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豪ドル:RBAは政策金利を据え置きへ!?

2024/11/05 08:45

【ポイント】
RBA(豪中銀)のタカ派的な金融政策スタンスが変化するか

(欧米市場レビュー)

4日、欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は151.498円、米ドル/カナダドルは1.38710カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.09090ドルへと下落しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が低下したことが、米ドルの重石となりました。

(本日の相場見通し)

本日は、RBA(豪中銀)の政策会合が開かれます。会合の結果は日本時間12時30分に発表され、13時30分からブロック総裁が会見します。それらに豪ドルが反応しそうです。

RBAは23年11月に0.25%の利上げを行った後、前回9月の会合まで7回連続で政策金利を4.35%に据え置きました。

豪州の7-9月期CPI(消費者物価指数)は前年比2.8%と、上昇率は4-6月期の3.8%から鈍化し、RBAのインフレ目標レンジである2~3%に戻りました。ただ、7-9月期の上昇率鈍化は豪政府による電力料金への補助金の影響が大きいうえ、変動の大きい項目を除外したCPIトリム平均値は前年比3.5%と、RBAの目標レンジを引き続き上回りました。政策金利は今回も据え置かれそうです。

その通りの結果になれば、RBAの声明やブロック総裁の会見が材料になりそうです。声明や総裁会見における注目点は、RBAのタカ派的な金融政策スタンスが変化するかどうかです。

前回9月23-24日の会合時は以下などの認識が示されました。

<声明>
・「基調インフレ率(CPIトリム平均値)は依然として高過ぎる」
・「インフレの上振れリスクに引き続き警戒する必要がある」
・「(先行きの金融政策について)何も決定しておらず、何も排除していない」
・「インフレ率が目標レンジに向かって持続的に鈍化しているとの確信が得られるまで、政策は十分に(景気)抑制的である必要がある」

<総裁会見>
・「データ次第で(利上げと利下げの)いずれの方向にも対応する用意がある」
・「(9月の)会合では、利上げは明確には検討しなかった」
・「利下げは短期的には見込んでいない」

市場では、RBAは早ければ25年2月に利下げを行うとの観測があります(次回12月9-10日の会合については政策金利の据え置きを予想)。RBAのタカ派的な金融政策スタンスに変化がないなど声明や総裁会見が利下げ観測を後退させる内容になれば、豪ドルにとってプラスになりそう。豪ドル/円や豪ドル/NZドルは上値を試す展開になる可能性があります。

※豪ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[豪ドル/円、“嵐の前の静けさ”?]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

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米国の10月ISM非製造業景況指数が本日発表されます(日本時間24:00)。ISM非製造業景況指数の市場予想は53.8と、9月の54.9から低下するものの、業況判断の分かれ目である50は4カ月連続で上回るとみられています。市場予想を上回る結果になれば、米ドルにとってプラスになりそうです。

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米国では本日、大統領選挙の投開票が行われます。選挙の結果は、早ければ日本時間6日午後に判明する可能性があります。

本日の『ファンダメ・ポイント』は[米大統領選は5日投開票、結果判明は・・・?]です。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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