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米経済指標やFRB議長発言で市場の米金融政策見通しに変化は?

2024/12/04 08:55

【ポイント】
・市場では次回FOMCで利下げが行われるとの見方が優勢
・フランスでは内閣不信任案が可決するか

(欧米市場レビュー)

3日、欧米時間の外為市場では、が堅調に推移しました。韓国の尹錫悦大統領が非常戒厳を宣言したことで韓国ウォンが急落するとともに、リスクオフ(リスク回避)の動きが強まりました。このことが円の支援材料となり、一時米ドル/円は148.621円、ユーロ/円は156.149円、豪ドル/円は96.131円、NZドル/円は87.312円へと下落しました。

その後、尹錫悦大統領が非常戒厳を解除すると、リスクオフの動きは後退。円は反落して、米ドル/円やクロス円は下げ幅を縮小しました。

(本日の相場見通し)

本日は、米国の11月ADP雇用統計11月ISM非製造業景況指数が発表され、ベージュブック(米地区連銀経済報告)が公表されます。これらの内容に市場が反応する可能性があります。

市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は次回17-18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で追加利下げを行うとの見方が優勢です。CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む次回FOMCの確率は、0.25%の利下げが7割程度、政策金利の据え置きが3割程度です(日本時間07:50時点)。

ADP雇用統計とISM非製造業景況指数の市場予想は、それぞれ前月比15.0万人増と55.5です。これらの経済指標が市場予想を上回る結果になる、あるいはベージュブックによって次回FOMCにおける利下げ観測が後退する場合、米ドルが堅調に推移する可能性があります。

本日はまた、パウエルFRB議長の発言機会があります。パウエル議長は11月14日の講演で、「必要なら利下げを行う余地がある」としつつも、「米経済は利下げを急ぐ必要があるというシグナルを送っていない」、「米経済の強さによって、われわれは慎重に決定を下すことが可能だ」などと述べ、追加利下げを急ぐ必要はないとの認識を示しました。パウエル議長が次回FOMCにおける政策決定に関してのヒントを示せば、市場が反応しそうです。

***

フランスでは、バルニエ内閣が崩壊の危機に直面しています。早ければ本日にも内閣不信任案の採決が行われるとの報道があります。与党は国民議会(下院)で過半数の議席を確保していないため、不信任案は可決する可能性が高まっているようです。内閣不信任案が可決されるなどフランス政治の混迷が続く場合、ユーロには下押し圧力が加わりやすくなるかもしれません。

3日の『ファンダメ・ポイント』は、[フランス政治の混迷がユーロの重石に]です。

※ユーロ/英ポンドのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ユーロ/英ポンド、中長期スパンでは上値の重い相場付き]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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