日銀会合、米PCE、主要中銀の金融政策見通し
2024/11/01 07:55
【ポイント】
・主要中銀の金融政策見通しは足もとでタカ派方向にシフト
・米国は景気堅調、英国は拡張的財政が背景
・日銀は25年1月に追加利上げ!?
主要中央銀行の金融政策見通しは、利下げ観測の後退や利上げ観測の強まりなど、足もとでややタカ派方向にシフトしています。それぞれの要因は以下の通り。
FRB:9月雇用統計や7-9月期GDPが堅調。10月PCE(個人消費支出)デフレーターはやや上振れ(後述)。11月7日のFOMCでは引き続き0.25%利下げが有力視されるものの、12月は据え置きがメインシナリオに。
ECB:10月ユーロ圏PMIが2カ月連続で50割れとなり、9月CPIが前年比1.7%まで低下するなど(10月CPI速報値は2.0%)、利下げを後押しする材料は多い。ただし、米英の利下げ観測後退により、ECBの利下げ観測もやや後退。
BOE:労働党スターマー政権初の予算案は財政拡張的と評価され、利下げ観測が後退。英長期金利(10年物国債利回り)が大幅に上昇し、プチ「トラス・ショック(※)」の様相も。
※22年秋に保守党ジョンソン首相の後を継いだトラス首相が財源の不透明な減税を提唱したことで、英ポンド、株、債券のトリプル安が起きました(債券価格の下落=金利の上昇)。トラス首相は在任50日で辞任。
BOJ(日銀):10月31日の記者会見で植田総裁は前回やG20の会見での「時間的余裕がある」との表現は使わず、「見極めに必要な時間や利上げのタイミングに予断を持っていない」と説明しました。市場では25年1月に追加利上げとの見方が多いですが、利上げが100%織り込まれているのは25年6月以降(ただし、0.25%利上げ1回のみ)。


*******
米国の9月PCE(個人消費支出)デフレーターは、総合が前年比2.1%と前月(2.2%)から減速する一方で、食料とエネルギーを除くコアは同2.7%と前月と同じでした。コアは前月比0.3%と、今年4月以来の高い伸びでした。前年比でみて、総合は伸びの鈍化が続いていますが、コアは鈍化が止まったようにみえます。

労働コストを反映しやすいとしてFRBが注視しているPCEコアサービス(住居費を除く)は、9月に前年比3.2%とやや高め。こちらも改善は遅れているようです。
・主要中銀の金融政策見通しは足もとでタカ派方向にシフト
・米国は景気堅調、英国は拡張的財政が背景
・日銀は25年1月に追加利上げ!?
主要中央銀行の金融政策見通しは、利下げ観測の後退や利上げ観測の強まりなど、足もとでややタカ派方向にシフトしています。それぞれの要因は以下の通り。
FRB:9月雇用統計や7-9月期GDPが堅調。10月PCE(個人消費支出)デフレーターはやや上振れ(後述)。11月7日のFOMCでは引き続き0.25%利下げが有力視されるものの、12月は据え置きがメインシナリオに。
ECB:10月ユーロ圏PMIが2カ月連続で50割れとなり、9月CPIが前年比1.7%まで低下するなど(10月CPI速報値は2.0%)、利下げを後押しする材料は多い。ただし、米英の利下げ観測後退により、ECBの利下げ観測もやや後退。
BOE:労働党スターマー政権初の予算案は財政拡張的と評価され、利下げ観測が後退。英長期金利(10年物国債利回り)が大幅に上昇し、プチ「トラス・ショック(※)」の様相も。
※22年秋に保守党ジョンソン首相の後を継いだトラス首相が財源の不透明な減税を提唱したことで、英ポンド、株、債券のトリプル安が起きました(債券価格の下落=金利の上昇)。トラス首相は在任50日で辞任。
BOJ(日銀):10月31日の記者会見で植田総裁は前回やG20の会見での「時間的余裕がある」との表現は使わず、「見極めに必要な時間や利上げのタイミングに予断を持っていない」と説明しました。市場では25年1月に追加利上げとの見方が多いですが、利上げが100%織り込まれているのは25年6月以降(ただし、0.25%利上げ1回のみ)。


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米国の9月PCE(個人消費支出)デフレーターは、総合が前年比2.1%と前月(2.2%)から減速する一方で、食料とエネルギーを除くコアは同2.7%と前月と同じでした。コアは前月比0.3%と、今年4月以来の高い伸びでした。前年比でみて、総合は伸びの鈍化が続いていますが、コアは鈍化が止まったようにみえます。

労働コストを反映しやすいとしてFRBが注視しているPCEコアサービス(住居費を除く)は、9月に前年比3.2%とやや高め。こちらも改善は遅れているようです。

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