万ドル割れを視野に入れるでしょう。
[ナスダック]

【週足 エリオット波動分析】
22年12月安値(10,207)以来の上昇は、➃-(B)波による上昇とカウントされます。それは[不規則天井(イレギュラー・トップ)]であり、パターンは[トリプル・ジグザグ(W-X-Y-X-Z)]です。
プリファード(優先)カウント
20,204(12/16高値)を以て、➃-(B)波は完成し、(C)波による下落入りの可能性を指摘できます。
(C)波は(A)波(21年11月~22年10月、高値から37%調整)と同等か、それ以上のスケールの下げになるでしょう。
オルタナティブ(代替)カウント
22年12月安値からの「五波動」による上昇第➄波は終わった可能性があります。
これによれば25年以降ナスダックは、上記の優先カウントよりも深く長い調整局面を迎えるでしょう。

【時間足 エリオット波動分析】
15,708(8/5安値)からの[ダイアゴナル]による上昇パターンは、20,204(12/16高値)を以て完成したとみられます。上昇の最終局面において、8月-11月の高値を通るレジスタンスラインを上抜きましたが、このスローオーバー(throw-over)は、ナスダックのピークアウトを暗示するものでした。
19,168(12/20安値)からは、マルii波によるリバウンドとみられます。この見方通りなら、マルii波は20,204を上抜くことはなく、いつ次のマルiii波による下落が始まってもおかしくありません。
25年明け早々にも、マルiii波スタートの可能性があり、それは8月安値からのサポートライン(ダイアゴナル下辺)を明確に破ることでしょう。
一方20,204を上抜いた場合は、上記波動カウントを見直さなければなりません。代替カウントは追っておしらせします。
[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。なお24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。
22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。なお➀のもうひとつのパターンとして[ランニング・フラット]もあげられましょう。
➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(↑➀)が強いサポートになるでしょう。
25年1月、➀の水準は135.655円に位置します。
➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(↑➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。25年1月を通じ、➁の水準は116.030円となっています。
なお足元水準は、2011年からの上昇チャネル上限を上回っていますが、このようにドル/円が長期トレンドから上方を逸脱するのは今回3回目です。過去2回のケースでは(円買い介入によって)極端な円安はまもなく修正されており、今回も同様の動きとなるかに注目です。

【週足 エリオット波動分析】
161.938円(7/3)からは、C波によるドル安・円高です。このC波は、三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)で進展していく、と思われます。
12月27日にドル/円は一時5カ月半ぶりとなる158円台に乗せる場面がありました。160円も視野に入る状況ですが、このⓑ波によりドル/円は、7月高値(161.938円)に次ぐ「二番天井」を付けるでしょう。
近々ⓑ波が終了するとともに、ⓒ波のドル安・円高が始まると予想します。
7月高値を上抜いたときの考え方
7月高値(161.938円)を上抜くケースでは、「8年サイクルの延長」の可能性が考慮されます。
8年サイクルは、8年±16カ月(80カ月~112カ月が本来の期間であり、今回のように15年6月から始まった8年サイクルは、本来は24年10月までに完結するべきものです(この点からも24年7月は8年サイクルに相応しいものです)。しかし161.938円を上抜くと─イレギュラーではありますが─8年サイクルの期間は10年(120カ月)まで延長されることでしょう。つまり8年サイクル高値を付けるのは、25年半ばまでのどこか、と想定されます。

【日足 エリオット波動分析】
141.630円(8/5)より、ⓑ波「エクスパンディッド・フラット」が展開しています。
139.565円(9/16)からのⓑ波-(c)波によるリバウンドは目先的にも終了し、ドル安円高基調が再開する見込みです。25年には139.565円(9/16)を大きく下抜くとみています。

金利差からのドル/円推計値
日米実質金利差からのドル/円推計値は[151.425円]です。

投機筋の円買い持ちが縮小(12月17日時点)
IMM通貨先物市場では、投機筋(非商業部門)の円買い持ちポジションが、前週(20.95億ドル)から4.76億ドルへ縮小しました。
[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】
100.157(9/27安値)からのB波-ⓒ波は、第(v)波によるドル高をやっているところです。第(v)波の起点は105.420(12/6安値)です。
[108.972](Ⓐ波のドル安に対する61.8%戻り水準)が強いレジスタンスになるとみられます。足元、ドル指数はレジスタンスに接近しており、ドル高はいつ終わってもおかしくないでしょう。25年明け早々にも、トレンドが転換するかもしれません。
105.420を下抜くと、C波によるドル安入りの最初の手がかりが得られます。
25年はドル安の年になる可能性が高いでしょう。
ひとたびC波によるドル安となれば、それは25年中に23年安値[99.578]を大きく下回るでしょう。
エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
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