米ドル/円下落、日銀の利上げ観測高まる!?
2024/11/18 06:47
【ポイント】
・米ドル/円は一時153円台へ下落
・株安(=トランプ・トレードの一服)が背景か
・日銀の利上げ観測が一段と高まるかにも要注目!
(欧米市場レビュー)
15日の欧米時間の外為市場では、米ドル/円が大幅に下落し、一時153.853円をつけました。米ドル/円は東京時間に一時156.740円をつけましたが、欧州時間が始まるとジリジリと値を下げ、米国時間に一段と下落しました。
前日比でみてNYダウが0.70%、S&P500が1.32%、ナスダック100が2.40%それぞれ下落。大統領選挙後に好調だったトランプ・トレードが一部巻き戻った格好で、米ドル/円にもその影響が出ました。
円は米ドル以外の通貨に対しても堅調でした。前日までの円安を受けて日本の長期金利(10年物国債利回り)がジリジリと上昇しており、15日には一時1.086%をつけました。背景に日銀の利上げ観測の高まりがあります。15日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は12月19日の会合での0.25%利上げを5割強(54%)織り込んでいます。利上げ確率は25年1月の会合まででは8割強(83%)です。
米ドル/カナダは1.41019カナダドルと、20年5月以来の高値を更新。英ポンド/米ドルは1.25932ドルと、今年5月以来の安値を更新しました。米経済指標の堅調に加えて、カナダドルには原油安、英ポンドには9月鉱工業生産や7-9月期GDPなど英経済指標の軟調が重石となりました。
米国の10月小売売上高は前月比0.4%と市場予想(0.3%)を上回りました。9月分は当初発表の0.4%から0.8%に上方修正されました。また、11月のNY連銀製造業景況指数は31.2と、9月のマイナス11.9から大幅上昇、21年12月以来の高水準でした。
アトランタ連銀GDPNow(短期予測モデル)によれば、15日時点で10-12月期GDPは前期比年率2.5%と予測。投入データはまだ少ないものの、景気堅調が続いているようです。
(本日の相場見通し)
先週末の米主要株価指数の下落が本日の日経平均や欧米株価に波及するか。波及するようであれば、トランプ・トレードの巻き戻しが継続中と判断され、米ドル/円にも引き続き下落圧力が加わりそうです。逆に、株価が堅調に推移すれば、株高のスピード調整だったと判断され、米ドル/円は反発するかもしれません。ただし、米ドル/円が目立って反発するようだと、本邦当局の為替介入に対する警戒感が強まる可能性があります。
日本の長期金利の動向にも注目でしょう。長期金利は今年7月につけた約14年ぶりの高値(1.108%)に接近しており、それを超えて上昇するでしょうか。12月18-19日の日銀金融政策決定会合に向けて利上げ観測がジリジリと高まっており、長期金利上昇の背景になっています。
日銀の植田総裁は本日午前10時過ぎに名古屋で、経済界代表者との懇談における挨拶を行う予定。その後に記者会見もあるようです(時間未定)。植田総裁は12月会合に関して何らかの発言をするでしょうか。足もとの為替相場や長期金利に関してコメントするかどうかも興味深いところです(植田総裁は21日にも講演の予定があります)。
G20サミットが18-19日の日程でブラジルのリオデジャネイロで開催されます。主要テーマは、飢餓・貧困・格差との戦い、気候変動など。地政学リスクに関わる議論もなされるでしょう。石破首相も参加しますが、残念ながら帰路でのトランプ次期大統領との会見はかなわなかったようです。
・米ドル/円は一時153円台へ下落
・株安(=トランプ・トレードの一服)が背景か
・日銀の利上げ観測が一段と高まるかにも要注目!
(欧米市場レビュー)
15日の欧米時間の外為市場では、米ドル/円が大幅に下落し、一時153.853円をつけました。米ドル/円は東京時間に一時156.740円をつけましたが、欧州時間が始まるとジリジリと値を下げ、米国時間に一段と下落しました。
前日比でみてNYダウが0.70%、S&P500が1.32%、ナスダック100が2.40%それぞれ下落。大統領選挙後に好調だったトランプ・トレードが一部巻き戻った格好で、米ドル/円にもその影響が出ました。
円は米ドル以外の通貨に対しても堅調でした。前日までの円安を受けて日本の長期金利(10年物国債利回り)がジリジリと上昇しており、15日には一時1.086%をつけました。背景に日銀の利上げ観測の高まりがあります。15日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は12月19日の会合での0.25%利上げを5割強(54%)織り込んでいます。利上げ確率は25年1月の会合まででは8割強(83%)です。
米ドル/カナダは1.41019カナダドルと、20年5月以来の高値を更新。英ポンド/米ドルは1.25932ドルと、今年5月以来の安値を更新しました。米経済指標の堅調に加えて、カナダドルには原油安、英ポンドには9月鉱工業生産や7-9月期GDPなど英経済指標の軟調が重石となりました。
米国の10月小売売上高は前月比0.4%と市場予想(0.3%)を上回りました。9月分は当初発表の0.4%から0.8%に上方修正されました。また、11月のNY連銀製造業景況指数は31.2と、9月のマイナス11.9から大幅上昇、21年12月以来の高水準でした。
アトランタ連銀GDPNow(短期予測モデル)によれば、15日時点で10-12月期GDPは前期比年率2.5%と予測。投入データはまだ少ないものの、景気堅調が続いているようです。
(本日の相場見通し)
先週末の米主要株価指数の下落が本日の日経平均や欧米株価に波及するか。波及するようであれば、トランプ・トレードの巻き戻しが継続中と判断され、米ドル/円にも引き続き下落圧力が加わりそうです。逆に、株価が堅調に推移すれば、株高のスピード調整だったと判断され、米ドル/円は反発するかもしれません。ただし、米ドル/円が目立って反発するようだと、本邦当局の為替介入に対する警戒感が強まる可能性があります。
日本の長期金利の動向にも注目でしょう。長期金利は今年7月につけた約14年ぶりの高値(1.108%)に接近しており、それを超えて上昇するでしょうか。12月18-19日の日銀金融政策決定会合に向けて利上げ観測がジリジリと高まっており、長期金利上昇の背景になっています。
日銀の植田総裁は本日午前10時過ぎに名古屋で、経済界代表者との懇談における挨拶を行う予定。その後に記者会見もあるようです(時間未定)。植田総裁は12月会合に関して何らかの発言をするでしょうか。足もとの為替相場や長期金利に関してコメントするかどうかも興味深いところです(植田総裁は21日にも講演の予定があります)。
G20サミットが18-19日の日程でブラジルのリオデジャネイロで開催されます。主要テーマは、飢餓・貧困・格差との戦い、気候変動など。地政学リスクに関わる議論もなされるでしょう。石破首相も参加しますが、残念ながら帰路でのトランプ次期大統領との会見はかなわなかったようです。
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