マネースクエア マーケット情報

植田日銀総裁の講演に注目!

2024/12/25 08:45

【ポイント】
19日の会合時から植田総裁の発言に変化はみられるか

(欧米市場レビュー)

24日、欧米時間の外為市場では、米ドルが強含み。一時、米ドル/円は157.300円近辺へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.03777ドル、英ポンド/米ドルは1.25200ドル、NZドル/米ドルは0.56250米ドルへと下落しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇したことが、米ドルの支援材料となりました。

東京時間に加藤財務相が足もとの“円安”について「一方的で急激な動きがみられる」、「投機的な動きを含めて為替の動向を憂慮しており、行き過ぎた動きに対しては適切な対応を取っていく」と述べました。加藤財務相は20日にも同様の発言をしており、これらの発言にサプライズはありませんでした。

(本日の相場見通し)

植田日銀総裁が経団連審議員会で本日講演します。

植田総裁は19日の金融政策決定会合の会見で、「来年の春闘のモメンタムなど今後の賃金動向についてもう少し情報が必要」、「米国をはじめとする外国経済の状況が不透明であり、米次期政権の経済政策をめぐる不確実性は大きい」「次の利上げの判断に至るには、もう1ノッチ(段階)ほしい」などと、近い時期の利上げは難しいとの印象を与えるような発言をしました。市場では次回25年1月23-24日の会合での利上げ観測が後退し、会見後に“円安”が進みました。

※19日の植田総裁の会見について詳しくは、20日の『ファンダメ・ポイント』[中央銀行デーの結果:主役は植田総裁!?]をご覧ください。

本日の講演で経済や物価情勢・金融政策の先行きについて言及されるとすれば、19日の会見と同じ内容になるかもしれませんが、発言が変化した場合には市場が反応しそうです。1月会合での利上げ観測が強まるようなら、米ドル/円やクロス円(ユーロ/円や豪ドル/円など)が下押ししそうです。

本日は、多くの国がクリスマスの祝日です(米・英・独・カナダ・豪・NZ・ノルウェー・スウェーデン・メキシコ・南アフリカなど)。参加者が減少して市場の流動性が低下する分、植田総裁の講演に限らず、突発的なニュースや仕掛け的な動きが出てきた場合には、値動きが増幅される可能性があり、注意が必要です。


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八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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