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【株価指数】トランプ氏勝利で盛り上がり、今後は政策を吟味か

2024/11/11 08:04

【ポイント】
・トランプ氏勝利で「トランプ・トレード」が活発化
・米主要株価指数は高値を更新
・トランプ次期大統領の公約は実現するか

先週(11/4- )のレビュー

米大統領選でトランプ氏が勝利したことで、「トランプ・トレード」が盛り上がりました。NYダウS&P500ナスダック100は連日高値を更新。一方で、日経平均は当初に上昇したものの、週後半にはやや失速。FTSE100は週を通して軟調でした。

日本時間の6日にトランプ氏優勢が伝わると、米ドル/円が大幅に上昇し、日経平均も上昇。その後にトランプ氏勝利が報じられると、米主要株価は軒並み高値を更新してその後も堅調に推移しました。

一方で、日経平均は米ドル/円の反落や「トランプ政権」の関税引き上げに対する懸念などから、週後半に軟調となりました。FTSE100は「トランプ政権」誕生の不透明感に加えて、英労働党政権の予算案に対する懸念や、BOE(英中銀)の利下げ観測後退などを材料に軟調に推移しました。

7日のBOEの金融政策会合では0.25%の利下げが実施されたものの、労働党政権の予算案が物価を押し上げるとして、追加利下げには慎重な姿勢が示されました。一方、米FOMC(公開市場委員会)は0.25%の利下げを行い、利下げの継続を示唆。そのことや急騰していた米長期金利(10年物国債利回り)が週末にかけて反落したことも、米主要株価の高値更新を支援しました。


今週(11/11- )の注目材料

今週は、米国のCPI小売売上高などが発表されて、足もとの経済情勢をチェックすることになりそうです。また、日本と英国のGDPも発表されます。それらを受けて主要中銀の金融政策見通しに変化が生じるかもしれません。その他では、BOM(メキシコ中銀)の政策会合もあります。

もっとも、市場が最も注目するのはトランプ次期大統領の動向かもしれません。トランプ氏の選挙公約のなかで、何がどんなタイミングで実現するのか、それらがどんな経済効果をもたらすのかを見極めることが重要な相場材料になるかもしれません。とりわけ、トランプ次期大統領が前回就任時(17~20年)と同様にSNSなどで頻繁にメッセージを発信すれば、市場はそれらに対して一喜一憂しそうです。

4日は米国がベテランズデー(退役軍人の日)、カナダがリメンバランスデー(戦没者記念日)で祝日ですが、株式市場は開いています。

決算発表では、日本のソフトバンク東京エレクトロン(12日)3メガバンクや米ディズニー(14日)、中国のテンセント(13日)やアリババ(14日)などがあります。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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