日銀会合、政策金利は据え置きか
2024/10/31 09:01
【ポイント】
・総裁会見で日銀の追加利上げ時期についてのヒントが示されるか
・米PCEデフレーターで市場のFRB金融政策見通しが変化するか
(欧米市場レビュー)
30日、欧米時間の外為市場では、ユーロが堅調に推移。一時、ユーロ/円は166.553円、ユーロ/米ドルは1.08659ドル、ユーロ/英ポンドは0.83710ポンドへと上昇し、ユーロ/円は7月30日以来3カ月ぶりの高値をつけました。ユーロ圏やドイツ、フランスの7-9月期GDP速報値が市場予想を上回ったことが、ユーロの支援材料となりました。
GDPの結果は以下の通り。( )は市場予想です。
ユーロ圏:前期比0.4%(0.2%)
・ドイツ:同プラス0.2%(マイナス0.1%)
・フランス同0.4%(0.3%)
メキシコペソは軟調。対米ドルで22年9月以来およそ2年ぶりの安値を記録し、対円(メキシコペソ/円)では一時7.550円へと下落しました。11月5日の米大統領選挙でトランプ前大統領が勝利することへの警戒感がメキシコペソの重石となりました。トランプ前大統領は、大統領に返り咲けばメキシコから輸入する自動車すべてに対して高い関税を課す考えを示しています(税率は200%以上とする可能性にも言及)。
(本日の相場見通し)
本日は、日銀の金融政策決定会合が開かれます。会合の結果は通常正午頃(日本時間)に発表され、15時30分から植田総裁が会見します。これらの結果が為替相場の材料になりそうです。
日銀は7月の会合で利上げを実施し、前回9月19-20日の会合では政策金利を据え置きました。植田総裁は9月の会合以降、追加利上げに関して「時間的な余裕はある」と繰り返し述べており、政策金利は今回も据え置かれそうです。
植田総裁の会見や経済・物価情勢の展望(展望レポート)にも注目です。総裁会見などでは、日銀の追加利上げのタイミングについてのどのようなヒントが示されるかが焦点になりそうです。植田総裁がこれまでと同様に「時間的な余裕はある」との認識を示すなど、総裁会見や展望レポートが日銀の追加利上げ観測を後退させる内容になれば、円が軟調に推移して、米ドル/円やクロス円(ユーロ/円や豪ドル/円など)に対して上昇圧力が加わりそうです。
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市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は次回11月6-7日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%利下げするとの見方が大勢です。また、次々回の12月17-18日のFOMCでも0.25%の利下げが行われるとの見方が市場では有力です。
CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む11月FOMCでの0.25%の利下げ確率は95.2%、12月FOMCで0.25%の追加利下げが行われる確率は72.2%です(日本時間08:14時点)。
米国の9月PCE(個人消費支出)デフレーターが本日発表されます(日本時間21:30)。
PCEデフレーターの市場予想は総合指数が2.1%、変動の大きい食品やエネルギーを除いたコア指数が2.6%です。市場予想を上回る結果になれば、FRBの利下げ観測が後退する可能性があります。利下げ観測が後退する場合、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下値を試す展開になりそうです。
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