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BOC(カナダ中銀)は4会合連続の利下げへ!?

2024/10/23 09:05

【ポイント】
BOCはどの程度利下げするか
・BOC総裁会見などで12月も大幅利下げするとの観測が強まるか
・米長期金利が一段と上昇するか
RBNZ総裁の講演で11月会合についてのヒントが示されるか

(欧米市場レビュー)

22日、欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は151.150円へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.07916ドル、英ポンド/米ドルは1.29433ドルへと下落しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇したことが、米ドルの支援材料となりました。

カナダドルメキシコペソも堅調。一時、米ドル/カナダドルは1.38107カナダドルへと下落し、カナダドル/円は109.320円、メキシコペソ/円は7.599円へと上昇しました。原油価格が上昇したことが、カナダドルやメキシコペソの支援材料となりました。原油価格の代表的な指標である米WTI原油先物の11月物は、前日比1.53ドル高(2.2%)の1バレル=72.09ドルで取引を終了。中東情勢のさらなる緊迫化への懸念などが原油価格の上昇要因となりました。

(本日の相場見通し)

本日は、BOC(カナダ中銀)の政策会合が開かれます。会合の結果は日本時間22時45分に発表され、マックレムBOC総裁が同23時30分から記者会見します。これらにカナダドルが反応しそうです。

BOCは6月・7月・9月の3会合連続で利下げを行いました(利下げ幅はいずれも0.25%)。

マックレムBOC総裁は9月24日の講演で「インフレ目標達成への進展が続いていることから、さらなる利下げを予想するのは妥当だ」と述べ、追加利下げを示唆しました。

その後発表されたカナダの9月CPI(消費者物価指数)は前年比1.6%と、上昇率は8月の2.0%から鈍化し、BOCのインフレ目標レンジ(1~3%)の中間値である2%を下回りました。CPI上昇率が2%を下回ったのは21年2月以来です。

市場では本日の会合で追加利下げが行われると予想されており、利下げ幅についてはこれまでよりも拡大されて0.50%になるとの見方が大勢です。

BOCの声明やマックレム総裁の会見で、次回12月11日の会合の政策決定についてどのようなヒントが示されるかにも注目です。声明やマックレム総裁の会見がハト派的な内容になって、12月の会合でも大幅な(例えば0.50%)利下げが行われるとの観測が市場で強まる場合、カナダドル安圧力が強まりそう。米ドル/カナダドルは、1.39409カナダドル(8/5高値)に向かって上昇する可能性があります。

※カナダドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[カナダドル/円、BOC会合&総裁会見が相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

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米長期金利(10年物国債利回り)は22日に一時4.22%へと上昇し、7月下旬以来およそ3カ月ぶりの高い水準をつけました。FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げペースが緩やかになるとの観測や米国の財政赤字が拡大するとの懸念が引き続き、米長期金利の上昇圧力となりました。

※米財政赤字については、22日の『ファンダメ・ポイント』[米大統領選挙:「トランプ大統領」なら財政赤字は大幅増?]をご覧ください。

米長期金利が一段と上昇する場合、米ドルが堅調に推移しそうです。米ドル/円は上値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下値を試す展開が想定されます。米ドル/は、200日移動平均線(10/22時点で151.336円)を超えるかどうかに注目です。

 “円安(米ドル/円の上昇)”に対する本邦当局の反応にも引き続き注目です。三村財務官は18日に、外為市場の動向について「足もとでやや一方向に、あるいは急速な動きもみられる」、「投機的な動きも含め、高い緊張感をもって注視する」と述べました。

23-24日にワシントンでG20財務相・中央銀行総裁会議があり、会議には加藤財務相や植田日銀総裁のほか、三村財務官が出席します。加藤財務相らが会議の前後などに為替について発言することも考えられます。これまでよりも“円安”けん制のトーンが強まったと市場が受け止めれば、米ドル/はいったん下落するかもしれません。

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RBNZ(NZ中銀)は8月に0.25%、10月に0.50%の利下げを実施しました(9月は政策会合なし)。市場では次回11月27日の会合で追加利下げが行われると予想されています。利下げ幅については0.50%になるとの見方が有力ですが、0.75%との観測もあります。

RBNZのシルク総裁補は16日の講演で、11月の会合で0.75%利下げする可能性について問われると「11月会合までには多くの情報が得られる」と述べるにとどめました。

本日、オアRBNZ総裁がワシントンで金融政策について講演します(日本時間24日02:00)。次回会合の政策決定について何らかのヒントが講演で示されれば、NZドルが反応しそう。0.75%の利下げ観測が後退する場合、NZドル買い材料となり、豪ドル/NZドルは軟調に推移すると考えられます。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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