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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※11月26日更新

2024/11/26 10:00

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YouTube 「エリオットView」11月25日[油断大敵、米株相場 どうなる日経平均]

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 34,000~42,000円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 38,500~45,250ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 18,000~19,500

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~157.600円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~108.071



[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
42,426円(7/11高値)以来の第(4)波(インターミディエイト級)中A波は、31,156円(8/5安値)を以て終わったとみられます。それは20年3月以来の4年サイクル底に相当します。あるいは、8月から第(5)波の上昇に既に入ったかもしれません。
日経平均は、来年42,426円を上抜き最高値を更新する可能性が高い、とみています。

もっとも日経平均予想EPSは、2514円(10/5)で頭打ちとなっています。11月25日は2463円と持ち直しの動きもみられますが、今後はどうでしょうか。この先製造業を中心に業績見通しに陰りが生じると、第(5)波は4万5000円に届かないでしょう

第(5)波の終点高値は、最短ですと2025年2月頃(節分天井)に付けてしまうでしょう。

【日足 エリオット波動分析】
31,156円(8/5安値)からのリバウンド[第(4)波中B波]は40,257円(10/15高値)を以て終了した、とみられます。40,257円(10/15高値)を頂点とする[ヘッド・アンド・ショルダーズ]は、戻り高値を付けた可能性を示唆しています。

この見方に基づくと、日経平均はまもなく急落開始となり、年末から年明けにも35,247円(9/9安値)を下回るでしょう。それは8月の「一番底」に次ぐ「二番底」になるでしょう

(オルタナティブ・カウント)
31,156円(8/5安値)は第(4)波の終点底であり、そこから第(5)波による上昇が進行しています。
この見方が正しければ、日経平均は「二番底」を付けず、じり高基調を続けるでしょう。そんな中、年末から年明けにも最高値を更新するでしょう

【時間足 エリオット波動分析】
当面の日経平均の見通しは以下の二通りです。

[メインシナリオ] 35,247円を下回り、「二番底」を形成
7月高値以来の第(4)波は[トライアングル(A-B-C-D-E)]を形成中です。
31,156円(8/5安値)からのB波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)によるリバウンドは40,257円(10/15高値)で終わり、そこからはC波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)による下げが進行中です。

37,651円(10/2安値)を下抜くと、ネックラインからの下放れ開始が確認され、C波による下落基調は鮮明になりそうです。最終的にC波は35,247円(9/9安値)を下回り、8月安値に次ぐ「二番底」を付けるでしょう。

「二番底」の水準については、フィボナッチ比率から以下の水準に注目できます。

[34,632円]…B波の上昇に対し61.8%押し水準
[33,304円~33,103円]…同76.4%~78.6%押し水準

[サブシナリオ] 第(5)波は「エンディング・ダイアゴナル」
31,156円(8/5安値)からは第(5)波による上昇であり、そのパターンは波の重複が目立つ「エンディング・ダイアゴナル」です。
37,954円(11/21安値)からは、(5)波-3波の上昇に入った可能性があります。39,884円(40,257円(11/7高値)を上抜くと、9月以降のトライアングルから上放れ開始となり、42,426円(7/11高値)を試す強気の展開になりそうです。

[予想PER別の日経平均水準]



[NYダウ] 

【日足 エリオット波動分析】 
22年10月安値(28,660ドル)以来の上昇(B)波は、[ダブル・ジグザグ(W-X-Y)]により展開しています。そのうち38,499ドル(8/5安値)を起点とする上昇は、Y波(ジグザグ)に相当します。

11月25日、NYダウは最高値を更新しました(一時44,815ドルまで上昇)。

長期的なチャネルラインをみると、[4万6000ドル]付近に重要なチャート節目が存在しています。実際にそこまで上がるかはわかりませんが、さらなる上昇がある場合の目安として注目です。

なおこのY波を終了すると、NYダウは(C)波による下落に入っていくでしょう。(C)波は22年10月以降で一度もなかった、最大スケールの調整になるでしょう。


【時間足 エリオット波動分析】 
38,499ドル(8/5安値)から43,325ドル(10/18高値)までは(a)波による上昇、そこから41,647ドル(11/5安値)までの下げは(b)波。そして、足元は(c)波による上昇とみられます。

(c)波は(a)波と同じように五波構成(ⅰ波~v波)になるとみています。そのうち、42,938ドル(11/19安値)からの上昇は第ⅲ波に位置付けられます

ちなみに、先述した4万6000ドルより下位のチャート節目は[45,244ドル]です。これは22年1月からの(A)波下落と、22年10月からの(B)波上昇が、1:2になる水準です。

なお、上記強気見通し継続のためには、米大統領選での結果を受けて生じた11月5日~6日のギャップ(42,258ドル~42,850ドル)を埋めないことが最低条件です。

仮にギャップが埋められると「トランプ・トレード」終了が証左され、より大きな調整に─(C)波の調整に─備える必要があるでしょう。


[ナスダック]

【週足 エリオット波動分析】
22年12月安値(10,207)以来、(B)波による上昇が進行中です。この(B)波は[トリプル・ジグザグ(W-X-Y-X-Z)]を形成し、25年まで続くと思われます。

プリファード(優先)カウント
15,708(8/5安値)から、三番目のジグザグ(ⓐ-ⓑ-ⓒ)が進行中です。今のところはⓐ波の終盤とみられ、近いうちにⓑ波の調整が起きるでしょう(既にⓑ波入りかもしれません)。ⓑ波を完了するとⓒ波の上昇に入りますが、それを以て22年12月を起点とする、(B)波による上昇はすべて完了します。

オルタナティブ(代替)カウント
22年12月安値からの「五波動」による上昇第➄波は終わったか、終わりつつあります。
これによれば25年以降ナスダックは、優先カウントよりも深く、長い調整局面を迎えるでしょう。

機関投資家の現金比率が4%割れ(売りシグナル)
米バンク・オブ・アメリカの10月の機関投資家調査によると、運用資産における現金比率は3.9%と21年2月以来の低水準となりました。これは投資家が積極的にリスクを取っている表れですが、現金比率の大小は逆張り指標であり、経験則では現金比率4%割れが「売りシグナル」とされます。ちなみに今回とは真逆のケース、例えば現金比率が21年ぶりの高さだった22年10月などは、実は買いの好機だったことがわかります。


【時間足 エリオット波動分析】
15,708(8/5安値)からのⓐ波による上昇は、19,366(11/11高値)を以て終了したとみられます。そこからはⓑ波による下げが始まったとみられます

19,366(11/11安値)からの戻りは鈍く、チョッピー(choppy)なパターンです。これは足元のNYダウの上昇(インパルシヴな急上昇)とは大きく異なる点です。18,598(11/15安値)を下抜くことをきっかけに、ⓑ波の下げが再開するでしょう

ⓑ波の下値メドは1万8000処です。この付近には、ⓐ波のレッサーディグリー第(ⅳ)波安値[18,083]、8月22日の高値[18,017]、8月からの上昇の38.2%押し水準[17,970]などが集中しています。

1万8000処を明確に下抜くと、8月からの上昇に対し50%-61.8%押し[17,539-17,108]へ下振れしそうです。

なお11月高値からの下降波が五波構成(インパルス)となり、さらに1万7000処を下抜くようなら、より大きなスケールの調整が進行中とみるべきでしょう(週足分析でのオルタナティブ・カウントを参照)。
この場合、8月からの上昇第(5)波が19,366を以て終了し、当面15,708(8/5安値)を試す展開となりそうです。



[米ドル/円]


【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からはⓍ波の「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成していくでしょう。161.938円(7/3)は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。なお➀のもうひとつのパターンとして[ランニング・フラット]もあげられましょう。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(↑➀)が強いサポートになるでしょう。
11月中、➀の水準は135.145円に位置します。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(↑➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。11月を通じ、➁の水準は115.520円となっています。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(7/3)からは、C波によるドル安・円高です。C波の長さはA波と同等か、フィボナッチ比率関係を反映します。

[137.197円]…A波の長さ(24.741円)=C波の長さ
[131.358円]…A波の長さ×1.236=C波の長さ(30.579円) (※)この時点でドル/円は月足サポート➀を明確に下回り、以下の水準を目指す可能性が高まります。

[127.745円]…A波の長さ×1.382=C波の長さ(34.192円)
[121.907円]…A波の長さ×1.618=C波の長さ(40.030円)

23年後半からのパターンが、140円処をネックラインとする『ヘッド・アンド・ショルダーズ(三尊天井)』だとすると、天井パターンにおける右肩トップ示現後、ドル/円は下落に転じるでしょう。さらにはネックライン割れをきっかけに、ドル安・円高の流れが強まると想定されます。

足元のドル/円上昇は、C波中ⓐ波、あるいはC波中マルⅱ波に当たります。いずれのカウントを採用しても、近く始まるドル安円高(ⓒ波or マルⅲ波)は、波3に相応しく、速く・大きなものになるでしょう

【時間足 エリオット波動分析】 
141.630円(8/5)からはⓑ波によるリバウンドであり、そのパターンは「エクスパンディッド・フラット」(a)-(b)-(c)とみられます。139.565円(9/16)からはⓑ-(c)波に相当します。

直近の156.740円(11/15)は、以下のチャート節目に近く、リバウンドは終わったか、終わりつつあります。

[156.657円-157.150円]…7月から9月までのドル/円下落に対する76.4%-78.6戻り水準
[157.145円-157.592円]…7月から8月までのドル/円下落・ⓐ波に対する76.4%-78.6%戻り水準

151.216円(11/6)を下抜くと─このとき26週MAも同時に下抜くことでしょう─ドル/円が下落基調へ転換した、最初のシグナルが点灯します。

金利差からのドル/円推計値
日米実質金利差からのドル/円推計値は[146.59円]。この推計値に比べ、ドル/円の水準はかい離しています。このような状況は長く続かず、近いうちにかい離は縮小に向かうと思われます。

投機筋の円売り持ち高は3週ぶり縮小(11月19日時点)
IMM通貨先物市場では、投機筋(非商業部門)による円売り持ちが、前週の52.5億ドル(3カ月半ぶりの大きさ)から37.9億ドルへ減少しました。円売り持ち縮小は3週ぶりです。

投機筋にとってのドル/円売買基準である、26週MA(151.30円)を維持する限りは円売り基調に変化はなさそうです。一方26週MAが破られてからは、円買い基調が強まるでしょう。



[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックス(ドル指数)はⒷ波(A-B-C)による下落局面にあります。

23年7月安値(99.578)からはB波によるリバウンドであり、それは「[フラット](ⓐ-ⓑ-ⓒ)とみられます。そして、9月安値(100.157)以来のドル高はB-ⓒ波に当たり、これを以てB波全体が完成します。

11月22日には一時108.071まで上昇し1年ぶり高値を更新しましたが、それは[107.927] (ⓐ波とⓒ波が等しく上がるN計算値)を満たしています。さらにその直後、ドル指数は急反落している点が注目されます。9月からのドル高(B波)は終了し、ドル安(C波)が始まったかもしれません

一方、9月からのドル高継続の場合は、[108.972](22年からのドル安に対する61.8%戻り)を試すでしょう

ドル高は終わったか終わりつつあり、ひとたびC波によるドル安が始まれば、25年には23年安値[99.578]を大きく下回るでしょう

Ⓑ波は最終的に、[90.930]、[89.209]を試す可能性があります。前者はA波とC波が等しく下がる水準、後者は21年1月に付けた、Ⓐ波のレッサー・ディグリー(4)波安値です。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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