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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※12月17日更新

2024/12/17 10:07

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YouTube 12月16日 エリオットView ["掉尾の一振"は期待薄?日経平均に「離れ小島」]

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 34,000~42,000円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 38,500~45,250ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 18,000~20,100

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~156.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~108.071



[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
42,426円(7/11高値)以来の第(4)波(インターミディエイト級)中A波は、31,156円(8/5安値)を以て終わったとみられます(4年サイクル底)。

あるいは、8月安値からは既に第(5)波の上昇が進行中かもしれません。

どちらの見方によっても、来年の日経平均は42,426円を上抜き、最高値を更新する可能性が高い、と思われます。第(5)波ターゲットとして[4万3000円-4万5000円]を想定しています。

日経平均予想EPSの持ち直し基調は続いています。12月16日には2491円と10月5日の2514円が視野に入っています。今後の動向を引き続き注目しましょう。

【日足 エリオット波動分析】
(プリファード(優先)カウント)
31,156円(8/5安値)からの上昇は、第(4)波中B波によるリバウンドです。それは40,257円(10/15高値)を以て終了した、とみられます。またTOPIXのB波は2787(12/12高値)を以て終了したようです。

12月12日の「アイランド」は、短期的な下落入りを暗示しており、まもなく日経平均は急落入りとなる可能性があります。おそらく年明けにも35,247円(9/9安値)を下回るでしょう。それは8月の「一番底」に次ぐ「二番底」になるでしょう。

その後は数カ月間のもみ合いとなりますが、その間に日経平均は上昇マグマを蓄え、もみ合いを上放れるでしょう。それは第(5)波による、当面最後の上昇トレンドとなります。

(オルタナティブ(代替)カウント)
31,156円(8/5安値)は第(4)波の終点底であり、そこから第(5)波による上昇が進行しています。
この見方によると日経平均は「二番底」を付けることなく、じり高基調を続けるでしょう。そんな中、25年の前半にも高値更新がありそうです。

【時間足 エリオット波動分析】
当面の日経平均の見通しは以下の二通りです。

[プリファード(優先)カウント] 35,247円を下回り、「二番底」を形成
7月高値以来の第(4)波は[トライアングル(A-B-C-D-E)]を形成中です。
31,156円(8/5安値)からのB波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)によるリバウンドは40,257円(10/15高値)で終わり、そこからはC波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)による下げが進行中です。

12月12日にTOPIXは8月以降の戻り高値を更新しましたが、日経平均は10月高値(40,257円)を抜けていません。二つの指数間にみられる弱気ダイヴァージェンスは、比較的大きな下落の可能性が高まっている示唆です。

今後37,801円(11/28安値)を下抜くと、C波による下落基調が鮮明になるでしょう。最終的にC波は35,247円(9/9安値)を下回り、8月安値に次ぐ「二番底」を付けるでしょう。

[オルタナティブ(代替)カウント] 第(5)波は「エンディング・ダイアゴナル」
31,156円(8/5安値)からは第(5)波による上昇であり、そのパターンは波の重複が目立つ「エンディング・ダイアゴナル」です。
今後42,426円(7/11高値)を上抜くとTOPIXとの弱気ダイヴァージェンスが解消され、強気モードが戻ってくるでしょう。

[予想PER別の日経平均水準]



[NYダウ] 

【日足 エリオット波動分析】 
22年10月安値(28,660ドル)以来の上昇(B)波は、[ダブル・ジグザグ(W-X-Y)]により展開しています。
現行Y波を完成したのち、NYダウは(C)波による下落に入っていくでしょう。

12月16日までNYダウは8日続落2018年6月以来最長の続落で、最高値45,073ドル(12/4)から足元までの下げ幅は1400ドルに迫ります。ダウは三指数(工業株、輸送株、公共株)のすべてが足元で一段と下げを拡大しています。

一方ナスダック100、ナスダック総合指数などは最高値を更新しています。

足元の物色の極端な偏りは、全体相場が天井圏にあることの証左といえ、今後の展開をさらに注意深くみていく必要があります

42,938ドル(11/19安値)を下抜くと、4月から続いてきた、高値と安値が共に切り上がるパターン(Higher-Highs, Higher-Lows)が途切れ、トレンド転換が示唆されます。

ひとたび(C)波が始まれば、それは先々、22年10月以降で一度もなかった大きなスケールの調整に発展していくでしょう。

【時間足 エリオット波動分析】 
12月16日には8月安値からのサポートラインを明確に下抜きました
次は42,938ドル(11/19安値)を打診する流れに入った、とみることができます。

さらに、42,938ドル割れによりトレンド転換が示唆され、次は米大統領選での結果を受けて生じた11月5日~6日のギャップ(42,258ドル~42,850ドル)が試されるでしょう。

仮にギャップが埋められると「トランプ・トレード」終了が証左され、より大きな調整に─(C)波の調整に─備える必要があるでしょう。


[ナスダック]

【週足 エリオット波動分析】
22年12月安値(10,207)以来の上昇は、➃-(B)波に位置付けられパターンは[トリプル・ジグザグ(W-X-Y-X-Z)]です。(B)波完成後には(C)波による下落が始まりますが、それは(A)波(21年11月~22年10月、高値から37%調整)と同等か、それ以上のスケールになるでしょう。

プリファード(優先)カウント➀
15,708(8/5安値)から、三番目のジグザグ(ⓐ-ⓑ-ⓒ)が進行中です。
波動構成は既にⓒ波まで進み、22年12月以来の(B)波による上昇は最終局面とみられます。

プリファードカウント➁
(B)波のパターンは[ダブル・ジグザグ]+[ダイアゴナル]。15,708からは[ダイアゴナル]によるZ波であり、それは既に終盤戦です。強気相場の終了が近い、とみられます。

オルタナティブ(代替)カウント
22年12月安値からの「五波動」による上昇第➄波は終わったか、終わりつつあります。
これによれば25年以降ナスダックは、優先カウントよりも深く、長い調整局面を迎えるでしょう。

【時間足 エリオット波動分析】
18,598(11/15安値)からはⓒ波による上昇です。
足元水準は、8月と11月の高値同士を通る上値抵抗線を上抜いています。もっともこの動きは、ダイアゴナル上辺を最終上昇波が上抜く、スローオーバー(throw-over)かもしれません

12月4日に生じたギャップ(19,486-19,575)が埋められると、短期トレンド転換の第一シグナルが点灯します。この場合は1万9000水準を打診するでしょう

もし1万9000(8月安値からのサポートライン水準)を明確に下抜く動きが生じると、トレンド転換の第二シグナルが点灯します。

15,708(8/5安値)からの上昇パターンが[ダイアゴナル]とすれば、18,598(11/15安値)から最終上昇第(v)波であり、それはまもなく終了するでしょう。

今後18,598を下抜くと、ダイアゴナル完成とみることができ、15,708へ向け急落するでしょう。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。なお24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。なお➀のもうひとつのパターンとして[ランニング・フラット]もあげられましょう。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(↑➀)が強いサポートになるでしょう。
12月中、➀の水準は135.400円に位置します。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(↑➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。12月を通じ、➁の水準は115.520円となっています。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(7/3)からは、C波によるドル安・円高です。C波の長さはA波と同等か、フィボナッチ比率関係を反映します。

[137.197円]…A波の長さ(24.741円)=C波の長さ
[131.358円]…A波の長さ×1.236=C波の長さ(30.579円) (※)この時点でドル/円は月足サポート➀を明確に下回り、以下の水準を目指す可能性が高まります。

[127.745円]…A波の長さ×1.382=C波の長さ(34.192円)
[121.907円]…A波の長さ×1.618=C波の長さ(40.030円)

23年後半からのチャートパターンは、140円処をネックラインとする『ヘッド・アンド・ショルダーズ(三尊天井)』とみられます。今後ネックライン割れをきっかけに、ドル安・円高の流れが強まると想定されます。

【日足 エリオット波動分析】 
156.740円(11/15)以来、ⓒ波の下落基調(ドル安円高)が進行中とみられます。
足元は200日MA(152.140円)を上回って推移していますが、リバウンドは近々終わり、ドル安円高基調が再開する見込みです。25年には139.565円(9/16)を大きく下抜くとみています。

【時間足 エリオット波動分析】 
148.621円(12/3)からドル/円は反発していますが、これはⓒ波中第(ⅱ)波による戻りとみられます。
既に第(i)波の61.8%戻り水準を超え、78.6%戻り水準[155.002円]も視野に入っていますが、第(ⅲ)波によるドル安・円高は目先的にも始まっておかしくないでしょう

ひとたび第(iii)波が始まれば、ドル/円は早々に[146.125円](61.8%押し)を打診する可能性が高い、とみています

金利差からのドル/円推計値
日米実質金利差からのドル/円推計値は[148.68円]です。

投機筋の円買い持ちが拡大(12月10日時点)
IMM通貨先物市場では、投機筋(非商業部門)の円買い持ちポジションが、前週(1.9億ドル)から20.95億ドルへ拡大しました。


[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックス(ドル指数)はⒷ波(A-B-C)による下落局面にあります。

23年7月安値(99.578)以来続いてきた、「[フラット](ⓐ-ⓑ-ⓒ)によるB波は、108.071(11/22)を以て完成した可能性が高い、とみています。

例年12月はドル安傾向が強い月として知られ、今年も年末に向けドル安が強まる可能性があります。今年最後のFOMC後の会見(日本時間19日未明)における、パウエルFRB議長からの発言内容が注目されます。

C波によるドル安が始まった、とすれば25年には23年安値[99.578]を大きく下回るでしょう

Ⓑ波は最終的に、[90.930]、[89.209]を試す可能性があります。前者はA波とC波が等しく下がる水準、後者は21年1月に付けた、Ⓐ波のレッサー・ディグリー(4)波安値です。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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