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NOK/SEK:金融政策会合と原油価格

2024/11/06 06:54

※米大統領選挙に関するWEBセミナー(YouTube)については、11月2日開催の『識者に問う“新大統領決定後の世界経済のゆくえ”』をご視聴ください。

【ポイント】

・スウェーデン中銀は大幅利下げへ、ノルウェー中銀は据え置き予想
・NOK/SEKの短期の動きは原油価格に影響を受けやすい
・市場のリスクオフが強まれば、NOK/SEKの変動も大きくなるかも

リクスバンク(スウェーデン中銀)とノルウェー銀行(中銀)の政策会合の結果が11月7日に判明します(前者が日本時間17:30、後者が同18:00)。そのため、金融政策の差が意識されやすい状況となりそうです。

NOKSEK 政策金利差

リクスバンクは今年5月、8月、9月と計0.75%の利下げを実施済み。9月の声明では、「年内残り2回の会合(=11月と12月)のいずれも利下げを行う可能性があり、そのうち1回は0.50%になるかもしれない」とし、積極的に利下げを続ける意向です。市場は今回、0.25%利下げより0.50%利下げの可能性が高いとみています。一方、ノルウェー銀行は今年に入って政策金利を4.50%に維持。当面政策変更は行わない見通しです。5日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む利下げの確率が5割を超える(=メインシナリオ)のは25年3月(約9割)。

NOKSEK OIS

また、Bloombergが集計した市場予想によれば、両者の政策金利差は25年1-3月期に1.85%まで拡大してピークを迎えるとのこと。金融政策見通しの差は、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナ(以下、NOK/SEK)の上昇要因と判断できそうです。ただし、金融政策見通しの差は既に相当に相場に織り込まれている可能性があります。

NOKSEK 政策金利見通し

NOK/SEK原油価格にも影響を受けます。ノルウェーは北海油田を持つため、原油価格の上昇はNOKの上昇要因です。最近の傾向としては、政策金利差よりもWTIの動きの方がNOK/SEKの動きを上手く説明しているようにもみえます。中東情勢と原油価格の動向に要注意かもしれません。

NOKSEK 原油価格

なお、NOK/SEKAUD/NZDEUR/GBPなどと同様に、米大統領選挙の結果から直接的な影響を受けにくいとみられます。ただし、NOKSEKも流動性はあまり高くないために、大統領選挙の結果を受けて(大幅な株安など)市場のリスクオフが強まるケースでは変動が大きくなる可能性はあります(過去の事例では、強いリスクオフでNOK高になった場面もSEK高になった場面もあったため、判断に難しいところでしょう)。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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