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【株価指数】米大統領選、FOMC、国債入札に注目

2024/11/04 08:42

【ポイント】
・政治要因もあって主要株価は総じて軟調
・米大統領選の結果はいつ判明するか
・主要中銀の会合結果とフォワードガイダンスに要注目

先週(10/28- )のレビュー

主要株価指数は、日経平均が上へ往って来い、NYダウなどその他は総じて軟調でした。

翌週に米大統領選やFOMCなどを控えて、投資家は積極的なポジションを取りづらい状況でした。衆院選での与党惨敗を受けて円安が進んだことで日経平均は上昇しましたが、長続きはしませんでした。日銀の金融政策決定会合の結果はタカ派的。植田総裁は「(利上げまで)時間的余裕がある」との表現を使わず、12月の追加利上げの可能性を示しました。

英国の労働党スターマー政権初の予算案が財政拡張的と判断され、英長期金利が大幅に上昇。財政赤字拡大懸念から米長期金利も上昇し、株価の下押し要因となりました。

マイクロソフトメタ・プラットフォームズなどの決算は市場予想を上回りましたが、材料出尽くしからか大型ハイテク株は総じて軟調でした。

米国の10月雇用統計はNFP(非農業部門雇用者数)が前月比1.2万人の増加にとどまるなど、軟調でした。それでも、ハリケーンやとストライキの影響もあって判断が難しいなか、翌週の大統領選挙などを控えてポジション調整が入ったためか、米長期金利は今年7月上旬以来となる4.4%に接近し、株価の下押し要因となったようです。


今週(11/4- )の注目材料

最大の注目は米大統領選挙。早ければ日本時間6日午後に結果が判明するかもしれません。ただ、今回は接戦となっているため、もう少し時間がかかると考えた方が良さそうです。市場では、16年の「トランプ・ラリー」を予想する声もありますが、当時は劣勢とされていたトランプ氏が勝利するというサプライズでした。今回は足もとでトランプ氏が優勢とされて市場も織り込みつつあるため、仮にトランプ氏が勝利しても、その影響は長く続かないかもしれません。

今週は中央銀行ウィークです。米FRB、BOE(英中銀)、RBA(豪中銀)、ノルウェー銀行、リクスバンク(スウェーデン中銀)などの政策会合が開催されます。FRB、BOE、リクスバンクは利下げが予想されています。今後に関して、追加利下げなどのヒントが示されるか要注目でしょう。

米長期金利(10年物国債利回り)の動向にも要注意かもしれません。米長期金利は足もとの景気堅調やFRBの利下げ観測の後退によって上昇基調が続いています。トランプ勝利によるインフレ高進や財政赤字拡大の思惑も長期金利の押し上げ要因となっている模様です。英国の予算案を受けて英長期金利が大幅に上昇したように、市場は財政赤字の拡大に神経質になっているようです。

今週は米国で3年、10年、30年の国債入札が予定されています。それらの結果次第では長期金利に一段の上昇圧力が加わって、株価の下押し要因となるかもしれません。

経済指標では、米国の10月ISM非製造業景況指数ミシガン大学消費者信頼感指数、カナダの10月雇用統計などが注目されます。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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