米FOMCは「ハト派」的利下げ、英MPCは「タカ派」的利下げ⁉
2024/11/08 06:28
【ポイント】
・米FOMC、BOE(英中銀)のMPCはともに0.25%の利下げを決定
・「トランプ政権」の政策が不透明ながら、FOMCは利下げを続ける意向!?
・MPCは労働党政権の予算案がインフレ的とやや警戒か
・市場のメインシナリオは、FOMCが12月利下げ、MPCが同据え置き!?
米FOMC、英MPCともに0.25%の利下げを決定しました。ただ、市場はFOMCの決定(+議長会見)をやや「ハト派」的、MPCの決定(+総裁会見)をやや「タカ派」的と判断したようです。
OIS(翌日物金利スワップ)に基づけば(日本時間8日06:30時点)、市場が織り込む確率は、12月FOMCの利下げが6割弱、同MPCの利下げは2割強です。また、25年9月まででは、FOMCの利下げが0.25%×3.1回分、MPCの利下げが0.25%×2.7回分織り込まれています。
*******
米FOMC(連邦公開市場委員会)は、全会一致で0.25%の利下げを決定。政策金利を4.50-4.75%としました。
声明文では、前回9月に追加された「インフレ率が2%に向かっていることにさらに大きな自信を得た」との一文が削除されました。また、利下げを決定した理由は、前回の「インフレの進展とリスクのバランスに照らして」から、今回は単に「(雇用と物価の)目標達成を支援するため」となりました。
パウエル議長の会見で興味深かった点は以下。
声明文で「・・さらに大きな自信を得た」との一文が削除された理由について、議長は「利下げ開始に伴う文言だったからだ」と説明しました。3週間後に公表される議事録によって、さらに詳しい背景が分かるかもしれません。
議長は、インフレ目標に向かって「大いに前進した」とし、「(政策金利の)中立水準に向かう軌道に乗っている」と述べました。ゆっくりと着実に利下げを続ける意向なのでしょう。
ただ、新政権の政策に関する不透明感が強いこともあって、議長は「今は明確なフォワードガイダンスを示すのに適切ではない」とも述べました。
議長は、大統領選挙の結果は目先の金融政策に影響しないと明言。新政権の財政政策についても、「推測はしない、分からない」と回答。財政政策が法制化されたら、金融政策の判断材料になるとしました。
また、議長は「大統領に求められても辞任することはない」と明言、解任(や降格)は法で認められていないと指摘しました。
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英BOEのMPC(金融政策委員会)は0.25%の利下げを実施し、政策金利を4.75%としました。8月に続く利下げ(9月は据え置き)で、票決は8対1。タカ派とされるマン委員が据え置きを主張しました。
声明では、「インフレを目標近辺で維持するため、急激や大幅な利下げはできない」とする一方で、「経済が見通し通りに推移するなら、政策金利は緩やかに低下し続ける公算が大きい」と表明されました。
MPCは10月30日に発表された労働党政権の予算案がCPIを0.5%押し上げると分析。市場がMPCの決定を「タカ派」的と解釈したことから、予算発表後にインフレ懸念(+米長期金利の上昇)により上昇していた長期金利は低下しました。
なお、MPCの採決は6日の米大統領選の大勢判明直後に実施されました。ベイリー総裁はそれについて質問され、「米国の政策見通しに反応するつもりはない」と明言しました。
・米FOMC、BOE(英中銀)のMPCはともに0.25%の利下げを決定
・「トランプ政権」の政策が不透明ながら、FOMCは利下げを続ける意向!?
・MPCは労働党政権の予算案がインフレ的とやや警戒か
・市場のメインシナリオは、FOMCが12月利下げ、MPCが同据え置き!?
米FOMC、英MPCともに0.25%の利下げを決定しました。ただ、市場はFOMCの決定(+議長会見)をやや「ハト派」的、MPCの決定(+総裁会見)をやや「タカ派」的と判断したようです。
OIS(翌日物金利スワップ)に基づけば(日本時間8日06:30時点)、市場が織り込む確率は、12月FOMCの利下げが6割弱、同MPCの利下げは2割強です。また、25年9月まででは、FOMCの利下げが0.25%×3.1回分、MPCの利下げが0.25%×2.7回分織り込まれています。
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米FOMC(連邦公開市場委員会)は、全会一致で0.25%の利下げを決定。政策金利を4.50-4.75%としました。
声明文では、前回9月に追加された「インフレ率が2%に向かっていることにさらに大きな自信を得た」との一文が削除されました。また、利下げを決定した理由は、前回の「インフレの進展とリスクのバランスに照らして」から、今回は単に「(雇用と物価の)目標達成を支援するため」となりました。
パウエル議長の会見で興味深かった点は以下。
声明文で「・・さらに大きな自信を得た」との一文が削除された理由について、議長は「利下げ開始に伴う文言だったからだ」と説明しました。3週間後に公表される議事録によって、さらに詳しい背景が分かるかもしれません。
議長は、インフレ目標に向かって「大いに前進した」とし、「(政策金利の)中立水準に向かう軌道に乗っている」と述べました。ゆっくりと着実に利下げを続ける意向なのでしょう。
ただ、新政権の政策に関する不透明感が強いこともあって、議長は「今は明確なフォワードガイダンスを示すのに適切ではない」とも述べました。
議長は、大統領選挙の結果は目先の金融政策に影響しないと明言。新政権の財政政策についても、「推測はしない、分からない」と回答。財政政策が法制化されたら、金融政策の判断材料になるとしました。
また、議長は「大統領に求められても辞任することはない」と明言、解任(や降格)は法で認められていないと指摘しました。
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英BOEのMPC(金融政策委員会)は0.25%の利下げを実施し、政策金利を4.75%としました。8月に続く利下げ(9月は据え置き)で、票決は8対1。タカ派とされるマン委員が据え置きを主張しました。
声明では、「インフレを目標近辺で維持するため、急激や大幅な利下げはできない」とする一方で、「経済が見通し通りに推移するなら、政策金利は緩やかに低下し続ける公算が大きい」と表明されました。
MPCは10月30日に発表された労働党政権の予算案がCPIを0.5%押し上げると分析。市場がMPCの決定を「タカ派」的と解釈したことから、予算発表後にインフレ懸念(+米長期金利の上昇)により上昇していた長期金利は低下しました。
なお、MPCの採決は6日の米大統領選の大勢判明直後に実施されました。ベイリー総裁はそれについて質問され、「米国の政策見通しに反応するつもりはない」と明言しました。
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