【PM】NZ中銀が利下げしたものの、NZドルは堅調
2024/11/27 16:00
【ポイント】
・より大幅な0.75%利下げするとの見方も市場の一部にはあった
・NZ中銀総裁は2月の会合でも0.50%利下げする可能性に言及
RBNZ(NZ中銀)は本日政策会合を開き、0.50%の利下げを行うことを決定。政策金利を4.75%から4.25%へと引き下げました。利下げは3会合連続です。
政策会合の結果を受けてNZドルが堅調に推移し、豪ドル/NZドルは一時1.10119NZドルへと下落しました。市場の一部にはより大幅な0.75%の利下げが行われるとの見方もあったためと考えられます。また、RBNZの政策金利見通しによってRBNZは今後の利下げペース鈍化を想定していると市場は見なしたのかもしれません(*政策金利見通しについては後述)。
会合の結果発表から1時間後、オアRBNZ総裁の会見が行われました。オア総裁が次回25年2月の会合でも0.50%利下げする可能性を示したことで、NZドルは上げ幅を縮小。豪ドル/NZドルは1.10500NZドル近辺へと反発する場面がありました。
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RBNZの声明や会合の議事要旨では「経済状況が予測通りに推移し続ければ、25年初めに政策金利をさらに引き下げることができると予想している」とされ、追加利下げが示唆されました。
声明や議事要旨ではその他にもハト派的な見解が目立ちました。
<声明>
・「NZの経済活動は依然として低調」
・「経済の過剰生産能力によってインフレ圧力は緩和」
・「雇用の伸びは25年半ばまで軟調な状態が続くと予想される」
<議事要旨>
・NZの内需やインフレ期待、企業の価格設定行動、経済の余剰生産能力などは「金融政策の抑制度合いを一段と緩和するための背景と確信をRBNZにもたらしている」
・「経済には依然としてかなりの余剰生産能力が残っている」
・「失業率は短期的に上昇を続けると予想される」
・「残存しているインフレ圧力は緩和すると確信している」
RBNZは四半期に1度の政策金利見通しを公表。政策金利は四半期平均で25年1-3月期に4.07%、4-6月期に3.83%、7-9月期に3.68%、10-12月期に3.55%との見通しを示しました。本日の利下げによってRBNZの政策金利は4.25%になりました。RBNZは10月・11月と2会合連続で0.50%の利下げを実施しましたが、今後の利下げペースは鈍化するとの見方もできます。
オアRBNZ総裁は会見で「(RBNZの)見通しが利下げペースの鈍化を示しているというのは誤解だ」、「見通しは、経済状況次第で25年2月に0.50%利下げするというのと整合的だ」などと強調。次回25年2月19日の会合でも0.50%利下げする可能性があることを示しました。
オア総裁によると、本日の会合では0.75%の利下げは検討されなかったようです(0.25%の利下げも検討されませんでした)。オア総裁はまた、「中立金利(景気を過熱も冷やしもしない政策金利の水準)は、2.5~3.5%の範囲内」との認識を示しました。仮にRBNZが今後、政策金利を中立金利の中間値である3%まで引き下げるとすれば、追加の利下げ余地は1.25%と考えることもできそうです。
米国のトランプ次期大統領は関税を強化する意向を示しています。このことについてオア総裁は世界的に物価上昇圧力が加わる可能性があるとしつつも、米国の関税によって近い将来に利上げする可能性を否定しました。
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